2006/03/19
第1回 乳幼児の父親についての調査 報告書 [2005年]
この調査について
ベネッセ次世代育成研究所では、2005年8月に、0歳から6歳までの子どもを持つ父親を対象に、子どもと関わる様子、家族との絆、仕事と家庭のバランスなど、乳幼児を持つ父親の家庭生活の実態や子どもや家族に対する意識をとらえることを目的にアンケート調査を実施しました。
調査の背景
2005年末、日本の人口が減少し始めたことが大きく報じられました。予測より2年前倒しだったこともあり、衝撃は大きく、2006年始めになると少子化に関する識者の意見が新聞紙上をにぎわせました。その中で「父親の働き方の見直し」「仕事と家庭の両立支援」という言葉がしばしば取り上げられました。
しかし、こうした議論は今に始まったことではなく、「少子化社会対策大綱」(2004年6月)には、「男性の子育て参加のための父親プログラムを普及する」という項目が盛り込まれています。今までの、母親(とくに働く母親)のみを対象とした支援策では少子化の打開策にならないこと、家族を包括的に支援する施策が必要なことが共通認識になってきたからです。
一方では、近い将来、予測される労働人口の不足を解消するために高齢者や女性の活用も話題になっています。子育てをしながら女性が働くためには、男女共同参画を推進し、父親の家事育児への分担を増やす必要があるというわけです。ところが、当事者である父親が生活の中で子育てをどう受けとめ、実際に家事育児にどのように関わっているのか、仕事と家庭のバランスをどのように考えているのか、総合的に分かるデータはほとんどありませんでした。「父親の働き方の見直し」という提言が投げかけられても、それを受けとめる人たちの実態がよく分からなかったのです。
ベネッセコーポレーションでも、子育てに関する調査は10年前から5回実施していますが、いずれも調査対象は母親でした(注1)。そこで今回は父親を対象とした調査を行うことで、実態を明らかにすることを試みました。子の年齢を就学前に限定し、父親になってそれほど時間のたっていない、若い年代の父親の意識を探った貴重な調査になっています。
注1)
「幼児の生活アンケート」1995年、2000年、2005年
「子育て生活基本調査」(幼児版)1997年、2003年など
(西暦は調査実施年)。
しかし、こうした議論は今に始まったことではなく、「少子化社会対策大綱」(2004年6月)には、「男性の子育て参加のための父親プログラムを普及する」という項目が盛り込まれています。今までの、母親(とくに働く母親)のみを対象とした支援策では少子化の打開策にならないこと、家族を包括的に支援する施策が必要なことが共通認識になってきたからです。
一方では、近い将来、予測される労働人口の不足を解消するために高齢者や女性の活用も話題になっています。子育てをしながら女性が働くためには、男女共同参画を推進し、父親の家事育児への分担を増やす必要があるというわけです。ところが、当事者である父親が生活の中で子育てをどう受けとめ、実際に家事育児にどのように関わっているのか、仕事と家庭のバランスをどのように考えているのか、総合的に分かるデータはほとんどありませんでした。「父親の働き方の見直し」という提言が投げかけられても、それを受けとめる人たちの実態がよく分からなかったのです。
ベネッセコーポレーションでも、子育てに関する調査は10年前から5回実施していますが、いずれも調査対象は母親でした(注1)。そこで今回は父親を対象とした調査を行うことで、実態を明らかにすることを試みました。子の年齢を就学前に限定し、父親になってそれほど時間のたっていない、若い年代の父親の意識を探った貴重な調査になっています。
注1)
「幼児の生活アンケート」1995年、2000年、2005年
「子育て生活基本調査」(幼児版)1997年、2003年など
(西暦は調査実施年)。
調査概要
調査テーマ
乳幼児の父親について、子どもや妻との関係、家事育児への関わり、仕事と家庭のバランス、子育て観や将来への期待などの実態と意識。
調査方法
インターネット調査
0~6歳4ヶ月の子を持つ父親を対象に、Webアンケートへの回答を依頼しました。回答者は約3300人。そのうちの有効回答者2958人を分析対象としました。
0~6歳4ヶ月の子を持つ父親を対象に、Webアンケートへの回答を依頼しました。回答者は約3300人。そのうちの有効回答者2958人を分析対象としました。
調査時期
2005年8月5日(金)~7日(日)
調査対象
就学前の子ども(0~6歳4ヶ月)を持つ父親2958名。子どもの年齢別の内訳は、0歳児430名、1歳児467名、2歳児468名、3歳児473名、4歳児488名、5歳児480名、6歳4ヶ月まで152名。
※6歳児は就学前のみを対象としているため、6歳0~4ヶ月としています。
※6歳児は就学前のみを対象としているため、6歳0~4ヶ月としています。
調査地域
東京・神奈川・埼玉・千葉
調査企画・分析メンバー
監 修
汐見 稔幸(東京大学大学院 教育学研究科教授)
大日向 雅美(恵泉女学園大学 大学院教授)
調査分析
後藤 憲子・高岡 純子・真田 美恵子・持田 聖子(ベネッセ次世代育成研究所)
木村 治生・邵 勤風(Benesse教育研究開発センター)
汐見 稔幸(東京大学大学院 教育学研究科教授)
大日向 雅美(恵泉女学園大学 大学院教授)
調査分析
後藤 憲子・高岡 純子・真田 美恵子・持田 聖子(ベネッセ次世代育成研究所)
木村 治生・邵 勤風(Benesse教育研究開発センター)
調査報告書
2006年3月に、「乳幼児の父親についての調査」報告書(全112ページ)を発刊いたしました。詳しい分析結果や監修者によるコメント、基礎集計表、調査票見本が掲載されています。
〔目次〕
本調査の特徴
調査概要
基本属性
本報告書の要約
調査概要
基本属性
本報告書の要約
「乳幼児の父親についての調査」
結果の特徴について 汐見稔幸
結果の特徴について 汐見稔幸
「乳幼児の父親についての調査」
結果をみて 大日向雅美
結果をみて 大日向雅美
第1章 家族とのかかわり
第1節 子どもと過ごす時間、子どもとの関係
第2節 家事・育児の実態と理想
第1節 子どもと過ごす時間、子どもとの関係
第2節 家事・育児の実態と理想
第2章 父親の子育て観・教育観・家族観
第1節 父親役割と子育て意識
第2節 父親の子育て観、将来への期待
第3節 家族に対する父親としてのスタンス
第1節 父親役割と子育て意識
第2節 父親の子育て観、将来への期待
第3節 家族に対する父親としてのスタンス
第3章 父親の仕事と家庭のバランス
第1節 夫の側からみた、妻の就業に対する考え方
第2節 育児休業制度の取得実態と子育て支援策に望むもの
第3節 現在の生活満足度・子育て満足度
第1節 夫の側からみた、妻の就業に対する考え方
第2節 育児休業制度の取得実態と子育て支援策に望むもの
第3節 現在の生活満足度・子育て満足度
〔資料編〕
調査票見本
基礎集計表