安全・健康に関するテーマで探す:お家での応急処置

子どもの病気・トラブル

2023/11/17

【医師監修】子どもの打撲の対応方法 捻挫や突き指、頭を打ったらどうする?受診する基準は

【医師監修】子どもの打撲の対応方法 捻挫や突き指、頭を打ったらどうする?受診する基準は

子どもたちは頻繁にけがをします。転んだり、ぶつけたり、落っこちたりすることによる打撲は、どのように対応したらいいのでしょうか。
症状のチェックポイントから応急処置方法、医療機関を受診する基準までご紹介します。

監修者

にへい けんじ


東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

子どもが打撲した時、まずチェックすべきこと

子どもが打撲した場合は、次の点をまず確認してください。
● 打撲の部位
● どういう状況で打撲が起こったか
● 皮膚に開放した外傷があるか
● 骨折があるか
骨折していると、変な具合に曲がっていたり、とがっている部分があったり、腫れたりします。痛みも強いです。
● 出血があるか
● 意識状態はどうか

医療機関を受診する目安

打撲をしても、痛みが強くなかったり、動かしづらい部位がなかったりする場合は、家庭での応急処置のうえ、経過を観察していきましょう。ただし、次のような症状がある場合は、医療機関を受診することをおすすめします。かかる科目は、症状によって小児科や整形外科、脳神経外科がよいでしょう。
● 動かせない、動けない
● 出血が多い
● 意識がない、またはもうろうとしている
● 痙攣(けいれん)がある
● 嘔吐(おうと)をくり返す
● 呼吸が苦しそう
● 打撲の部分がへこんでいる
● 高い所から落下する、交通事故などで全身を強く打ちつけた
特に注意が必要なのは、内臓や頭を打っている場合です。見た目には違和感があまりなくても、内臓損傷や頭蓋骨内の出血で深刻な症状となる可能性もあります。高い所から落ちたり、激しくぶつけたりしたあと、だんだんと具合が悪くなる場合は、内臓が損傷している可能性もあるため、なるべく動かさないように注意して、医療機関を受診するようにしてください。

家庭での応急処置

家庭での応急処置は打撲であれ、捻挫や突き指であれ「冷やすこと」「安静にして動かさないこと」が基本です。冷やす時には、氷のうや保冷剤を巻いたタオルなどを使うとよいでしょう。湿布がある場合は、冷湿布を使ってもOKです。出血がある場合は、冷やす前に先に止血を行ってください。

打撲の応急処置

「冷やすこと」「安静にして動かさないこと」が基本です。安静にして動かさないようにするには、打撲した部分をタオルや布などで固定してください。
また、打撲した部分は心臓よりも高い位置に持っていくようにしましょう。痛みをやわらげることができるからです。タオルでつり上げたり、クッションなどにのせたりするとよいでしょう。

捻挫や突き指の応急処置

不自然に体をひねったことによる捻挫や、指をぶつけたりひねったことで起こる突き指の場合も、打撲と同じく「冷やすこと」「安静にして動かさないこと」が基本です。冷やす場合、突き指であれば、氷水を入れた洗面器やボウルに指を入れて直接冷やすのもいいでしょう。
また、腫れがひどいようであれば、包帯やテーピングなどで軽く圧迫して固定してください。
なお、突き指については「引っ張ったほうがいい」とか「もんだほうがいい」と言われる場合もありますが、これは推奨できませんので要注意。医師など専門家以外の人がもんだり、引っ張ったりすることで、余計に炎症を悪化させてしまう危険性があります。

頭を打った場合の応急処置

頭を打った場合も「冷やすこと」「安静にして休ませること」が基本です。ただし、頭を打った場合は、打った直後には気になる症状がなかったとしても、時間の経過と共に症状が現れてくることがあります。頭を打ったあと、24時間(時には1週間くらい)程度は次のような症状がないか注意して観察してください。
● 嘔吐
● 意識を失う
● けいれん
● 顔色が悪い
● 苦しそうな呼吸
上のような症状が見られる場合は、頭蓋骨内で出血している可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

まとめ

子どもは、しょっちゅうけがをするものです。痛みや炎症を長引かせないためには、早めの処置や適切な手当てが欠かせません。症状の観察の視点、応急処置のしかた、受診の基準をもとに、適切な対応をしていけるといいですね。
万が一の時のために、家に救急セットを準備しておくことも大切です。
clinic TOPに戻る