AIの楽しさを知る! お子さまの学齢別オススメ体験

近年、文章を自動的に生成することができる「生成AI」がメディアなどで話題になっています。でも、「AIにできること」はそれだけではありません。
この記事では、お子さまと一緒にAIのおもしろさにふれるオススメ体験をご紹介します。
教えてくださったのは、文部科学省のICT活用アドバイザーを務め、AI活用に詳しい広島工業大学教授の安藤明伸先生です。
オススメ体験は学齢別にご紹介していますが、お子さまの興味・関心に合わせて柔軟にチャレンジしてみてくださいね。

※個人情報の扱いなどの観点から、AIサービスによっては利用年齢に制限があるケースもあります。
年齢制限などの注意事項は利用規約(ガイドライン)に明記されていますので、事前にしっかりと読み込んでおくことが大事です。
※小学生のお子さまがAIを使うときは、保護者のかたと一緒に使ってください。
※学校からAI利用に関する指示があった場合は、その指示に従ってください。

【小学校低学年】「自由研究おたすけAI β版」で手軽にAIの楽しさを知る

【低学年】「自由研究おたすけAI β版」で手軽にAIの楽しさを知る

小学校低学年(1~3年生年生)のお子さまは、まだAIについての知識が少なく、興味を持つまでに至っていないかもしれません。
それでも、この時期に、手軽にAIの楽しさにふれることで、「AIって面白いな」「もっといろいろなことを試してみたい」と好奇心が開花するかもしれません。
「こんなこともできるんだ!」「AIでもわからないことがあるんだね」などとコミュニケーションをとりながら、AIに対するお子さまの興味が広がるようサポートしてあげましょう。この頃のお子さまの場合、AIからの自然な受け答えに人間とやりとりしているように錯覚してしまうこともあるかもしれません。保護者の皆様がお子さまと一緒に使うことで、やりとりしている相手はコンピュータであることを伝えてあげてください。

オススメは、小学生でも安心して使える「自由研究おたすけAI β版」です。

ラボリーというキャラクターは、質問すると、自由研究にしやすいテーマを提案してくれるAIです。利用は無料で、1分で登録ができます。

すでに多くのお子さまが、夏の自由研究に利用しています。
1年生のお子さまが、どんな自由研究をすればいいかを質問して、「太陽の光で影をつくるしくみ」の案をもらったり。
3年生のお子さまが、「身の回りの困りごとを解決するプログラムを作りたい」という質問から、子ども向けのプログラミング教材の使い方などのヒントを得たり。
もちろん、低学年だけでなく、高学年のお子さまにもご利用いただけます。

お子さまの「好き」を、自由研究のテーマにつなげて、夏の成長を応援します。

>>自由研究おたすけAI β版はこちらから使えます

※「自由研究おたすけAI β版」は、年齢制限のないMicrosoft社の「Azure OpenAI Service」をベースに、入力内容を再学習に利用しない方式でご提供しているため、安心してお使いいただけます。

【小学校中・高学年】自分で手を動かしながらAI体験を

【中学年・高学年】自分で手を動かしながらAI体験を

小学4~6年生のお子さまは、少し広い視野で物事をとらえられるようになります
そこで、AIに関して会話をするときも「今はエアコンにはAIが組み込まれていて過去の利用パターンや体感温度の変化を予測するなどして自動的に温度調節をしてくれるけど、ママが小学生のころはこういう働きはなかったんだよ」などと会話をしてみてはいかがでしょうか。
お子さまは保護者のかたの言葉をきっかけに、「AIって便利だな。どうしてそんなことができるんだろう? ほかにどんなことができるのかな?」といろいろな方向に興味が広がるはずです。

●オススメ体験:ロボット工作キットで一緒に組み立ててみる
小学校中学年・高学年になると、比較的高度な工作ができるようになってくるので、自動運転や遠隔操作、物体認識など最先端の技術を搭載したAIロボットの制作もおすすめです。
近年は、小学生が自力でつくれるロボット工作キットも市販されており、通販サイトなどをチェックすれば数千円から1万円程度でさまざまなキットが見つかります。
完成したロボットで遊ぶことでAIを体験できるうえ、作る過程では工作の楽しさを味わえますし、プログラミング的思考力(コンピュータやプログラミングの概念にもとづいて問題を解決するための思考力)の育成にも役立ちます。
難しい作業などは保護者のかたがお手伝いしてもよいですが、あくまで主役はお子さま。
できるだけ手は出さず、見守りに徹しましょう

【中学生】「生活・社会に役立つ」という観点でAIと関わる

【中学生】「生活・社会に役立つ」という観点でAIと関わる

2021年度から中学校でプログラミング教育が拡充され、生活や社会における課題をプログラミングによって解決する手法を実践的に学ぶ授業がすでに始まっています。
AIを活用したプログラミングを授業で行う学校も出てきており、AIを「おもしろいモノ」を超えた「役立つモノ」として認識している中学生もいることでしょう。

保護者のかたは、「技術・家庭のプログラミング教育ではどんなことをやってるの?」といった質問を投げかけてあげてください。
「プログラミングが注目されている」と気づいたお子さまは、改めてプログラミングやAIについて学ぶ意義を感じるのではないでしょうか。

●オススメ体験:プログラミング教室やイベントに積極参加
お子さまが授業を通じてAIやプログラミングに関心を高めたいようなら、プログラミング教室に通わせてあげたり、AI関連のイベントを探して一緒に参加したりしてみてはいかがでしょうか。
「AI プログラミング教室 中学生 〇〇市(お住まいの地域)」「AI イベント 中学生 〇〇市」などのキーワードで検索すれば、お住まいの地域で開催される教室やイベントの情報をキャッチできるはず。
お住まいの地域で開催されていなくても、オンライン参加できるものも少なくありません
より専門的な世界の扉をくぐることで、同じ興味・関心を持つ同年代のお子さまと交流できるのも大きなメリットです。

●オススメ体験:役に立つものをつくる
簡単なプログラミングの経験があり、自分で何かをつくることに興味があるお子さまであれば、自分や社会にとって役に立つものをつくってみることもオススメです。
例えば、画像を判別するプログラムは比較的簡単にお子さま自身で作成することができますので、この画像を判別するプログラムと、合成音声とを組み合わせて「目が不自由な人向けの生活補助アプリ」をつくることができるかもしれません。
また、画像認識のAIを活用して、植物図鑑のように何かの図鑑をつくることもできるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

AIはこの数年で急速に生活の中に浸透し、お子さまにとっても身近なものになりつつあります。
ただ一方で、お子さまが体験してみるときに配慮が必要な場合もあるため、保護者のかたがどう関わっていくかが大切です。
一緒に楽しい体験を積みながら、お子さまがAIとの付き合い方を身につけられるようサポートしてあげてください。

プロフィール


安藤明伸

広島工業大学教授
文部科学省のICT活用教育アドバイザー。
「小学校プログラミング教育の手引」の作成に参画している。
宮城教育大学名誉教授