子どもの勉強が習慣化できるといいなと思ってもうまくいかないのは、子どもの「性格タイプ」に合っていない習慣化をしようとしているからかもしれません。子どもの性格タイプは必ずしも親と一緒ではありません。この特集では、行動傾向と動機傾向をチェックして、お子さまと親がどんな性格タイプかを診断し、タイプごとに学習習慣術を提案します。
「性格タイプ別 習慣術」
著者:古川武士さん

「どういう行動を好むか(行動傾向)」と「どういう動機で動くか(動機傾向)」を組み合わせることでわかる、あなたとお子さまの性格タイプを4つに分けて紹介します。自分と子どものタイプの違いを理解することで、子どもの性格タイプに合った関わり方に活用できますよ。
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短期集中型
タイプ
短期集中型のうさぎタイプの人は、宿題(家事・仕事)などやるべきことには一気に行動して取り組みます。とくに、「やるぞ!」と思ったことは、主体性を発揮。一方で、熱しやすく冷めやすいので、スイッチが入らないと、なかなかやる気にならないことも。
長期分散型
タイプ
長期分散型のかめタイプの人は、宿題(家事・仕事)などやるべきことには、負荷を分散して、コツコツ取り組みます。自分のペースを大切にしたいため、最初に計画を立て全体を見渡してから進めるのが得意。一方で量が多い、期限が近いなど負荷が大きいとペースがつかめず疲れてしまうことも。
- 行動傾向
- 動機傾向
の性格タイプは…
行動傾向
動機傾向
タイプ
計画性があり、やるべきことをコツコツとこなして地道に継続できます。リスクを想定してやるべきことの計画を立て、日々の分量を計算して進められるところが強み。一気に結果を出すより、負荷を分散して長期でコツコツと進めて積み重ね、周りに差を付けていきます。
ただ、頭で考えすぎて動けなくなることがあるので、スピードが必要とされることや突然の変更などにストレスを感じやすい傾向があります。「やるべきこと」「やらないと不利益がありそうなこと」を優先しすぎてやりたいことが後回しになりがちな面も。
比較的見守っていられるものの、
自由に考えて取り組む課題でつまずきがち。
計画の段階でフォローしてあげて。
計画に沿ってコンスタントにコツコツと進めることが得意なので、比較的見守っていても大丈夫。勉強の時間や取り組む順番などの計画も自分で立てたがり、口を挟みすぎると嫌がられることがあります。まずは子どもに任せ、計画を立てたあとに、現実的に進めることが可能かどうかなどを見せてもらうといいでしょう。
調べ学習や感想文など、自由に考えなければいけない課題や、フォーマットや分量が決められていない課題では迷いがちで、取り組みも後回しになる傾向があります。初めに、どんな段取りで進めればよいか、何を用意する必要があるかなどを一緒に書き出して、見通しを持たせておくと、計画も立てやすく、取りかかりのハードルが下がるかもしれません。
調べ学習や感想文など、自由に考えなければいけない課題や、フォーマットや分量が決められていない課題では迷いがちで、取り組みも後回しになる傾向があります。テスト勉強も、広範囲だったり進め方の選択肢が多かったりすると見通しが持ちにくいので、はじめに、どんな段取りで進めればよいかを一緒に書き出すなどして、見通しを持たせておくと、計画も立てやすくなりそうです。
基本は自分で計画を立てて勉強を進められますが、「これで間違っていないかな? 大丈夫かな?」と迷った時に相談をしたいタイプ。「困ったらサポートするからね」といつでも相談相手になってあげられることを伝えて。
調べ学習や感想文、広範囲の学習など、自由度が高い課題は悩みがち。任せっ放しにせず、取りかかりにくい時は計画段階でもフォローするとよさそう。
保護者が
タイプなら
計画を立てることが得意でリスクを回避できるため、やるべきことや、行うタイミングなどを管理しすぎる傾向が。
