2019/01/22
【学びに向かう挑戦】第3回 スキル育成を通した「学びに向かう」授業づくり
「思考力」ってなんでしょう。
何ができるようになれば「思考力」があると言えるのでしょうか。
何ができるようになれば「思考力」があると言えるのでしょうか。
2020年度に「センター試験」から「大学入学共通テスト」へ変わる際の大きな特徴の1つは、従来にはなかった記述式問題の登場です。
その背景には、新学習指導要領において「思考力・判断力・表現力」育成の徹底が明記されていることにあります。
その背景には、新学習指導要領において「思考力・判断力・表現力」育成の徹底が明記されていることにあります。
では、教育現場では、ともすれば抽象的な概念と捉えられがちな「思考力」といった「力」をどのように育てていくのでしょうか。
今回の事例は、「思考力」が具体的なスキルとして身についていくプロセスが可視化され、それを共有もしながらメタ認知のできる環境が、さらには「学びに向かう」姿勢を後押ししている授業カリキュラムです。
今回の事例は、「思考力」が具体的なスキルとして身についていくプロセスが可視化され、それを共有もしながらメタ認知のできる環境が、さらには「学びに向かう」姿勢を後押ししている授業カリキュラムです。
BERD編集長 石坂 貴明
「批判的思考力」の育成を通して「書く力」を育てるオリジナル教材を開発した、ベネッセ教育総合研究所アセスメント・教材研究開発室研究員の 伊藤 素江 に話を聞くとともに、その教材を活用した授業を展開する明星高等学校(以下、明星高校)の新たな取り組みを取材した。
「活動主義」から「資質・能力主義」への転換
2020年度以降、小学校・中学校・高校で順次実施される次期学習指導要領の特徴の1つに、「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」が挙げられる。
学習指導要領改訂の方向性
出典:幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申) 補足資料
まなびのかたち事務局で再編集
まなびのかたち事務局で再編集
伊藤素江 ベネッセ教育総合研究所アセスメント・教材研究開発室研究員
今回の取材対象とした国語を例に考えるならば、「これまでの学習指導要領は“何をするか”という活動主義であり、読む・書く・聞く・話すという活動がベースにあった。しかし次期学習指導要領では、“何ができるようになるか”を重視する資質・能力主義へと大きく変わり、それに沿った育成や評価が求められるようになる。」と伊藤は語る。
国語の学習指導要領改訂にあたり、中央教育審議会(以下、「中教審」)では次のような点が指摘されている。
現行学習指導要領の課題(一部抜粋)
出典:「国語ワーキンググループにおける審議の取りまとめ」(文部科学省中教審初等中等教育分科会教育課程部会国語ワーキンググループ 2016)
長年、「批判的思考力」を研究対象としてきた伊藤は、このような国語教育にまつわる課題を解決することは、まさに資質・能力としての「批判的思考力」の育成を通して可能になると考えている。そこで、これまでの研究成果を活かし、中学校や高校で求められる言語能力を育成するための授業や評価の実践を始めている。
「批判的思考力」と「論理的に書く力」を育てる授業づくりの挑戦
「批判的思考力」とは、国立教育政策研究所が学校教育において育成すべき資質・能力としてまとめた「21世紀型能力」に明記され、教育界で注目を集めている能力の1つである。学術的な世界でも批判的思考について唯一の定義があるわけではないが、そのなかで伊藤は楠見孝教授(京都大学)の定義に依拠して研究を進めている。
批判的思考の構成要素
批判的思考力を発揮するためには、その分野固有の知識・スキルである「領域固有知識」と、分野に関わらない「領域普遍知識」が必要とされる。そして、これらの知識・スキルを適切に発揮するために求められるのが、批判的に思考しようとする態度や指向性といった「情意的側面」や、自らの思考プロセスを客観的に捉える「メタ認知」だ。(※詳細はこちら)
