2017/03/29
[第4回] 主体的・対話的で深い学びを実現するために、教員はどう取り組めばよいのか [4/4]
Q. これから教員は、どのように意識を変える必要があるでしょうか。
A. 子どもの学びをデザインする"アクティベーター"として、成長を見取り、支援してほしいと思います
知識・技術の習得が学校教育の使命の1つであり、教員が教科の専門性を持つ必要があることは依然として変わりません。今後はそれに加えて、子どもが自ら学ぶことにどのようにかかわり、支援していくかが、重要になります。"子どもに教える教育学"から、"子どもの学びをデザインする教育学"への転換が必要であり、子どもの学びをデザインして推進する、いわばアクティベーター(活性化させる人)としての役割が求められるのです。
そのためには、子どもと教員、子ども同士の人間関係を形成することが土台となります。その上で、子どもたちに変化や成長を伝えたり、俯瞰させたり、俯瞰の仕方を教えたり、緩やかな方向性のナビゲーションをしたりといった支援が求められます。
アクティブ・ラーニングの大きな意義として、子どもたちが学ぶ姿や表情を見る機会が増え、それを通して資質・能力が育っている様子を確認できることがあります。つまり、様々な資質・能力を発揮しながら学ぶアクティブ・ラーニングは、学びの過程そのものが支援の対象となるのです。学びを通して子どもの変化や成長を見取り、授業デザインへとつなげていただきたいと思います。
【メッセージ】子どもを見つめ、子どもに伝える言葉を大切にしてほしい
子どもたちには、幼い頃には誰にでも備わっている「問い」を持つ気持ちを、ずっと大切にしてもらいたいと願っています。「変だな」「いつもと違うな」「不思議だな」といった素朴な疑問を持つことが、未知なる問題に立ち向かう力にもつながっていきます。また、自分は人とのかかわりの中で生きていて、社会や人に影響を与えることができる大事な存在であることにも、気がついてほしいと思います。
こうした気づきを促し、資質・能力を育成するために、教員には、子どもを見取り、子どもの様子を感じ取る資質・能力がますます問われていくと思います。そして、それを子どもたちに返し、伝えていく言葉を、ぜひ磨いていっていほしいと思います。
※ベネッセ教育総合研究所では、これから求められる資質・能力とその指導・評価に関する研究を行っています。【アクティブ・ラーニングを活用した指導と評価研究】