2017/04/14

[特別編:1] アクティブ・ラーニングの実践における高校現場の課題とは(座談会 前編) [4/4]

■ 明星中学校・高等学校の実践

タブレット端末などICT機器を存分に活用して、各教科でのアクティブ・ラーニングのあり方を模索

 明星中学校・高等学校は、2023年度の開校100周年に向け、学校改革を推進している。その一環として、2016年度、国際社会で活躍する次世代リーダーを育成する「MGS(Meisei Global Science)クラス」(中学校1クラス、高校2クラス)を設置した。さらに、2015年度から段階的にタブレット端末(iPad)を利用した授業を開始し、アクティブ・ラーニング型授業ツールとして、また、学習記録機能などを用いた学習支援ツールとして、様々な活用を進めている。
 例えば、数学の授業では、生徒が授業・学習支援サービス「Classi(クラッシー)」の動画教材で、あらかじめ基礎知識について予習して個の考えを持ち、授業ではグループ学習による議論を通して解法などを深める、いわゆる「反転学習」を取り入れている。英語では、電子黒板を効果的に用いて授業を効率化し、グループ学習で生徒が実際に英語を使う場面を充実させて英語4技能を伸ばすことに重点を置いている。
 アクティブ・ラーニングを取り入れた授業づくりをする上で強く意識しているのが、受験における学力を高めることとの両立だ。同校では、指導改革の努力により、ここ5年間で進学実績が大きく伸びている。2017年4月には「新大学テスト対策委員会」を立ち上げ、研究テーマとして、特に課題発見・課題解決のできる生徒の育成を目指しながら、アクティブ・ラーニングの実践と結びつけていく方針だ。
※ベネッセ教育総合研究所では、これから求められる資質・能力とその指導・評価に関する研究を行っています。【アクティブ・ラーニングを活用した指導と評価研究】