小学校の登校時間は?起床時間や共働きで出勤時間が早い場合の対処法も
2023/12/12
- 子育て
小学生になると、子どもだけでの登校がスタート。保育園や幼稚園のころと違い、送迎に時間を取られないことはホッとする半面、「遅刻せずに行けるかな?」といった心配もあるのではないでしょうか。共働きで保護者のかたのほうが家を出る時間が早いという場合は、防犯や安全面の不安もあるでしょう。
小学校の登校時間や起床時間、朝の時間の過ごし方から共働き家庭の対処法を紹介します。
小学校の登校時間はどのくらい?
小学校の登校時間は、午前8時〜8時半の中の10〜15分程度が多いです。お住まいの地域や、公立か私立かなどでも変わってくるため、具体的な時間は通学予定の学校のホームページなどで公表されている情報を確認してみてください。
学校ごとに登校時間にそこまで大きな違いはありませんが、次のような差異が見られます。
● 大阪市立新北島小学校:8:10〜8:25
● 東京都目黒区立中目黒小学校:8:00〜8:10
東京都目黒区は、授業時間確保のため「40分授業午前5時間制」を導入しているため、登校時間がやや早めとなっています。(※1)
なお、現在では防犯上の観点から、登校時間として定められた時間にならないと校門が開かないことも。早めに登校しても学校に入れず、校門前に待機しているのは、安全面からも不安が残ります。できるだけ、定められた登校時間を守るようにしましょう。
1年生の小学校の時間割は?
小学1年生の場合、登校後の時間割は、次のようなケースが一般的です。
● 朝の会:10分ほど
● 午前中授業:4時間(1授業45分または50分が一般的)
● 給食
● 午後授業:5時間目で終わる場合と、6時間目まである場合がある
● 掃除
● 帰りの会:10分ほど
小学1年生は、年間の総授業時間数が850時間であるため、6時間授業となるのは週に1日であることが一般的。それ以外は、5時間授業となることがほとんどです。
時間割についての詳しい情報はこちらをチェック!
【学年別】小学校の時間割の特徴 授業時間や1日の流れは?
平均的な起床時間は? 朝の時間はみんな何をしている?
「放課後の生活時間調査(※2)」によると、小学生の平均起床時刻は、6時36分です。また、起床時間の割合は次のとおりです。
この結果から、94%の小学生が7時ごろまでには起床していることがわかります。
登校時間が最も一般的な8時15分で、20分前には家を出ているとすると、起床から登校までの間に1時間以上は自宅で過ごしているケースが多いと考えられます。
登校前の過ごし方は「身支度や朝食のみ」が最多。27%は勉強も!
小学生は、登校前の時間をどのように過ごしているのでしょうか。全国の保護者のかたにアンケートで聞いてみたところ、次のような結果に(※3)。
最も多いのは「身支度や朝食のみ」で44%。次いで「テレビ」36%となっています。登校前に家で朝勉強をする子どもも27%いることがわかりました。
また、ついつい見入ってしまいがちなテレビについては「テレビ番組で出る時間を確認」「テレビでニュースや録画した英語番組を見せる」などテレビの見せ方を工夫し、朝の時間を有効に使っているかたもいました。
共働きで出勤時間が早い場合の対処法は?