子どもが「うさアリ」「かめアリ」タイプの場合は、子ども自身に管理能力があるため、口を出しすぎるとうっとうしがられることも。子どもが「うさギリス」「かめギリス」タイプの場合は、義務を強調されるとテンションが下がってしまう可能性があるので、見守る姿勢も意識しながら、子どもの気分を上手に乗せていくことがポイントです。
意思決定の仕方、行動のパターンなど、自分にとっては当たり前だと思っていることでも、自分の子どもが同じように感じるとは限りません。自分と子どもの性格タイプを知り、子どもに合ったアプローチをすることで、学習習慣を付けるだけでなく、親子の関係もスムーズになるのではないでしょうか。
習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。「続ける習慣」をテーマに、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人、企業への行動定着支援を行っている。著書は24冊、100万部超え。海外でも大好評。
イラスト/ゼリービーンズ 取材・文/本間勇気・小谷野少名
行動傾向
動機傾向
タイプ
好きなことや熱中できることには、素晴らしい集中力で没頭します。短期集中で一気に仕上げてしまう爆発力のあるモチベーションと圧倒的な行動力が強み。アイデアが豊富で、直感力に優れているため、新しいことを企画したり、立ち上げたりするのが得意です。
「熱しやすく冷めやすい、そして飽きっぽい」ことが課題。物事をコツコツと進めるのが苦手で、三日坊主になりがちです。嫌なことや苦手なことは先延ばしにするため、期限ギリギリにならないと着手しないこともしばしば。
主体的に学習計画を組ませるほうが動くタイプ。
進み具合を確認して、予定が崩れた時はフォローを。
「やる!」となったら、短期集中で一気に仕上げることができるタイプですが、その方法でいつも学力がしっかり定着するとは限りません。時間がかかりそうな宿題や提出までの期間が長い宿題は、親が子どもと一緒に学習計画を立てるのがおすすめ。「好きなこと」「わくわくすること」が動機となるので、日々の宿題は好き・得意な教科やドリルなど達成感があるものから取りかかるとスムーズかもしれません。
人に決められたことをこなすよりも自分で考えたいタイプなので、宿題をする時間帯や長いスパンの取り組み方は、縛りすぎない学習計画を子どもと一緒につくりましょう。勢いで「これだけできる」と欲張って見積もりがちなので、現実的に可能かどうかを親が確認し「こうしたほうが進めやすいかもしれないよ」などとフォローしましょう。発想力があり好奇心が旺盛なので、好きな教科や自由度の高い宿題などをとおして熱中できるものを見つけられるといいですね。
人に決められたことをこなすよりも自分で考えたいタイプなので、学習計画は縛りすぎないものに。勢いで「これだけできる」と欲張って見積もりがちなので、現実的に可能かどうかを親が確認し「ここはもう少し時間をとった方がいいかもしれないよ?」などとフォローしましょう。発想力があり好奇心が旺盛なので、好きな教科の勉強をきっかけに積極的に取り組めるようになるといいですね。
「どれからだったら楽しんでできる?」など、子どもが勉強を始めやすい課題を見つけて。管理されたり、縛り付けられたりすることが苦手なので、子どもの意見はできるだけ尊重を。計画どおりにいかないこともあるので、時々進み具合などを確認するのがポイント。
ほめられることでモチベーションが上がるので、予定どおりに進められなくても、まずはいいところをほめたうえで、相談しながら調整していくのがおすすめ。
保護者が
タイプなら
子どもの主体性を生かせるタイプですが、あまり口うるさく言いたくないため、放っておく傾向が。
子どもが「うさアリ」「かめアリ」タイプの場合は、やるべきことを自分で管理できますが、「うさギリス」「かめギリス」タイプの場合は、気が付いたらやるべきことが全然できていないという事態になりがち。1日の終わりや提出期限の少し前など、フォローするタイミングだけは決めておくといいでしょう。