2017/04/21

[特別編:2] アクティブ・ラーニングの実践から授業改善のためのポイントを探る(座談会 後編) [4/4]

■ 福岡大学附属大濠中学校・高校の実践

教科ごとに「研究員」を任命しPISAの熟考・評価問題を参考にテストを作成

 福岡大学附属大濠中学校・高校では、アクティブ・ラーニングを推進するため、国語、地理・歴史、数学、理科、英語の5教科に「研究員」を任命している。定期考査や実力考査、入試問題(中学校、高校)において思考力を問う問題の研究開発に取り組んでいるほか、2016年度からは各教科がアクティブ・ラーニングを取り入れた公開授業を実施している。
 思考力などを評価するための試行錯誤も続けている。現在、国語で先行して、PISAの熟考・評価問題などを参考にした次のような問題を作成し、定期考査にも取り入れている。
  1. 本文と関連または対立する連続テキスト(出典の別の箇所、筆者の別の本、他者の本など)を提示し、筆者や反対意見を持つ者の立場から考えを整理して述べさせる。
     例:資料2を踏まえて、△△の立場から、資料1の○○の主張を批判せよ
  2. 本文と関連または対立する非連続テキスト(マンガ、広告、統計データなど)を提示し、読み取らせる。
     例:次のマンガから読み取ることができる、電子書籍の長所と短所を説明せよ
  3. 古典の授業で示した解釈とは異なる解釈を提示し、読み取らせる。
  4. 古典の文章の別の資料を提示し、類似や差異に気づかせる。
 今後、大学入試改革も見据え、組織的にアクティブ・ラーニングの視点を活かした指導と評価をさらに研究・推進していく。
※ベネッセ教育総合研究所では、これから求められる資質・能力とその指導・評価に関する研究を行っています。【アクティブ・ラーニングを活用した指導と評価研究】