共働き家庭などでは、お子さまの登校より保護者のかたのほうが早く家を出ることもあるでしょう。子どもだけで、戸締まりや火の始末、消灯、冷暖房機器のオフ、施錠など忘れずにできるか心配……というかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
犯罪学に詳しく、「地域安全マップ」の考案者でもある立正大学文学部社会学科・小宮信夫先生にお話を伺いました。
「保護者と一緒に早めに家を出て学校に行った時、門が閉まっていて一人道路に残される場合は、さまざまな危険があるので避けた方がいいでしょう。連れ去りや交通事故、あるいは自分でふっとどこかへ行って、帰ってこれなくなることもあり得ます」
さらに、小学生のお子さまがいらっしゃる保護者のかたにお子さまだけで家を出る際に行っていた対策や「こうすればよかった」「こういう対策もできたかも」といった学びをお聞きしました。
防犯や安全面のリスクを最大限に少なくできるよう、次のような対処法の中から、ご家庭の事情に合った方法を検討してみてはいかがでしょうか。
● 子どもが行うことは施錠だけにする。それ以外のことは、保護者が家を出る前にすませておく。出かける時間は念押しして伝えたり、リビングの目立つところに貼っておいたりする。
● 万が一に備えて、スマホで家のカギを開け閉めできるスマートロックを活用する。
● 子どもの登校のあとに出勤できるよう、出社時間の調整ができるか相談する。
● 登校までの時間、自治体のファミリーサポートセンターのかたのご自宅、お友達の家で預かってもらう。
● 学童で朝の預かりサポートがある場合は利用する。
● 一人で家を出る時の練習を事前にしておき、手順を覚えてもらう。
● 困った時に保護者に連絡ができるよう、電話をかける練習をしておく。電話がつながらない場合はどうすればよいかも決めておく。
● 家が留守であることが知られないよう「行ってきます」と言って家を出てもらう。
鍵をかけるよう言い聞かせていたのに、実際にはかけないまま出かけたり、保護者のかたが出かけたあと、ゲームに夢中になり約束した時間に家を出ていなかった……などの失敗談もあるようです。何かに夢中になって時間を忘れることがないよう、出る時間や約束事は事前にしっかり決めておき、いつでも見返せる場所に掲示しておけるとよさそうですね。
小宮先生によれば「掲示はしばらくすると景色の中に埋没するので、定期的に交換する必要があります。例えば、貼っている紙や文字の色を変えたり絵を変えたりするのがおすすめです」とのこと。
また、小宮先生は地域との関係づくりやデジタルデバイスの活用もおすすめしています。
「地域で友達関係を構築しておけば、助け合うことができます。見守りのシェアリングですね。ただし、保護者が積極的にネットワークを構築しないと友達づくりも難しいので、共働きにはハードルが高いかもしれません。休日に友達を家に呼ぶなどができればよいですが、人的ネットワークが難しい場合は、デジタルのネットワークを駆使しましょう。例えば、タブレットを用意して、出勤前にZoomにつなげておけば、出勤途中や出社後に、画面で子どもの様子が分かります。登校の支度をしていないなら、画面越しに声をかけることもできます。親はスマホを持っていれば、家に残した子どもと話ができるので、まるで家にいるような感覚で子どもをサポートできます」
(出典)
※1
目黒区教育委員会/目黒区立小学校の午前5時間制研究状況報告
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/09/27/1420605_007.pdf
※2
ベネッセ教育総合研究所/放課後の生活時間調査
https://berd.benesse.jp/up_images/research/2014_houkago_02.pdf
※3
まなびの手帳/【結果発表】お子さまは朝、学校に行く前の時間を、何をして過ごしていますか?
https://benesse.jp/kosodate/202205/20220507-1.html
まとめ
小学校の登校時間は、8時〜8時30分の間の15分くらいが多いです。
お子さまが小学生になると、生活リズムが変わり、保護者のかたも以前より忙しくなるケースもあると思います。保護者のかたもお子さまも無理のない朝の時間を過ごせますよう、参考にしてみてください。
プロフィール
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小宮 信夫
立正大学 文学部社会学科教授 -
社会学博士。ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省などを経て現職。地域安全マップの考案者であり、警察庁や文部科学省、各自治体で防犯に関わる委員を歴任。テレビ、ラジオへの出演や全国各地での講演多数。著書に『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)、『犯罪は予測できる』(新潮新書)、『子どもは「この場所」で襲われる』(小学館新書)などがある。
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小宮信夫の犯罪学の部屋
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