知りたい!「塾なし」学習はどう進める?

「塾なし」でたくさんの効果を実感したわが家の体験から、具体的な実践方法やコツをご紹介します。塾ありの場合も役立つ工夫なので、ぜひ読んでみてください!

『「塾なし」高校受験のススメ』
著者:塚松美穂さん

#1 まずはここから! 「計画表づくり」

ステップ1 目標を設定して勉強計画を立てる

中学生にとって定期テストは学習の成果を確認できる重要なタイミング。はじめは1〜2週間前からの短期的な計画を、子どもの持久力に合わせて立ててみて。「国語を◯時間」というざっくりした計画ではなく「漢字を◯時間(または何文字覚える)」「英単語を覚える」「図形の問題を◯ページ」など、なるべく具体的にすると迷わず取り組めます。

ステップ2 子どもの学力と得意不得意を確認する

計画を立てるときは、どの教科や単元が、なぜ苦手なのかを把握することからはじめて。やみくもに苦手教科に取り組むのではなく、基本的な理解が必要なのか、数をこなすべきかなど、苦手のポイントを押さえることで効率よく点が上がります。その結果、子ども自身が「学習すれば成績が上がる」「理解できれば楽しくなる」という実感を得やすくなります。

ステップ3 効率的な勉強方法を探して組み合わせる

今は参考書や通信教材、オンライン教材や動画など、さまざまな学習ツールがあります。子どもの個性や学習内容によって理解しやすい方法は異なるので、幅広くリサーチして試してみるといいでしょう。動画で感覚的につかみ、教科書で確認して、ワークで数をこなす、など使い方を考えることも学ぶ力を育てます。

作ってみよう!「わが家の学習計画表」(定期テスト版)

計画は具体的に、期日をきめて。ゴールからさかのぼって考えるといいよ!

#2 コツをご紹介! 「実践のポイント」

ポイント1 スケジュールは可視化&何度でも立て直しOKに

スケジュールは家族の目にとまる場所に張っておき、共有しましょう。家族で学習をサポートするという一体感が生まれますし、模試や願書の提出日など忘れられない予定が激増する受験期にも一層役に立ちます。計画通りできなくてもネガティブに捉えないで。よりよい方法を探すチャンスですし、学習の進み具合でも予定は変わっていきます。

ポイント2 タスクは子どもが自分で設定、選択する

多くの場合、計画づくりに慣れるまでは、親が一緒に考えたり提案したりする必要があるでしょう。でも、最後は子どもが決め、親はその決定を尊重して。子どもにとって学習は自分のこと。自分で決めるからこそ責任をもってがんばり、結果を人のせいにすることなく受け止められます。

ポイント3 勉強の先の目的を見つけてモチベーションを上げる

子どもが自ら積極的に学ぶには、「この勉強が自分のためになる」という意識が必要です。成績や偏差値は指標のひとつ。学習によって将来チャレンジできることの幅が広がることも伝えていきましょう。志望校も偏差値よりも、その学校に行きたい理由を明確にして選ぶ方がやる気が高まり、入学後に想像と違って後悔するようなリスクも減らせます。

#3 塾も助けになる! 「少し塾あり」もアリ

塾も付き合い方次第で強い味方に

難関校の受験を目指している場合や学校の授業がなかなか理解できないようなときは、塾の手厚い指導が助けになるでしょう。また、思春期の気難しさに、塾が効果的な場合もあります。ただし子どもが自分の学力や苦手を意識し、主体的に考える機会は大切。全面的に頼るのではなく、苦手な教科だけ、夏期講習だけなど、何をどう受講するかは子どもと相談しながらに。

試行錯誤が財産になる

塾ありも、塾なしも、そのどちらを選ぶかを真剣に考えたなら、それは、子どもは自分自身の学習に、親は子どもの教育にしっかり向き合ったということ。そして、自分で考えて自分を成長させる方法を知ることで、子どもは親の手助けなしで伸びていくようになります。子どもの人間的な成長につながっていると信じて、子どもの学習に向き合ってみてください。

前編はこちら!

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前編読む

小・中・高で進む「デジタル学習」。実はサポート次第で学力もやる気もぐんとアップする学び方なのです。そんなデジタルを活用した塾なし第2弾の記事はこちら!

Profile

著者
塚松美穂さん

『「塾なし」高校受験のススメ』著者。教育アドバイザー。
野球ばかりで勉強が好きではなかった息子が塾に通わず難関都立高校に合格した体験から「塾なし」受験は子育てを考える貴重な選択肢だと実感。書籍では、受験までの学習計画や生活面のサポート、受験期の親子のコミュニケーションまで紹介しています。