このうち分野に限らず発揮が求められる「領域普遍知識」は、情報を正確に把握する「明確化」、根拠の信頼性を問う「推論の土台の検討」、論理的整合性を求める「推論」に細分化される。この理論に則って伊藤らが開発した授業は、「批判的思考力の育成を通じて、文章やグラフなどを適切に読み解き、問題解決に必要な情報を取捨選択し、適切な根拠をもとに論証文を書く力」を身につけることを目標として設計されている。
論理的に書く力を育成する国語授業のフレームワーク
通年授業として設計されたこの授業の特徴は、「状況の理解」「立場の検討」「根拠の選定」「文章化」という論証文を書くための4つのプロセスで構成されるフレームワークをあらかじめ生徒に提示したうえで、1学期と2学期にフレームワークに沿ったスキルのうち核となるものを学習し、3学期に論証文を書く一連の流れを学ぶ点にある。「フレームワークを示すことで、各プロセスやスキルの意味・重要性を生徒自身が理解し、授業の意義を感じて取り組むことができるようになる。また、このように段階的に学習を進めることで、論証文を書くうえで生徒がどの部分でつまずいているのかを把握しやすい。」と伊藤は話す。
「論理的に書く」スキルを細分化、苦手意識をなくす
明星高等学校(東京都府中市)
東京都府中市にある明星高校では、ベネッセ教育総合研究所アセスメント・教材研究開発室と共同開発したオリジナル教材を用い、論理的に書く力を育成するための授業(以下、「本授業」)を行っている。本授業が開講されているのは、国公立大学や超難関私立大学志望の生徒たちが在籍する、明星グローバルサイエンス(MGS)クラスだ。2017年度から1年生の「国語総合」の授業枠で導入され、2018年度は1年生に加えて2年生の文系選択者にも対象範囲が広がっている。
導入当初から本授業を担当する 藤井 泉 浩 教諭は、かつての生徒たちの様子について次のように語る。「学校で実施する定期テストや模擬試験を見ていると、記述問題というだけでまったく手をつけず白紙で提出するというケースが多くあった。その背景には、文章を書く機会が少ないことや、そもそも読むときに文章の構造理解を苦手とする部分があったのだと思う。だからこそ、この授業を通じて、特にその2点を克服してもらいたいと考えていた。」
今回は、2年生の文系選択者14名が履修する授業を取材した。生徒たちは先に挙げたフレームワークに沿った授業を1年次に履修しており、今年度は論証文を書く一連の流れを複数のテーマで繰り返す演習に挑んでいる。取材当日は、「ビッグデータ」をテーマとした一連の授業の集大成として、自身の経験も踏まえた論証文を書く課題が課せられた。
「ビッグデータ」をテーマとした授業の流れ
各授業回で使うオリジナル教材では、「問題(課題)」「主張」「根拠」のように情報の整理や論述の際に気をつけるべきポイント(身につけるべきスキル)が、批判的思考に基づいて示されている。取材した第5回の授業では、過去の授業で取り組んだ教材を参照して、気をつけるべきポイントを確認しながら意見文を書く生徒たちの姿が見られた。
こうした教材の特長について生徒たちは、「型を教えてもらうことで文章が書きやすくなった。」「数学の公式のような感覚で、型に沿った演習を繰り返すことで、情報の読み取りや文章を書くことに慣れてきた気がする。」といった感想をもつ。
生徒同士の「いいね!」が気づきと深い学びをもたらす
Classi NOTEにアップロードした資料を見ながら発表する生徒
本授業に見られる工夫は、オリジナル教材だけではない。授業は生徒が主体性を発揮できるように運営され、教員は生徒たちの活動を支援するファシリテーター役に徹する。全員がタブレットPCを使っているので、授業支援プラットフォーム「Classi」の一機能である「Classi NOTE」を活用して取り組んだ課題の共有をしたり、授業中に適宜グループワークを取り入れたりするなど、生徒が主体的・対話的で深い学びができるよう考えられている。教員は、この授業で何を身につけさせたいか、その狙いから外れないように子どもたちの反応を見守り時に解説を加え、授業を展開していく役割を担う。
