2013/11/13
第1回 : 学校外教育費の支出格差はどのようなタイプの活動から生じるか?[3/4]
2)活動別にみた学校外教育費の構成割合
学校段階の上昇に伴う各活動に対する支出割合の変化を示したのが表2(タイプ①②③⑥のみ掲載)である。すべての活動を行っているタイプ①に関してみると、小学校4-6年生から教室学習活動の支出割合が大きく増加し、高校生段階では55.3%に達している。他方で、スポーツ活動、芸術活動、家庭学習活動の支出割合は減少している。3つの活動を行うタイプ②、③においても、教室学習活動の支出割合が学校段階が進むとともに増加し、高校生段階で66.2%~70.4%に達している。興味深いのはスポーツ活動と家庭学習活動を行うタイプ⑥である。教室学習活動を行わない代わりに、家庭学習活動の割合を学校段階とともに増加させ、受験等の学習に対応している。
このように、学校段階の上昇とともに、同じ活動をしていたとしても、学校外教育費の構成を変えることで、活動の重点を変化させていることがわかる。
3)活動別学校外教育費の増加率
表3はタイプ①、②、③、⑥に関して、活動別の学校外教育費を示したものである。( )内には、小学校1-3年生の金額を1.00としたときに、各学校段階の金額が何倍になっているかを示している。タイプ①、②、③においては、学年の上昇とともに教室学習活動の支出の増加が著しい(高校生段階は小学校1-3年生の2.71倍~3.13倍)。また、家庭学習活動の支出も学年とともに増加している。他方で、スポーツ活動の支出、芸術活動の支出は増加していない。タイプ⑥においては、家庭学習活動の支出が中学生段階で、小学校1-3年生の2倍を超えているが、スポーツ活動の支出が減少していることもあり、学校外教育費全体の支出はほとんど変化していない。
このように、複数の活動をしているタイプであっても、学校段階の上昇にともない、教室学習活動に対する支出額の増加が著しく、家庭学習活動と合わせて、学習系の活動に重点的に支出していることがわかる。