「認知特性」という言葉を
知っていますか?
それは人の思考の好みのようなもの。
好みに合った学習方法やサポートが子どもの学びの
ハードルを下げ、成功体験を増やします!
情報の理解や整理の方法は
人によって違う!
「子どもに言葉で説明したときはまったく記憶になさそうだった場所や場面を、写真で見せたら詳しく覚えていて驚いた」
「文字を覚えることには関心がないのに、CMの曲やセリフはパッと覚える」
それは認知特性によるものかもしれません。
認知特性は、大きく3つのタイプに分けられます。それぞれに、受け取りやすくスムーズに処理できる情報や記憶、表現の方法が異なり、取り組みやすい学習方法や理解しやすい説明のしかたも違います。
①言語優位タイプ
言葉での情報を論理的に処理するのが得意。言葉や文字に興味があり、おしゃべりも上手。
②視覚優位タイプ
目で見た情報を処理するのが得意。パズルや工作、お絵かきが好きで、過去の場面をよく覚えている。
③聴覚優位タイプ
聞いた音の情報を処理するのが得意。リズムのあるものが好きで、歌や環境音などをすぐに覚える。
今と、小学校以降の
学びをポジティブなものに
するために
認知特性は、親子でも、きょうだいでも異なります。でも、人は自分がわかるように説明しがち。もし、丁寧に伝えているつもりなのに理解してもらえないと感じたら、言葉より絵にしてみる、リズムにのせてみるなど、伝え方を変えてみてください。すんなり理解できたり、積極的に行動できるかもしれません。
同様に、認知特性を意識すると、興味を持ち、楽しめる学習方法が見つけやすくなります。学習のスタート時は「ひとりでできた!」「最後までできた!」というポジティブな感覚をたくさん経験させることが大切。そのために認知特性が役立ちます。
幼児期は発達段階的に視覚・聴覚が優位になりやすく、認知特性のタイプがはっきりしてくるのは小学校高学年以降です。複数のタイプを使い分けたり、複合的にバランスをとるタイプもあります。
どの認知特性が優位になるかは経験や環境の影響でも変化するので、幼児期の認知特性は「今の」学び方の好みや働きかけのヒントとしてとらえておくといいでしょう。
認知特性は子どもが好きで、よくする遊びや、得意なことから見えてきます。どの特性がどのくらい優位かは個人差があり、1つの特性が極めて優位な場合もあれば、すべての特性をバランスよく使っている場合もあります。
まずは簡単な項目で傾向を見てみましょう。
なぞなぞが得意/想像や空想遊び、物語を作るのが好き
絵本や図鑑を眺めるのが好き/パズルやブロック、積み木遊びが好き
音楽に合わせてからだを動かす。リトミックが好き/モノマネや再現をして見せるのが好き
- ※本田真美先生の「本田3歳式認知特性テスト」から一部抜粋。詳しいタイプ診断テストは著書『頭のいい子は、3歳からの「遊び」で決まる!』などに紹介されています。
認知特性に合った学び方やサポートのヒントを紹介します。
いくつかの認知特性のタイプをもっている場合もあるので、特性を決めつけずにいろいろ試してみることで、お子さまの認知特性や学びやすい方法が見えてくることもあります。
言語優位 タイプのお子さまに
言葉に置き換えることで記憶するので、目で見たり耳で聞いたりするだけではわかりづらいことは、一度紙に書き出すことで頭に入りやすくなります。
〇〇だから、〇〇になるという順序立てた説明も理解が早く、理屈に興味を持つので、疑問には丁寧に答えてあげて。科学や社会的な疑問には、テーマに合った児童書や図鑑などを参考にすると説明しやすく、子どもの学びが深まります。
視覚優位 タイプのお子さまに
目をよく動かし、全体に注目することが得意です。自分が書いた不安定な文字より正しい文字を見たほうが覚えやすく、10回書くよりも、10回よく見るほうが覚えやすいこともあります。
言葉の意味は動画など、目で見てイメージしたり覚えたりできるような工夫をしてあげると理解しやすくなります。文章問題などは絵や図を添えるとわかりやすく、かけ算九九も九九表や量としてわかる九九カードなどで見たほうが覚えやすいタイプです。
聴覚優位 タイプのお子さまに
問題文などは見ればわかると考えず、保護者のかたが読み上げてあげたり、自分で声に出してみるようにうながしたりしてみましょう。声という音情報から理解しやすくなります。
覚えたいことは音と合わせて、語呂合わせやダジャレで暗記するのが得意。歌やリズムにのせたり、体を動かしながらできる勉強法もいいですね。かけ算九九なら見たり書いたりするより呟きながら覚えるほうがいいタイプ。
子どもは得意を生かして苦手を補う力があります。
言語でのインプットが苦手でも文字を習得して言葉を図に置き換えられるようになれば理解できます。ルートが違うだけなのです。
すべてをまんべんなくできてほしいという高望みを控え、できなかったことが少しできただけでも褒めていくことが、子どもにとって学習意欲を高めることにつながります。「理解しやすさ」を大切に、サポートしてみてくださいね。
医学博士、小児科専門医、小児神経専門医。国立成育医療研究センター神経科、都立多摩療育園、都立東部療育センター勤務を経て2016年みくりキッズくりにっくを開院。2024年にはあのねコドモくりにっくを開院。認知特性の研究から「本田40式認知特性テスト」を確立し、2022年「本田式認知特性研究所」を設立する。
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