取材した授業の冒頭で、数名の生徒が自ら収集したビッグデータの関連資料について発表した。関連資料を集めるという課題の成果物を全員がClassi NOTEにアップロードし、そのうちクラスメイトからたくさんの「いいね!」を集めた生徒が発表者に選ばれたのだという。
その後、ビッグデータにまつわる自身の経験を振り返る時間が設けられ、そこでは藤井教諭やクラスメイトとディスカッションしながら、疑問点を解消する生徒たちの様子も見られた。授業後半は個人作業で集中して意見文の執筆に取り組み、授業終了間際になるとチェックシートに基づいて意見文の自己チェックとペアでの相互チェックを行い、意見文とチェックシートの双方をClassi NOTEに提出していた。
ビッグデータに関する意見文のチェックシート
それぞれの観点に対して、「自己チェック欄」と他の生徒にチェックしてもらうための「グループチェック欄」が設けられている
他の生徒たちとの相互チェックは、自身の思考を客観的に捉える「メタ認知」にもつながる。ある生徒は「友達の意見文を見ると、自分と違った意見を書いていたり、同じ資料を使っているはずなのに見方が違っていたりしておもしろいと感じる。」と話す。
藤井教諭も、生徒同士で相互チェックすることの意義と成果を強く感じている。「教員がきれいな模範回答を用意しても、生徒はほとんど見ないし、なんとなく分かったつもりになって終わってしまう。しかし、Classi NOTEに生徒たちの成果物をアップロードしてもらい、『いいね!』を多く集めた生徒のものを共有しながら解説を加えたり、自分のものと比較させたりすることで、生徒たちはより主体的に学習に取り組むように感じる。教員が赤ペンで指摘を入れるよりも、生徒自身が気づきを得て赤ペンで書く方が、しっかりポイントを意識して課題に取り組むことにつながる。」
相互チェックは、「自分の成果物が他者にチェックされる」という適度な緊張感ももたらすのだという。「教員にチェックされるよりも、友達にチェックされる方が子どもたちの意識は高まる。チェックする側もされる側も、我々が思っていた以上に一生懸命に取り組んでいる。」と藤井教諭は語る。
「グループワーク=協働できている」ではない
生徒主体の授業は、そう指示すれば簡単に実現できるものではない。教材のテーマやクラスの雰囲気、一人ひとりの精神状態など、さまざまな要素が授業運営に影響を与えうるという。藤井教諭は、こうした状況下でも、授業毎の“ばらつき”を最小限に留めるための工夫や努力を重ねてきた。
たとえば、生徒たちのグループ編成。バランスを考慮せずグループを分けると、グループワークの際に全員が黙り込んで活動が停滞するグループや特定の生徒が仕切って他の生徒たちは聞いているだけのグループができてしまうことがある。このことに気づいてからは、グループ編成時にメンバーのバランスを配慮するようになった。
あえて教員がグループワークに加わることで、議論を活性化させることもある。生徒たち同士で話が進まないときには、藤井教諭が生徒に質問を投げかけて意見を吸い上げることで、議論しやすい環境を作る。しかし、これも決して容易なことではない。「教員が誘導しないと進まないが、誘導しすぎるのもよくない。そのさじ加減が非常に難しい。」と藤井教諭は話す。
藤井泉浩教諭(明星高校)
生徒の意見を吸い上げながら進める授業には、その場で出た意見から授業を組み立てていく瞬発力も求められる。どれだけ入念に授業準備をしていたとしても、授業では想定すらしていなかったような意見が生徒たちからたくさん出てくるという。藤井教諭は、生徒たちの話を聞きながら、内容をかみ砕いたり、新たな内容を少し付け加えたりしながら、授業を展開していくことを心掛けている。
授業をうまく進めるコツは、一言でいうならば「生徒たちとのコミュニケーション」だという。よいコミュニケーションのためには、「生徒たちに関する情報収集」が欠かせない。たとえば、生徒たちが好きなものを知り、授業内でさりげなくその話題に触れる機会を作ることができれば、会話も弾みやすい。
