今週の特集
「塾なし」でたくさんの効果を実感したわが家の体験から、具体的な実践方法やコツをご紹介します。塾ありの場合も役立つ工夫なので、ぜひ読んでみてください!
小学生はテストのタイミングが決まっていないので、毎日の学習の中に上手に目標を作って。教科書やワークのまとめテストに挑戦する日を決めたり、通信教材の月例テストなどを活用したり。ミニテストでの点数アップを目標にしてもいいですね。苦手意識がつく前に、小さな苦手をこまめにつぶして、勉強習慣をつけていきましょう。
宿題や学校から返却されたテストの中から、得意や苦手が探せます。宿題の丸つけやテストの解き直しをしながら、一緒に正誤の傾向と対策を考えてみて。「苦手だね」ではなく、「これができたら点数が上がるね」と前向きに学習のきっかけをつくりましょう。得意なこともわかっていると、どんな勉強法が向いているかを考える手がかりになります。
今は参考書や通信・オンライン教材や動画など、さまざまな学習ツールがあります。理解が追いついていない単元は、少し前の学年の教材で学び直しても。漢字や計算、文章題に理科や社会の知識など学習は多岐にわたるので、いろいろ試しながら子どもが興味を持ちやすいもの、理解しやすいものを見つけていって。
はじめはカレンダーを利用するとカンタン
スケジュールは家族の目にとまる場所に張っておきましょう。「できているかな?」と一緒に確認し、できていたら「やったね!」と評価して。計画通りできていないときはハードルを下げてもOK。ネガティブに捉えず、よりよい方法を探すチャンスだと考えて。計画通りにできたらシールを貼るなどお楽しみを用意しても。
計画づくりに慣れるまでは親のサポートが必要です。学習内容や教材、ペースなど、選択肢を用意して子どもに選ばせたり、一緒に本屋さんに行って教材を選んだりして。選ぶことで子どもはいろいろな学習方法を知り、自分で計画する力をつけていきます。そして自分で決めることで「勉強は自分のことなんだ」と感じることができます。
「勉強すると、わかることが増えていく」「問題が解けると楽しい」といった感覚を知ると、子どもは自分から積極的に勉強するようになっていきます。計画表に慣れるには、好きな教科の得意を増やすことを目標にするのもおすすめ。意欲がわくような目標設定や教材選びを意識してみて。
受験を考えている場合や家庭での学習では追いつかないようなときは、塾の手厚い指導が助けになるでしょう。ただし「なんとなく通う」ことにならないよう、目標を決めたり、一緒に塾を選んだりして、子どもが主体的に考える機会をつくって。また、親も全面的に預けるのではなく、塾での勉強の内容や子どもの学習態度などを気にしてサポートしていきましょう。
塾ありも、塾なしも、そのどちらを選ぶかを真剣に考えたなら、それは、子どもは自分自身の学習に、親は子どもの教育にしっかり向き合ったということ。そして、自分で考えて自分を成長させる方法を知ることで、子どもは親の手助けなしで伸びていくようになります。子どもの人間的な成長につながっていると信じて、子どもの学習に向き合ってみてください。
塾なしのメリットは家計の節約だけじゃない!?
前編では、塾なし学習で得られる効果や塾ありとの比較を解説。塾なし学習の向き不向きがわかるチェックテストもあります!
小・中・高で進む「デジタル学習」。実はサポート次第で学力もやる気もぐんとアップする学び方なのです。そんなデジタルを活用した塾なし第2弾の記事はこちら!
『「塾なし」高校受験のススメ』著者。教育アドバイザー。
野球ばかりで勉強が好きではなかった息子が塾に通わず難関都立高校に合格した体験から「塾なし」受験は子育てを考える貴重な選択肢だと実感。書籍では、受験までの学習計画や生活面のサポート、受験期の親子のコミュニケーションまで紹介しています。