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子どもの病気・トラブル

2024/1/26

小学生のニキビ、治し方は?皮膚科に行くべき?【医師解説】

小学生のニキビ、治し方は?

思春期に多いニキビですが、出る年齢は人それぞれ。小学生で出る子も少なくありません。
「多くの子ができるものだし、そのうち自然に治るのでは?」と思っていたら要注意。皮膚の病気であるため、適切な治療や予防が欠かせません。ニキビ痕が残ってしまうのも避けたいですよね。

小学生のニキビの原因や治療法、予防法について、東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生監修のもと解説します。

監修者

やまなか がく


子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さまの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。

小学生のニキビ、原因は?

小学生を含め、思春期のニキビの原因は、皮脂分泌が増加すること。思春期は、皮脂腺が大きくなることに加え、男性ホルモンの分泌が活性化することからも皮脂分泌が多くなります。「男性ホルモンということは男の子だけ?」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、女の子にも分泌されます。また、ニキビは男性ホルモン以外にもさまざまな原因でできます。
皮脂分泌が増加すると、毛穴に皮脂がつまり、ニキビの原因菌となるアクネ菌が増加。皮脂を栄養とするアクネ菌が過剰に増えた結果、毛穴に炎症が起きてニキビとなります。
小学生のニキビの原因
ニキビの経過は次のとおりです。
①皮脂分泌が増加し、毛穴がふさがれる:白ニキビ
②皮脂分泌が増加し毛穴が開いている:黒ニキビ
③アクネ菌の増加で毛穴が炎症を起こす:赤ニキビ
④うみがたまる:黄ニキビ
毛穴が炎症を起こしている赤ニキビや黄ニキビは、ニキビ痕も残りやすいため早急に治療を受けることをおすすめします。

チョコレートや脂っぽい食べ物が原因というのは俗説

チョコレートや脂っぽい食べ物、甘いものを食べるとニキビができやすいといわれることもありますが、いずれも医学的な根拠はありません。
だからといって、いくらでも食べていいというわけではないので注意が必要。バランスの良い食生活で栄養をしっかりとっておかないと、ホルモンバランスが乱れ、ニキビができやすくなってしまいます。チョコレートや甘いものを食べるときは、適量を適切な時間にとるのが基本です。食事の直前や、寝る前などは避けるようにしましょう。

小学生のニキビ、どう治す? 皮膚科には行くべき?

ニキビは皮膚の病気です。ニキビ痕ができてしまうと、なかなか消えないことも多いもの。心理的に傷ついてしまうこともあるため、早く適切に治したい場合は医療機関を受診することがおすすめです。「ニキビだったら、そのうち治るでしょ」とそのままにして、症状が悪化することは避けたいですね。
医療機関で治療する場合は、次のような中からお子さまの症状に合った方法がとられます。
● 毛穴のつまりを取り除く塗り薬などの外用薬
● アクネ菌を殺菌する抗菌薬の内服や外用薬
● 毛穴をつまらせている皮脂などを押し出して除去
※自分の指では絶対にニキビをつぶさないこと
自己判断せずに、ニキビの状態や進行度に合った治療法を相談できるといいですね。

ニキビはどう防ぐ?

ニキビは、毎日のケアで予防していくことが大切です。肌を清潔に保って、毛穴をつまらせないようにすることが基本。次の5点を意識して、しっかり予防していきましょう。
ニキビはどう防ぐ?
1:洗顔で余分な皮脂汚れを取り除く
毛穴に皮脂をつまらせないようにするには、丁寧な洗顔で皮脂を取り除くことが大切です。朝と夜の2回、次のような洗顔法で皮脂汚れを洗い流しましょう。
● 洗顔の前に、石けんで手をきれいに洗う
● ぬるま湯(34〜38℃程度)で顔を洗う
○ 冷たい水では皮脂が落ちづらく、熱いお湯では肌が乾燥しやすくなってしまうため要注意!
● 石けんや洗顔フォームをよく泡立てる
○ 洗顔ネットなどを使うと、簡単に泡立てられます
● 泡を顔の上で転がすイメージで優しく洗顔
○ なるべく手が直接肌に触れないように注意!
● 顔をすすぐ
○ 手でごしごししたり、ニキビに触れないように注意!
● 清潔で柔らかいタオルで水分をとる。決してごしごしこすらない
なお、石けんや洗顔フォームを使うのは朝と夜の2回を目安にしましょう。使いすぎると、必要な皮脂まで取り除いてしまうためです。外遊びや部活などで汗をかいた際などは、ぬるま湯で洗うようにしましょう。
2:しっかりと保湿
洗顔のあとは、乾燥しやすくなるためしっかりと肌に水分補給をしましょう。乾燥すると、肌のバリア機能が弱まったり、足りない油分を補うために過剰に皮脂が分泌されたりしてしまいます。「油分を与えると、ニキビのモトになるかもしれないから」と乳液を避ける子どももいますが、逆効果であるため注意が必要です。
化粧水で肌に水分を補ったうえで、水分の蒸発を防ぐために乳液などでふたをしてあげましょう。
3:日焼け止めを塗る
紫外線は肌にダメージを与え、ニキビを発生させやすくしてしまいます。また、皮脂を酸化させて炎症を悪化させることも。夏だけでなく年中、曇りの日でも紫外線は降り注いでいるため、毎日日焼け止めを塗るようにしてください。汗をかいた際は、塗り直すことも大切です。
4:十分な睡眠をとる
睡眠をとることもニキビ予防には重要です。睡眠不足はホルモンバランスの乱れにつながります。ホルモンバランスが乱れると、ニキビができやすくなったり、ニキビが悪化したりしてしまいます。
5:ニキビを自分の指でつぶさない
指でつぶすとばい菌が入り、炎症がひどくなってしまうことがあります。

ニキビが気になるお子さまへの対応は

ニキビができると、コンプレックスに感じる子どもも少なくありません。ニキビを隠そうと、前髪を長く伸ばしたり、うつむき加減になってしまったりすることもあるでしょう。また、相談することを恥ずかしがり、自分でつぶして痕をつくったり、自己流のケアを行った結果、逆にニキビを悪化させてしまったりすることも。
お子さま本人が気にする気持ちに寄り添いながら「皮膚科に行ってみようか」「一緒にスキンケア商品を選ぼう」とさりげなくサポートしてあげられるといいですね。気持ちを軽くさせるためだったとしても「ニキビは青春のシンボルだから」「ニキビはそのうち治るよ」といった発言には要注意。お子さまの気持ちに寄り添った声をかけてあげましょう。

まとめ&実践TIPS

ニキビは、早めに対処したうえで、ニキビをつくらない予防法に取り組んでいくことが大切です。お子さま自ら「ニキビに悩んでるんだけど」と相談するのは、ハードルが高いもの。保護者のかたから、それとなく声をかけてあげるといいですね。きれいに治すためにも、正しい知識を得て正しい予防法に取り組むためにも、皮膚科を受診するのがおすすめです。
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