(ページの下部に「プログラミングで育成する資質・能力の評価規準(試行版)」へのリンクがあります)
「プログラミング的思考」とは
文部科学省によると、「プログラミング的思考」とは、「コンピュテーショナル・シンキング」の考え方を踏まえつつ、プログラミングと論理的思考との関係を整理しながら提言された定義である、とされ、次のように定義されています。
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
「プログラミング的思考」とは、簡単に言うと、コンピュータやプログラミングの概念にもとづいた問題解決型の思考です。例えば、コンピュータで処理する対象を細かくして実行しやすくしたり、それらの処理を実行するために繰り返しや条件分岐を用いたりします。大きなプログラムを開発する場合は、処理できる単位を細かくして実行しやすくします。
この考え方は、社会問題の解決においても同様に活用することができます。複雑な問題を小さな単位に分割して解きやすくしたり、問題の中でも適切な側面だけを取り上げるなど、現実社会の問題解決にも応用できる思考能力ということができます。
主に小学校段階におけるプログラミング的思考
ベネッセコーポレーションでは文部科学省より示された「プログラミング的思考」の定義をもとに、内容を整理しました。整理した「プログラミング的思考」より4つの要素を紹介します。
「順次」を使った実践事例
算数「色板でかたちづくり」
算数「合同な図形」
体育「たいそうのうごき」
生活「めいれいのじゅんばん」
音楽「音のひびきをかんじとろう」
算数「空間内の点の位置の表し方」(小4・実践事例)
「繰り返し」を使った実践事例
算数「正多角形の性質」(小5・指導案)
音楽「リズムづくり」(小2・指導案)
総合「くりかえしのあるめいれい」
「条件分岐」を使った実践事例
理科「水溶液」
算数「三角形」
理科「電気を通すもの、磁石につくもの」
理科「昆虫を調べよう」
理科「植物の発芽と成長」
「プログラミング的思考」を育むプログラミング教育の流れ
ここまでは「プログラミング的思考」の各要素について説明してきました。「プログラミング的思考」を育成するためには、学習の流れの中でそれらをどのように位置付けるのかが大切です。以下の図は、一般的な問題発見・解決の流れと「プログラミング的思考」を育むプログラミング教育の流れを対比させて示したものです。
プログラミングで育成する資質・能力の評価規準
ベネッセでは、文部科学省が示した「プログラミング教育を通じて目指す育成すべき資質・能力」の枠組みや海外の事例を参考に、大学・企業・NPOなどに属する有識者と協力して、プログラミングで育成する資質・能力の評価規準を、三つの柱(知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等)別に整理しました。
ベネッセコーポレーションは、引き続き実証授業などを通した評価規準の改善、評価と指導の一体化に関する研究を行っていきます。また実証授業にともない、この評価規準も継続的に改善しながら、より教育現場に即した情報を提供していくことを目指していきます。
第2版「プログラミングで育成する資質・能力の評価規準(試行版)」Ver.2.0.0(2018/8/31版)
【第2版監修者(敬称略)】中川 一史(放送大学)【第2版実践協力者(敬称略)】井上昇(柏市立大津ヶ丘第一小学校)、金子和男(柏メディア研究会)、山中昭岳(さとえ学園小学校)、清水匠(茨木大学教育学部附属小学校)、津下哲也(備前市立香登小学校)、戸田市教育委員会、大阪市教育委員会、柏市教育委員会、柏メディア教育研究会
【第1版監修者(敬称略)】赤堀 侃司(東京工業大学名誉教授)、小泉 力一(尚美学園大学)、中川 一史(放送大学)、森本 康彦(東京学芸大学)、石戸 奈々子(NPO法人CANVAS)、阪上 吉宏(株式会社エデュテクノロジー)、日本マイクロソフト株式会社
※所属は各版の公開時のものであり、現在の所属とは異なる可能性があります。
第1版「プログラミングで育成する資質・能力の評価規準(試行版)」Ver.1.0.0(2017/5/27版)
【監修者(敬称略)】赤堀 侃司(東京工業大学名誉教授)、小泉 力一(尚美学園大学)、中川 一史(放送大学)、森本 康彦(東京学芸大学)、石戸 奈々子(NPO法人CANVAS)、阪上 吉宏(株式会社エデュテクノロジー)、日本マイクロソフト株式会社