加えて重要なのは、「生徒たちが心地よいコミュニケーションスタイル」を知ることだ。今受け持っている生徒たちに対しては、頭ごなしに否定せず向き合う姿勢が大切だと藤井教諭は考えている。
確かな成長実感と、日常生活や将来への波及
「一番驚いたのは、生徒たちの書くスピードが非常に速くなったこと。生徒たちは『型』を学んだことで、決められた時間内に論理的な構造をもつ意見文が書けるようになった。『型』に沿って書くことには賛否両論あるが、決められた時間で論理的な文章を書く力は大切だと個人的には思う。」と藤井教諭は話す。今では、書くことへの抵抗感も小さくなり、定期テストや模擬試験で記述問題を積極的に解く生徒も増えた。
1年次からの成長は、生徒たち自身も実感している。
「1年生の初めに書いた文章を1年生の終わりに見たとき、自分の進歩を目の当たりにできておもしろかった。初めは文章がまとまっておらず、要素もバラバラに配置されていたが、1年生の終わりには文を構成する能力がついていた。」とある生徒は話す。「書くときだけでなく読むときにも、どこに書き手の伝えたいことが書かれているか分かるようになってきた。」と実感している生徒もいる。
次期学習指導要領でも思考力を中心とした資質・能力の育成が強調されている。そのような背景もあり、すでに国公立大学入試の二次試験を中心として、私立大学も含めて「書く力」がより求められる傾向にある。高校2年生の生徒たちにとって「書けるにようになる」ことは大学以降の学びのためにも重要な力といえる。
本授業を通じた学びは入試だけでなく、社会で求められる力だと認識してほしいという藤井教諭の想いがある。その想いはしっかり生徒たちに伝わっているようで、「家で仕事の資料作りに勤しむ親の背中を見ながら、この授業で学んでいることは社会人になってからも使えそうと感じた。」「学校説明会など、プレゼンテーションの機会に活かせそう。」という言葉が生徒たちから出てきた。
すでに日常生活でも成長を感じているという生徒は、次のようなエピソードを紹介してくれた。「弟に勉強を教えるとき、情報をまとめて分かりやすく説明できるようになった気がする。弟とのやりとりを近くで聞いていた親が、問題文を見なくても話を聞いているだけで内容が理解できるくらい分かりやすいと言ってくれた。」
確かな成長と同時に、これから克服すべき課題も認識している。
生徒たちの学びに寄り添う藤井教諭が特に課題意識を持っているのは、資料から読み取った情報と自分の主張の整合性を図る力だ。実際、授業を受けている生徒からも、「自分の主張を支える根拠として資料の情報を取捨選択することは、2年生になった今でも難しい。」という声があった。
2年生になり、情報源となる記事や資料の難易度が上がったことや、幅広いテーマが扱われるようになったことに難しさを感じている生徒たちもいる。中学で運動部に所属していたというある生徒は、「アクティブレスト(軽い運動を通じて疲れをとる方法)がテーマだったとき、その言葉は授業で聞くまで知らなかったが、運動部に所属していた自分にとって内容がイメージしやすく興味をもって取り組めた。今回のビッグデータは、なかなかイメージが湧かず苦労したテーマの1つだ。」と話してくれた。
藤井教諭は先に挙げた課題について、「今後演習を重ねていけば十分磨かれるだろう。」と今後の成長に期待を寄せる。1年間で着実に力をつけ、これから克服すべき点も認識している生徒たちは、きっと次の1年やその先の学びで更なる成長を見せてくれるはずだ。
他教科、他学年でも、繰り返し学び力をつける
本授業は、国語以外の教科にも発展させられる可能性を秘めている。生徒による授業アンケートにも、化学など他教科でレポートを書くときや英語のライティングに本授業での学びが役立っているという声がある。伊藤は、「特に英語は論理的な文の構成が重視される傾向にあるため、本授業との共通点があるのではないか。」と話す。
