2016/03/17

[第2回] 卒業生のキャリア意識と大学時代の成長実感 —大学における「キャリア教育」推進の今後のあり方- [8/10]

4.卒業生の大学時代の成長実感とキャリア意識形成に寄与しうる機会や環境(2)

(2)大学時代の自身の進路を相談できた教職員の数

 同様に、図8は大学時代全体を通しての成長実感別に、「大学時代、進路(就職や進学など)を相談できる教員や職員が合計何人いたか」を尋ねた結果である。
図8.大学時代の成長実感×「進路を相談できる教員や職員の数」(シニア層)
 ベネッセ教育総合研究所(2015)によれば、「進路を相談できる教員や職員の数」を尋ねた結果、「1人もいなかった」と回答したのは、若手層が39.4%であるのに対し、シニア層は48.6%であり、9.2ポイントもの差がみられる。
 しかし図8からは、大学時代の成長実感が強い卒業生ほど「進路を相談できる教員や職員の数」が多いことが示されており、大学時代の成長を「とても実感した」卒業生では、「1人もいなかった」の回答は27.2%にとどまっている。その一方で「4人以上いた」との回答は10.2%に及んでおり、他に比べて明らかに高いことがわかる。

(3)大学時代の学内就職サポートの利用状況

 同様に、図9は大学時代全体を通しての成長実感別に、「大学内の就職サポートの利用状況」を尋ねた結果である。「そのような設備や制度はなかった」と回答した4.4%は分析対象外としている。
図9.大学時代の成長実感×「大学内の就職サポートの利用状況」(シニア層)
 ベネッセ教育総合研究所(2015)によれば、「大学内の就職サポートの利用状況」を尋ねた結果、「よく利用した+ときどき利用した」と回答したのは、若手層が38.6%であるのに対し、シニア層では26.9%であり、11.7ポイントもの差がみられる。
 しかし図9からは、大学時代の成長実感が強いほど「大学内の就職サポートの利用状況」が高い卒業生が多いことが大方示されており、大学時代の成長を「とても実感した」卒業生の10.1%が「よく利用した」と回答している。この回答率は、他に比べて明らかに高い。