ベネッセコーポレーションでは、大阪市の委託を受けて、大阪市立茨田東小学校とともに教科におけるプログラミング教育に取り組んでいます。

2017年4月から先生方と検討を重ねて約1年。1学期に検討した授業案や指導ツールをもとに、2学期から、それぞれの研究授業が実施されてきました。2018年1月31日は、小学校3年生の音楽で、担任の先生によるプログラミングの公開研究授業が行われました。

当日は音のひびきを感じとる単元で、児童は、Scratchを使って「まほうの音楽」を作りました。授業に向けては、先生と児童が自ら様々な楽器の音声を録音したり、写真を撮ったりして、スプライトに取り込みました。

児童は前次までに、1番目の歌詞の内容に合わせた「まほうの音」を作りました。さらに2番目の歌詞の内容ではまほうの効き目が強くなります。本次では、この2番目の歌詞を受けて、「よりききめが強いまほうの音」を作ることを目的にしました。これは、音と音の組み合わせでまほうの効き目の強さを表現することができ、それに挑戦する、という音楽のめあてを達成しようとするものです。

授業ではグループになり、どの音と音を重ねたらより「まほうを強くできるか」をホワイトボードを使って考えてから、実際にScratchで考えた音を組み合わせ「まほうの音楽」を作りました。Scratchで実際に音を鳴らしてみたあと、「ちょっと弱いからこの音を変えてみよう」などと、グループの中でディスカッションが行われ、組み合わせる音の調節をしている姿が見られました。本物の楽器を使うよりも試行錯誤して、音の組み合わせや、重ね合わせを試すことができることが、プログラミングを使うメリットでもあります。

満足のいく「まほうの音楽」ができたチームでは、感極まって、ガッツポーズやハイタッチをする児童の姿も見られました。最後の発表では、自分の班の「まほうの音」をぜひ聞いてほしいとたくさんの手が上がり、班ごとに「まほうの音楽」を全員の前で発表しました。

児童は次の時間で、今回プログラミングで作った「よりききめが強いまほうの音」を本物の楽器を使って演奏します。この授業では一連の音楽の教科の学習活動の中に、本次のプログラミングを使った授業が位置づき、さらに学びを深める活動を行うことができました。

研究会終了後は、先生方とともに研究検討会を行いました。児童が自分たちで音を作って録音するプロセスを通じて、音の感覚が養われたこと、授業の中でもScratchで試行錯誤している様子が見られた、などの声が上がりました。

当日の様子は、茨田東小学校のブログにもアップされています。