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2023/12/21
【医師監修】赤ちゃんとの温泉旅行!安心して楽しむために知っておくべきことや持ち物は?
赤ちゃんを連れての温泉旅行は、楽しみな一方で、心配ごとも付き物。何か月から温泉に入れるのか、問題ない温度や温泉成分についてや、ケガなどのトラブルを防ぐ入り方など、保護者のかたが気になる点について、東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生監修のもと解説します。
監修者
山中 岳 先生
子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さまの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。
目次
赤ちゃんは何歳から温泉に入れる?
赤ちゃんを温泉に入れてもいい月齢については、特に決まったルールはありません。ただし、新生児の期間を過ぎ、へその緒もとれ、自宅でもベビーバスから浴槽に入るようになっていることが最低条件です。
温泉への入れやすさという点から考えると、首が据わってからのほうが安心です。できれば、お座りができるようになってからのほうがベター。ベビーチェアに座らせることもできるため、より安全・安心に温泉を楽しめるでしょう。
赤ちゃんを温泉に入れられるかのチェックリスト
● へその緒がとれている
● 自宅でも浴槽に入っている
● 首が据わっている
● (できれば)お座りができる
● へその緒がとれている
● 自宅でも浴槽に入っている
● 首が据わっている
● (できれば)お座りができる
赤ちゃんを温泉に入れる際、温度や温泉成分で気を付けるべきことは?
赤ちゃんの肌は、皮膚がとても薄く敏感です。そのため、大人にとって気持ちのいい温度や温泉成分が、赤ちゃんにとってもそうだとは限りません。次のような点に気を付けていきましょう。
温泉の温度は38〜40℃が目安
赤ちゃんが入る温泉の温度は、自宅でお風呂に入れる際と同じくらいにしましょう。一般的には、38〜40℃くらいがいいといわれています。
温泉は、熱めであることも多いものです。ベビーバスが用意されている施設であれば、ベビーバスに温泉とお水を入れてちょうどよい温度に調整してあげられるといいですね。「熱いけど短時間なら大丈夫だろう」と温泉に入れてしまうのは要注意。体も小さく、皮膚も薄い赤ちゃんは、あっという間にのぼせてしまうかもしれません。
心配な場合は、事前に温泉の温度を問い合わせておけるといいですね。
単純温泉がベター。酸性泉など刺激が強い泉質は避ける
赤ちゃんには、刺激の強い泉質の温泉は避けましょう。大人が入っても肌がしみるような泉質は、赤ちゃんには適しません。酸性が強い「酸性泉」や、硫化水素のにおいが特徴的な「硫黄泉」などは控えたほうがよいでしょう。無色透明でにおいもなく、刺激が少ない「単純温泉」がベターです。
お湯から上がる際には、シャワーでかけ湯をして、温泉成分を洗い流してあげるといいでしょう。
また、アトピーなどの皮膚疾患をお持ちの赤ちゃんは、事前にかかりつけの医師に温泉に入ってもいいか相談しておけると安心です。
赤ちゃんが温泉に入る時のマナー オムツがまだ取れていない場合は?
