症状から探す:発熱
2023/11/17
【医師監修】熱性けいれんの原因は?起こしやすい子への対処法、てんかんへのリスクは
生後6か月ごろから7〜8歳ごろまでに見られる熱性けいれん。突然けいれんを起こすと、保護者のかたはパニックになってしまうこともあるかもしれません。熱性けいれんへの正しい知識や対処法を知っておくことで、いざという時に備えておきましょう。
監修者
二瓶 健次にへい けんじ
東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。
熱性けいれんとは
熱性けいれんとは、熱が通常38度以上に急激に上がることによって起きるけいれんのことです。多くの場合、けいれんは5分以内に治まります。一般小児の5%程度にみられるといわれています。
発症する年齢は、生後6か月ごろから7〜8歳ごろですが、成長に伴い発症が少なくなります。
けいれんが起きると、親はパニックになったり、後遺症が心配になったりするかもしれません。ただ、基本的には熱性けいれんで命の危険に陥ることや、脳に後遺症が残ることはありません。落ち着いて対応するようにしましょう。
熱性けいれんの原因
熱性けいれんは、発熱により急激に体温が上がることで起こります。子どもの脳は、まだ未熟であり刺激に弱いためです。高熱が出やすい突発性発疹やインフルエンザの時は、特に起こりやすいです。
熱性けいれんは、父母やきょうだい、親族に熱性けいれんを起こした人がいると発症しやすく家族性があります。
また、一度熱性けいれんを起こした子どもは、再発しやすい傾向にもあります。
また、一度熱性けいれんを起こした子どもは、再発しやすい傾向にもあります。
熱性けいれんの対処法
熱性けいれんが起きた際には、慌てたり、大声を出したりせず、次のような対処法を心がけましょう。よくあるNG対応もご紹介しますので、あわせて確認してください。
痙攣の状態:全身性で、初めは手足を突っ張り(硬直性)、呼吸が止まって、顔色も紫色になり、その後全身ががくがくとなり(間代性)、次第に収まります。その後は寝てしまうことが多いです。けいれんしている時間は長く感じるものです。
【対処法】
● けいれんが続く時間を確認する
5分以内に治まることがほとんどです。5分以上続く場合は医療機関を受診しましょう。また、医療機関での診察に備えて、余裕があれば体温を測ったり、動画を撮影したりしておくのもよいでしょう。
● 首・顔を横向きにして寝かせる
嘔吐(おうと)した場合に、詰まってしまわないようにするためです。また、抱きかかえたりせず、平らな場所に寝かせるようにしましょう。
● 衣服をゆるめる(特に首まわり)
● メガネやヘアピンなどをしている場合は外す
● けいれんが続く時間を確認する
5分以内に治まることがほとんどです。5分以上続く場合は医療機関を受診しましょう。また、医療機関での診察に備えて、余裕があれば体温を測ったり、動画を撮影したりしておくのもよいでしょう。
● 首・顔を横向きにして寝かせる
嘔吐(おうと)した場合に、詰まってしまわないようにするためです。また、抱きかかえたりせず、平らな場所に寝かせるようにしましょう。
● 衣服をゆるめる(特に首まわり)
● メガネやヘアピンなどをしている場合は外す
【してはいけないNG対応】
● 口の中でものをかませるのはNG!
舌をかまないようにと、ハンカチやガーゼを巻いた箸などをかませるケースが見られますが、誤って飲み込むことや、窒息の危険があります。熱性けいれんで舌をかむことはほとんどありません。
● 大声で名前を呼ぶことや、頬をたたくこと、体を揺することもNG!
刺激となり、けいれんが長引いてしまう可能性があるためです。
● 口の中でものをかませるのはNG!
舌をかまないようにと、ハンカチやガーゼを巻いた箸などをかませるケースが見られますが、誤って飲み込むことや、窒息の危険があります。熱性けいれんで舌をかむことはほとんどありません。
● 大声で名前を呼ぶことや、頬をたたくこと、体を揺することもNG!
刺激となり、けいれんが長引いてしまう可能性があるためです。
病院やクリニックを受診する目安は
初めて熱性けいれんが起きた場合には、医療機関を受診するようにしましょう。けいれんに慌て、救急車を呼んだほうがいいか迷うこともあるかと思いますが、基本的に熱性けいれんは、5分以内で治まります。5分以内で治まれば、救急車を呼ぶ必要もなく、診療時間内に受診すれば大丈夫です。
ただし、次のような場合は緊急性が高いため、救急車を呼んだほうがよいでしょう。
● けいれんが5分以上続く場合。10分以上続く場合は要注意
● 意識が戻らない場合や、呼びかけへの反応が乏しい場合
● けいれんが24時間以内に再発した場合
● けいれんの様子に左右差がある場合
● 意識が戻らない場合や、呼びかけへの反応が乏しい場合
● けいれんが24時間以内に再発した場合
● けいれんの様子に左右差がある場合
これらの場合は、脳に何らかの影響を与える可能性も考えられるため、早めに医療機関にかかり、医師の診察を受けてください。
熱性けいれんの予防法はある?
熱性けいれんを繰り返し起こす可能性がある場合は、医療機関でけいれんを抑える座薬が処方されることがあります。ただし、坐薬を使っても完全に予防できるというわけではありません。
また、最近では坐薬ではなく液体の内服薬もあります。
また、最近では坐薬ではなく液体の内服薬もあります。
なお、熱が急激に上がって熱性けいれんが起きないようにと発熱時に解熱剤を使うかたもいらっしゃいますが、あまりおすすめはできません。解熱剤が切れたあとに急激に熱が上がることが考えられるためです。
熱性けいれんは、脳に後遺症が残ったり、知能低下が起きたりすることはありません。予防しなければ……と神経質になりすぎる必要はないでしょう。
熱性けいれんとてんかんは関連する?
熱性けいれんとてんかんは、別物です。熱性けいれんからてんかんに移行するということはありません。ただし、3歳以上で初めて熱性のけいれんが起こる場合は、てんかんの可能性も考えられるため、脳波の検査を行うとよいでしょう。
また、熱性けいれんと思っていたものの、実際はてんかん発作だったという場合もあります。発熱は、てんかん発作を誘発しやすいものです。次のような場合は、特に注意しましょう。
● 微熱程度にもかかわらず、けいれんを起こす
● 3歳以降で初めてのけいれんを起こす
● けいれんの後に手足のまひを残す
● 家族や親族にてんかんの発作を起こした人がいる
● 3歳以降で初めてのけいれんを起こす
● けいれんの後に手足のまひを残す
● 家族や親族にてんかんの発作を起こした人がいる
まとめ&実践TIPS
お子さまが熱性けいれんを起こすと、うろたえたり、パニックになったりしてしまいがちなものです。しかし、けいれんは5分以内であることがほとんどで、命にかかわることや、脳に障害が残ることも基本的にはありません。慌てずに落ち着いて対応できるようにするためにも、今回ご紹介した対処法や受診の目安を頭に入れておいてください。
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