「中学生のもつ『場』における意欲」研究報告書 —ダイジェスト版—
報告書の概要
テーマ設定の背景
また、学歴信仰が崩れつつある現在、「高校入試」のハードルだけでは学習の動機づけにならなくなることが予想され、それに代わる新しい動機づけが必要になってくる。
さらに、「中学生」という時期は、周囲の人間関係が拡大し、自分以外の「他者」から受ける影響も大きくなる。学習活動を含めた彼らの行動は、「他者」との関係性の中で生み出され、その中で、意欲も形成されると考えられる。
このような状況下、中学校は「学校」という集団指導を前提とした枠組みの中で、中学生一人ひとりが個性を発揮し、意欲的に活動できる環境をいかにつくるかが問われている。
研究対象
テーマ
中学校現場で、中学生の学習・生活意欲を促進する学校内の「場」づくりの条件とその具体的姿を明らかにする。(教科の授業場面、特別活動場面、それらを含めたスクールカリキュラムプランニング)
●理論研究+授業観察、分析を中心とした研究
・・・心理学的視点からのアプローチ
国立教育研究所教育方法研究室 奈須正裕
中学校現場のインフォーマルな場における、「仲間づくり・集団帰属への意欲」と「学校に行く意欲」を調査し、相互の関係性とその背後にある家庭環境との関連を探る。
●定量調査(中学生への質問紙調査)と家族面接調査をセットにした研究
・・・精神医学的視点からのアプローチ
東京学芸大学助教授・精神科医 田村毅
若者がもつ人間関係を中心とした「場」がどのような機能を果たしてきたのかを歴史的に振り返り、それを前提に、今後中学生が意欲的になれる生活空間の条件について探る。
●文献を中心とした研究+質的調査
(中学生への質問紙調査、グループインタビュー)
・・・社会学的視点からのアプローチ
ライズコーポレーション代表取締役 岩間夏樹
調査報告書の目次・詳細
■研究レポート1
<授業を中心とした中学生の学習意欲研究>
国立教育研究所教育方法研究室 奈須正裕
■研究レポート2
<インフォーマルな場における中学生の意欲研究>
東京学芸大学助教授・精神科医 田村毅
■研究レポート3
<場の社会史からみた動機づけのメカニズムの研究>
ライズコーポレーション代表取締役 岩間夏樹