2010/08/01

認定こども園における研修の実情と課題 報告書 [2009年]

この報告書について

ベネッセ次世代育成研究所は、2009年10月から2010年1月にかけて、認定こども園と地方自治体等が主催する保育者研修の実情と課題を調査しました。本調査は、2009年度の文部科学省委託事業「幼児教育の改善・充実調査研究」として実施したものです。詳細な調査結果を掲載した報告書と、トピックをとりあげたダイジェスト版を発刊しています。

調査の背景

現在、幼稚園と保育所の機能が接近しつつあります。保育者には、幼児教育・保育を統合的に実践するための専門性が求められますが、現在のところ、その専門性の内容について必ずしも明確にされているわけではありません。また、研修のあり方を含めて、その専門性を高めるための方策に関する議論も十分ではありません。
 そこで私たちは、今後の保育者研修のあり方を提言することを目的として、まずは現状を把握するための調査を行うことにしました。調査では、すでに幼児教育・保育を一体的に提供している認定こども園と、園を指導・助言する立場にある地方自治体等を対象に、研修の実情と課題を明らかにしたいと考えました。

調査概要

*インタビュー調査の概要は、報告書の7ページをご覧ください。

1.認定こども園の研修についての調査

調査方法

郵送法による自記式アンケート(郵送により配布・回収)

調査時期

2009年10月~11月

調査対象

2009年4月1日時点で開設していたすべての認定こども園(358園)の園長・所長・施設長、副園長(教頭・副所長・副施設長)、主任等(1園につき、1名が回答)

調査項目

・園外研修(参加目的、参加頻度、参加する職員、参加したテーマ、研修の成果、課題、行政への要望)
・園内研修(実施頻度、参加する職員、研修内容、研修の成果、課題、行政への要望)
・認定こども園の保育者に求められる資質
・保育者の資質の向上のために必要なこと

サンプル

発送数358・有効回答数245・有効回答率68.4%

2.地方自治体等の研修についての調査

調査方法

郵送法による自記式アンケート(郵送により配布・回収)

調査時期

2009年11月

調査対象

都道府県、政令指定都市、中核市、認定こども園のある市区町村(307自治体)の、幼稚園・保育所・認定こども園の保育者研修を担当する部署の職員

調査項目

・保育者向けの研修にかかわる取り組み
・幼保合同研修(主催の有無、対象者、目的、テーマ、成果、課題)
・これからの保育者に求められる資質
・保育者の資質の向上のために必要なこと

サンプル

発送数307・有効回答数203・有効回率66.1%

報告書

2010年3月に、「認定こども園における研修の実情と課題」報告書(全155ページ)を発刊しています。認定こども園・地方自治体等への質問紙調査とインタビュー調査の結果を詳しくまとめています。(全155ページ)。以下から、PDFによるダウンロードができます。※2010年3月発行
〔目次〕
表紙・はじめに・目次
調査の概要・(提言)認定こども園における
幼児教育の質を高める研修について
第1章 認定こども園における保育者研修
調査結果まとめ
第1節 質問紙調査結果

第1項 基本属性(回答園、回答者)
第2項 園外研修
第3項 園内研修
第4項 保育者の資質向上に向けて
第2節 インタビュー調査結果

事例1 「幼保の保育者間の連携があってこそ、生きる研修」
事例2 「『研修ハンドブック』を活用して、園外研修に参加」
事例3 「公立園における、幼稚園・保育所の研修制度の違い」
事例4 「県のバックアップのもとに、園内研修体制の構築による保育の質の向上を図る」
第2章 地方自治体等における保育者研修

調査結果まとめ

第1節 質問紙調査結果

第1項 回答者の基本属性、幼保の担当部署
第2項 研修に対する取り組み
第3項 幼保合同研修
第4項 保育者の資質向上に向けて
第2節 インタビュー調査結果

事例1 「幼保小中高をつなぐ、幼児教育センターの研修」
事例2 「幼保の行政部署が一元化している市における保育者研修」
事例3 「教育委員会主導による、教育・保育の質向上の取り組みと体系的な保育者研修」
事例4 「C県に属する市における、認定こども園とのかかわり」
事例5 「大学と連携した研修により、認定こども園の保育者の資質向上を図る取り組み」
*「認定こども園の研修についての調査」調査票
*「地方自治体等の研修についての調査」調査票