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国語

言葉を知ろう!使いこなそう!

「食レポ日記」で語彙力を高めよう

  • 対象学年(おすすめ年齢)小学校低学年〜中学生
  • かかる日数(目安)1日〜

夕食の感想を日記にする、一見シンプルな自由研究。でも、美味しさの表現にこだわることで、語彙を増やすコツや、伝わる言葉の選び方、豊かな表現力など国語力がぐんと上がります!

親に嬉しいポイント

しっかり味わってもらえるので作りがいがアップする!

どんな学びがある?

ひとくちに「美味しい」と言っても、味や食感、自分の好みなど、さまざまな視点があり、表現方法があります。料理にねらいを絞って語彙を増やすことで、複数の言葉から、より表現したいことにぴったりの言葉を選ぼうという気持ちや技術が育ちます。

こんな声かけで学びを後押し!

  • その言い方わかりやすい!美味しさが伝わるね
  • わ、そう言ってもらえるとすごく嬉しいよ
  • 料理の本に味の表現がいっぱい載ってるよ。これ見て食レポ対決しよう!

楽しみながら取り組むアイディアを紹介!

基本の取り組み

  • 夕食の料理を書き、美味しさの表現にこだわって感想を日記にする。

STEP01

感想を書く料理を決めよう

美味しい! と思った料理を主題にしてもいいし、大好きなメニューを主題にしてもいい。まず、食べて「この料理のことを書こう」と決めたら、しっかり味わって感想を書き留めておこう。

STEP02

いろいろな表現の方法を探そう

味わった感覚や料理の記憶が鮮明なうちに、感想を思いつく限りメモしておく。さらに、下のコツを参考に、料理を伝える表現をどんどん書き出して、メモを増やして。

読んだ人がイメージできる表現を考える

  • 美味しいに「甘くて」「辛くて」などを一言足す
  • 甘い、辛いに「〇〇のように」「〇〇よりも」など一言足す
  • 見た目についても言葉にしてみる「カラフルで元気が出る」「カラッとあがっている」
  • 作り方のコツや材料について聞いて情報を加える

気持ちも言葉にする

  • 自分の好みも書く「甘くてとても好きな味」「コリコリした食感が好き」
  • まわりの人の感想も書く「お父さんは懐かしい味と言っていた」「妹は少し苦いと言った」

プロの言葉をまねする

  • テレビのレポーターの表現で感心した言葉、印象に残った言い回しなどを書き留めてコメントを添える
  • 料理雑誌やレシピ本からいろいろな表現を探して使ってみる

STEP03

読みやすく整理して書こう

メモをもとに、作文としてまとめる。食レポも起承転結がしっかりしていると読みやすい。料理の説明、味や食感のこと、気づき、感想などをそれぞれまとめて組み立ててみよう。

自由研究のまとめかたのコツ

文章の流れを意識して組み立てよう(低学年向け)

  • はじめにメニューを書く
    例:今日の夜ごはんは肉じゃがでした。
  • 全体の特徴や印象に残ることを書く
    例:肉じゃがは、じゃがいもが大きくてホクホクしていて、甘いつゆの味がしっかりついて美味しかったです。
  • 聞いた情報を書く
    例:じゃがいもは「男爵」です。一度冷ますと味がよくしみるそうです。
  • 感想を書く
    例:じゃがいもをたくさん食べたので、ごはんがいらないくらいお腹がいっぱいになりました。

より詳しく伝わるように工夫しよう(中学年向け)

  • 定番だ、珍しい、など「わが家にとって」の定義を書く
    例:今日の夕食はグラタンです。家族みんなの大好物なのですが、手間がかかるらしくたまにしか出てきません。
  • 全体の特徴や味や食感など印象に残ることをなるべく詳しく書く
    例:家族全員チーズが好きなので、チーズをたっぷりのせて、その上にパン粉をのせて、こんがり焼きます。パン粉のサクサクとチーズのもちもちがホワイトソースと混ざって、本当に美味しいです。上のチーズのところだけ、もっと食べたいといつも思います。ホワイトソースにはベーコンと玉ねぎが入っています。
  • 聞いたり調べたりした情報を書く
    例:グラタンの何が手間かというと、マカロニをゆでたり、ホワイトソースを作ったり、最後に焼いたり、いろいろ別々の作業があるからだそうです。
  • 感想を書く
    例:私はマカロニにはあまりこだわりがないので、次はマカロニを入れないグラタンでもいいなと思っています。

個性を出してみよう(高学年以上向け)

  • 特徴や魅力を自分の言葉で伝える
    例:今日はカレーでした。家のカレーは使うルーが決まっていないので毎回少しずつ味が違います。でも、いつも美味しくて必ずおかわりをするほどです。
  • みんながイメージできる味と比較して書く
    例:さっそくレポートを始めましょう!中辛ですが、学校の給食よりも少し辛くてスパイスの香りが強めです。玉ねぎはほとんど溶けて見えませんが、カレーの甘みに玉ねぎを感じます!
  • 体感を書く
    例:一口目はそれほど辛くないのですが、だんだん口の中が辛くなって汗が出てきます。涼しい部屋で辛いカレーを食べると最高に美味しく感じます。
  • 新たにわいた疑問や興味を書く
    例:同時に、「どうしてカレーは辛いのか」そんな素朴な疑問がわいてきました。辛さは味ではなく刺激だという話も聞いたことがあります。しかし、家ではルーを入れるだけなので、家族もどんなスパイスが使われているのかはよく知らないようでした。スパイスについて、機会があれば調べてみたいです。
  • 感想を書く
    例:カレーで特に好きなのは、やはり肉です。今日は薄切りの肉でした。薄切りは調理が早いから使いやすいと言いますが、できればかたまりの肉が食べたいです。薄切りでも、もっと入れてほしいです。

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最後に・・・

使える言葉が多いほど、表現を考えるのが面白くなります。「どんなふうに甘い?」「しっとりしていて口当たりがいいでしょう?」など、親子の会話の中でも言葉を増やしてあげてください。自由研究で、食卓でのコミュニケーションを楽しんでくださいね!

監修:親野智可等(教育評論家)

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