学校で「トイレに行きたい」といえる子どもを育てる 家庭での会話とは

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もうすぐ小学1年生になる多くの子どもは、期待でいっぱいだろう。しかし一方では、子ども自身も保護者にも、「新しい環境の中でうまくやっていけるだろうか」という不安もあるのではないだろうか。そこで、「小学校入学までに身に付けてほしいこと」について、ベネッセ教育総合研究所の小泉和義氏に聞いた。

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幼稚園・保育所と小学校には3つの違いがあります。第1に「時間の使い方」。小学校では45分授業の時間割が規則正しく進みます。第2に、活動の中心が「遊び」から「勉強」へと変わります。第3に、自分自身でしなければならないことが増えます。最も大きな変化は、子どもだけでの登下校です。これらの変化は、発達差もまだまだ大きいこの時期ですから、小学校の生活にうまく順応できないお子さまもいるはずです。

たとえば「トイレに行きたい」など、集団の中で、しっかり言えるようになることは、ストレスを溜めずに過ごすため大切なことです。わがままや自己主張ではなく、自分の気持ちを言えるようにさせましょう。そこで、まずはご家庭で、「失敗しても大丈夫」ということを子どもに実感させることが大切です。「うまくできないと怒られる」という意識が強く働くと、子どもはできるだけ怒られないようにしようとします。

次に、「言葉の力」を身に付けることが大切です。そのためには、お子さまの話をしっかり聴いてあげることです。6~7歳の話し言葉には、論理矛盾があったり、言いたいことがはっきり伝わらなかったりして、聴いている親としてはイライラしてしまうこともあります。少し時間はかかりますが、まずはお子さまの話をしっかり聴き、子どもの使った言葉を用いて繰り返してあげたり、質問をしたりしながら、子どもの言いたいことを理解すること。ご家庭での豊かな会話が、言葉の力を身に付けるこつだと思います。