第4回研究会を実施

6月20日に日本STEM教育学会(以下JSTEM学会)のSIG活動として、「プログラミング/コンピューティング教育研究会第4回研究会」を実施しました。当日は15名の方に参加いただきました。

今回は、小学校段階のプログラミング教育の授業づくりを行うことをテーマとした、連続2回の研究会の第1回目であり、プログラミング的思考を導入するのに適した教科単元探しと、その単元におけるプログラミングのねらいの設定を行いました。ちなみに、第2回は、授業の進行案を考えていく予定です。

プログラミング的思考をどのように指導案に取り入れるかを検討

研究会では、まず放送大学の中川一史教授に、「プログラミングの授業づくりの現状と課題、アプローチ」と題して、プログラミング教育の考え方や、授業を実践する際の課題についてお話しいただきました。続いて、ベネッセコーポレーションの星千枝と小田理代より、プログラミング的思考の考え方と、プログラミング的思考を小学校段階の、各教科の指導案に取り入れるためのアプローチについて説明を行いました。

参加者は3つのグループに分かれ、指導案作成に取り組みました。それぞれのグループは、算数、音楽、国語を担当し、各教科において、プログラミング的思考を導入するのに適した教科単元探しとそのねらいについて、ワークシートに沿ってディスカッションを行いました。

最後は、グループごとの発表です。国語のグループからは、言葉がどのように成り立っているのか、児童生徒が興味を持つことを目的に、漢字の部首や画数を属性情報として、漢字の成り立ちのストーリーをアニメーション化する提案がありました。音楽のグループは、リズムに親しむことを目的に音と音の組み合わせ演奏を行うアイデアについて、算数のグループは6年生の分配法則の単元を取り上げ、プログラミングでこの単元を実施することのメリットと課題についての発表を行いました。

多くの学校では、プログラミング的思考をどのように各教科で指導案に組み込むのか、試行錯誤が続いています。そこで本研究会では以下のようなプログラミング教育の指導案を作成するためのワークシートを開発し、今回の研究会で実際に使いました。このワークシートは、プログラミング的思考が含まれている各教科・単元を見出し、見出した教科・単元の指導案を作るためのものです。本研究会の参加者は、プログラミング的思考のパターン別指導案なども参考にしながら、自分自身で、プログラミング教育を行いたい教科・単元を検討しました。

 

プログラミング教育は集合知で形作っていく

プログラミング教育は、こうすれば正解というような、明確な答えがあるものではありません。そうだからこそ、本研究会のように現場の実践者が集まって、プログラミング教育の在り方や具体例について話し合い、集合知を重ねていくこと、そして実践に落としてさらに、集合知をブラシュアップしていくことが大切だと考えています。

小学校段階のプログラミング教育の授業づくりを行うことをテーマとした第2回目の研究会については、日程が決まりましたらご連絡します。