2014/10/05
日本教育社会学会 第66回大会報告児童生徒の生活時間の変化に関する研究-2008年調査と2013年調査の比較を中心に-
木村治生
「放課後の生活時間調査」について最新の結果を報告しました
2014年9月13日(土)に松山大学で開催された「日本教育社会学会」第66回大会で、「放課後の生活時間調査」の結果を報告いたしました。当日は、首都大学東京准教授の西島央先生とともに、前半を私が担当し、後半を西島先生が報告する形で進めました。
私からは、学年変化と経年比較に関する分析を行い、今の子どもたちの時間の使い方とその変化を明らかにしました。また、西島先生からは変化がどのような属性の子どもによって起こっているのかを報告いただきました。
本調査の概要は、以下から確認することができます。
https://benesse.jp/berd/shotouchutou/research/detail_4278.html
https://benesse.jp/berd/shotouchutou/research/detail_4278.html
また、以下が当日の発表資料(木村分)です。
https://benesse.jp/berd/up_images/textarea/kimura/EDS-report_20140913.pdf
https://benesse.jp/berd/up_images/textarea/kimura/EDS-report_20140913.pdf
結果からの示唆
調査結果の分析から、次のようなまとめを行いました。
1.時間をコントロールする力の大切さ
子どもたちの可処分時間は、平日4時間30分~5時間程度と限られている。この時間内に行われる活動は逆相関(一方が増えれば他方は減る)の関係にあるので、どのように時間を有意義に使うか、時間をコントロールする力が求められる。
子どもたちの可処分時間は、平日4時間30分~5時間程度と限られている。この時間内に行われる活動は逆相関(一方が増えれば他方は減る)の関係にあるので、どのように時間を有意義に使うか、時間をコントロールする力が求められる。
2.学年による生活の変化に配慮
小6→中1(「部活」の発生による各種活動の後ろ倒しや「睡眠」の減少)、中3・高3(受験のための「勉強」の増加による他の活動の抑制)など、時間の使い方が大きく変化する学年がある。生活リズムをどう整えるか、留意が必要であろう。学年が上がるにつれて、「睡眠」時間の減少も顕著。
小6→中1(「部活」の発生による各種活動の後ろ倒しや「睡眠」の減少)、中3・高3(受験のための「勉強」の増加による他の活動の抑制)など、時間の使い方が大きく変化する学年がある。生活リズムをどう整えるか、留意が必要であろう。学年が上がるにつれて、「睡眠」時間の減少も顕著。
3.学習の時間が増えていることの功と罪
学力低下不安の反動で、大人が子どもにより学習させるようになっている。子どもの負担や他の時間への影響も考える必要がある。アンケート調査の結果でも人とのかかわりや体験活動の減少といった変化がみられる。
学力低下不安の反動で、大人が子どもにより学習させるようになっている。子どもの負担や他の時間への影響も考える必要がある。アンケート調査の結果でも人とのかかわりや体験活動の減少といった変化がみられる。
4.メディアは行為者平均時間の長さ(利用者の長時間化)に留意
「PC・携帯・スマホ」の時間の増加の一方で、「テレビ・DVD」の時間が減少し、メディアの時間の総量は変化していない。子どもたちは冷静にメディアの時間をコントロールしているともいえる。ただし、「PC・携帯・スマホ」は行為者平均でみると小中学生でも1時間前後使っている。
「PC・携帯・スマホ」の時間の増加の一方で、「テレビ・DVD」の時間が減少し、メディアの時間の総量は変化していない。子どもたちは冷静にメディアの時間をコントロールしているともいえる。ただし、「PC・携帯・スマホ」は行為者平均でみると小中学生でも1時間前後使っている。
詳しくは、資料をご覧いただければ幸いです。