藤井教諭は、社会や理科との親和性も指摘する。「情報源となる記事や資料は、教科でいうならば社会や理科で扱うようなものが多い。『書く力』を指導するのは国語教員が適任かもしれないが、テーマについてより深い知識を与えるという観点で考えるならば、社会や理科の教員に説明してもらうという役割分担をした方が、より生徒のためになるかもしれない。」
「文章の構造理解」を中学生の段階から扱うことで、本授業が更に発展できるのではないかとも、藤井教諭は考えている。
もちろん文章の構造を理解しやすくするためには、教材の文章を平易なものにせざるを得ないが、高校1年生に対して平易な文章を出すと、生徒たちは退屈に感じ、モチベーション低下にもつながる。だからといって、モチベーションを保つために抽象度の高い文章を用いると、本来の目的である文章の構造を理解しにくくなる。
生徒によって文章構造の理解力に差があるクラスの場合、この問題はより顕著になるだろうと藤井教諭は推測する。中学生であれば、多少平易な文章であっても、年齢ゆえに高校生のようなモチベーションの低下は起こりづらいと考えられる。
学習指導要領の改訂に関係なく、全体的な傾向として生徒たちの「書く力」が下がっていることも、前倒しが必要だと考える理由の1つだ。中高一貫校である明星高校の場合、「国語総合」のカリキュラムをベースとして中学生向けに落とし込んでいくことも不可能ではないと藤井教諭は期待する。
「中学生の段階から生徒たちが協働して取り組む形式の授業を始めることができれば、ペアワークやグループワークに対する抵抗感も減るはず。そうすれば、将来的には高校の授業でも、議論がより活発になるなど波及効果が見込めるだろう。」
何ができるようになるかという資質・能力で捉えると、同じ枠組みでもテーマを変えれば教科や学年を超えることも可能になる。そうすると、生徒がさまざまなテーマで繰り返しスキルを学習・発揮することにつながる。学習において繰り返しが重要であることは言うまでもなく、さらに多分野での繰り返しはスキルが汎用的に使えるという認識を明に暗に生徒にもたらし、生徒自身が未知の課題に直面した場合も身につけたスキルで対応してみようという主体性につながると考えられる。実際、先に登場した生徒は誰にも教えられることなく授業で学んだスキルを日常場面で発揮している。
本授業は「何ができるようになるか」という資質・能力の定義と、それを基にしたカリキュラムマネジメントにより組み立てられている授業であり、新学習指導要領下での教育を考える際の1つのモデルとなりうるだろう。そして明星高校での実践は、その有効性を私たちに教えてくれている。
Editor's eye
前例のない取り組みをはじめ、指導書通りにならない授業を運営する教員の苦労は計り知れない。しかし、「批判的思考力」にまつわる研究成果が随所に盛り込まれたオリジナル教材を用い、Classi NOTEを活用して生徒同士で相互チェックするなど協働する形式で授業を進めるという2つの挑戦が同時に行われたからこそ、教員だけでなく生徒たちも「成長した」と実感できるほどの成果につながっているのではないだろうか。
今回取材した授業を通じて、「論理的に書く力」だけでなく、これまで本特集で触れてきた「学びに向かう力」も垣間見ることができた。「ビッグデータ」についてなかなかイメージが湧かないときには、周りの友達に質問したり、教員に聞いてみたり、手元のタブレットPCで検索したりする。一通り疑問が解決できたら、一言も話さず集中して文章を書き始める。これらの行動は、「学びに向かう力」の要素として挙げられている「好奇心」「自己主張」「協調性」「がんばる力」にあたるといえるだろう。
周囲を巻き込みながら疑問を解決し、1人で課題に向き合い、他者と評価し合いながら自己調整を繰り返し、その結果として確かな成長を感じる経験は、彼らが大学生や社会人になってからもきっと活きるはずだ。
※プロフィールや所属団体などは取材時のものです。
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