温泉は大勢の人が利用するものです。みんなが気持ちよく温泉を楽しめるよう、次のようなマナーを心がけていけるといいですね。
● 赤ちゃんの入浴方法は、施設の利用ルールに従う
オムツがまだ取れていない赤ちゃんの温泉利用は、施設によってルールがさまざまです。まずは、利用予定の施設のルールを確認しましょう。「オムツが取れていない乳幼児は入浴禁止」というケースもあります。せっかく温泉に行ったのに入れない……という事態を避けるために、事前のルール確認は忘れないようにしたいですね。
オムツがまだ取れていない赤ちゃんの温泉利用は、施設によってルールがさまざまです。まずは、利用予定の施設のルールを確認しましょう。「オムツが取れていない乳幼児は入浴禁止」というケースもあります。せっかく温泉に行ったのに入れない……という事態を避けるために、事前のルール確認は忘れないようにしたいですね。
● 入浴できる場合は、入浴前にトイレを済ませ、体を洗ってから入る
浴室で粗相をしてしまうことを避けるために、入浴前にトイレは済ませておきましょう。またはオムツを代えてからにしましょう。
大人のマナーと同様、湯船に入る前にはしっかり体を洗いましょう。お尻まわりは、特に念入りに洗っておけるといいですね。
浴室で粗相をしてしまうことを避けるために、入浴前にトイレは済ませておきましょう。またはオムツを代えてからにしましょう。
大人のマナーと同様、湯船に入る前にはしっかり体を洗いましょう。お尻まわりは、特に念入りに洗っておけるといいですね。
● 万が一、粗相をしてしまった場合は正直に相談するF
入浴前にトイレを済ませていたとしても、浴室内で粗相をしてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、自分だけで処理をしようとするのではなく、施設のスタッフのかたに正直に申し出ましょう。また、周りのかたに一言入れるのも忘れずに。
入浴前にトイレを済ませていたとしても、浴室内で粗相をしてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、自分だけで処理をしようとするのではなく、施設のスタッフのかたに正直に申し出ましょう。また、周りのかたに一言入れるのも忘れずに。
大浴場の利用が心配な場合は、施設に準備があるのであれば、客室のお風呂や貸切風呂、家族風呂を利用するのもいいでしょう。
入浴中や前後に気を付けたいことは?
普段と違う入浴環境は、思わぬトラブルや事故につながることもあるものです。特に、のぼせや脱水、転倒などは起きやすく、細心の注意を払っておきたいもの。次のような点に気を付けていきましょう。
のぼせや脱水防止対策
● 入浴前後に十分な水分補給を行う
● 長風呂をしない
● 長風呂をしない
転倒やケガ防止対策
● 温泉の成分で床が滑りやすいため、抱っこしながらの移動はゆっくり、細心の注意を払って行う
● 浴槽内の段差に注意する。お湯に色がついている場合は特に注意。一歩を小さくして確認しながら入る
● 照明が暗い露天風呂や、足場が悪い岩風呂などには入らない
● 浴槽内の段差に注意する。お湯に色がついている場合は特に注意。一歩を小さくして確認しながら入る
● 照明が暗い露天風呂や、足場が悪い岩風呂などには入らない
赤ちゃんの生活リズムの乱れ予防
● なるべく普段と同じ入浴時間にする
感染症の可能性も考慮
● もともと赤ちゃんは大人と比べて免疫力が弱く、温泉は不特定多数の人が利用するため、衛生面へは注意が必要。うっかり温泉の水を飲んでしまわないように注意を
赤ちゃんと温泉に行く際の持ち物
温泉に置いてあるシャンプーやボディーソープは、赤ちゃんの肌には合わないことも多いものです。また、温泉を出たあとは乾燥もしやすいため素早い保湿も必須。赤ちゃんと温泉に入る際は、次のような持ち物を持っていけるとベターです。なるべく、普段から使い慣れたものだといいですね。
● ベビーシャンプー
● ベビー用ボディーソープ
● 保湿剤(クリームやミルク、ワセリンなど)
● 水分
● バスタオル(ベビーベッドに敷くこともあるため、普段より1、2枚多く持参するのがおすすめ)
● ベビー用ボディーソープ
● 保湿剤(クリームやミルク、ワセリンなど)
● 水分
● バスタオル(ベビーベッドに敷くこともあるため、普段より1、2枚多く持参するのがおすすめ)
まとめ
赤ちゃんの温泉デビューは、家族にとってもすてきな思い出となるもの。とはいえ、脱水やのぼせ、転倒など気を付けておきたいことも多いものです。しっかりと準備をしたうえで、日頃の疲れを癒して、楽しい思い出づくりができるといいですね。
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