ご家庭では、「子ども部屋」どうされていますか? 上手に活用できていますか?
お子さま専用の部屋があっても、あまり使っていないというご家庭も多いようです。
最近の「子ども部屋」事情をチェックしながら、
お子さまのご家庭での生活空間を考えてみませんか?
低学年のお子さまが勉強するのは、「リビング」または「ダイニング」が約8割。「親の目の届く場所で勉強」と考えるご家庭が多いようです。とはいえ、子供部屋を空き室にするのはもったいないもの。それぞれのメリットを知って、じょうずに使い分けしたいですね。
小学校低学年の頃は、おうちのかたに見ていてほしいという気持ちが強いものです。おうちのかたがそばで見守ってくれているリビングは、お子さまに安心感を与えます。その安心感が、学習への意欲や集中力を高めます。
リビングはもともと勉強用ではないため、照明が暗かったり、テレビなど誘惑の多いものが並んでいたりします。勉強できる環境をつくることが大切です。椅子の高さが合わないと姿勢に影響するので調節を。足がブラブラしていると集中できないので足置き台などを用意しましょう。
宿題や毎日の家庭学習など、お子さまのモチベーションを上げるサポートが必要な学習は、おうちのかたが、そばでほめたり教えたりできるリビングがいいでしょう。勉強の後におやつを食べたり親子でおしゃべりしたりなど、安心できる雰囲気が勉強を頑張る力になります。
計算ドリルや音読、文字の練習など、おうちのかたの「がんばってるね」「じょうずだね」の声かけが、やる気を高めます。
苦手な学習は、取りかかるハードルが高いもの。「まず〇〇してみよう」などと手順を伝えることで、やり方がわかるように。
「じっくり考えたい」「集中したい」というときは、お子さま専用のスペースが有効です。きょうだいから邪魔をされたり、おうちのかたの言葉で中断したりすることなく、長時間、集中して自分のやりたいことに取り組めます。
低学年の頃は、一人でいると不安を感じるものです。集中しているからと、放っておくのはNG。ドアを開けておいたり、ときどきのぞきに行ったりと、おうちのかたの気配を感じられる工夫を。また、自分で自由に使える部屋です。多少散らかっていても、ガミガミ言わずに見逃して。
得意なことや、自由に取り組ませたい学習であれば、子ども部屋がいいでしょう。まわりの目を気にせず思いきり自由に取り組むことで、お子さまの創造力を高めます。また、暗記のように短時間集中する学習も、部屋に1人こもって取り組むことで、集中力が高まります。
ついおうちのかたは口を挟みたくなるもの。一人でじっくりできるスペースで、お子さまの自由に任せて。
声に出したり体を動かしたり。暗記法は人それぞれ。誰もいない空間なら、自分なりの方法で暗記できます。
低学年のお子さんが過ごす環境でもっとも大切なのは、
「安心感」です。お子さんの安心感のモトは、「おうちのかた」。おうちのかたがそばにいることで心が安定し、勉強や遊びに集中して取り組むことができます。
子ども部屋もリビングも、お子さんが安心して過ごせる場であれば、お子さんの様子にあわせて使い分ければいいでしょう。「おうちのひとと一緒に」と望むのであれば、リビングで勉強するのも大丈夫。家庭での安心感が、お子さんの意欲と自信になり、自立への土台をつくっていきます。
親野 智可等(おやの ちから)先生
長年の教師経験をもとに著書やメルマガで勉強法や子育て法を提案。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気。講演依頼とメルマガ登録はホームページから。
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