2014/10/10

シリーズ 未来の学校 第4回 | 石巻市雄勝町のムーブメント、地域住民と支援者がつくるホンモノの自然学校【前編】[2/6]

【前編】 廃校になった小学校を、世界中の子どもたちとの交流の場へ [2/6]

子どもたちを支援する「sweet treat 311」

 「雄勝学校再生プロジェクト(以下、学校再生プロジェクト)」とは、築90年、2001年に廃校になった旧桑浜小学校を、当時の外観や雰囲気を残しながら、新しい学び舎として再生させる取り組みだ。「学校再生プロジェクト」を支援するのは、公益社団法人である「sweet treat 311(以下sweet treat)」。「sweet treat」には、「優しいケアを」という想いが込められているという。
 sweet treatは、東日本大震災によって被災した子どもたちを支援する団体で、宮城県石巻市雄勝町を中心に活動している。

学校再生プロジェクトで活かされるノウハウ

 sweet treatは「学校再生プロジェクト」の中で、雄勝町の地元の人を中心に結成された「ぬくもり実行協議会」や全国からのボランティアとともに、開校にむけて入念な準備をする毎日だ。sweet treatの理事である油井元太郎(ゆいげんたろう)さんは、学校再生プロジェクトについて次のように語る。
 「sweet treatは、これまでに年間で約3000人の方々に学びのプログラムを提供してきました。豊かな自然のなかで、漁業・農業・林業・伝統文化を子どもたちに体感してもらうプログラムです。地元の子どもでも漁業体験がない場合があるので、教師や保護者の方々から一定の評価をいただいています。そんな中、雄勝に残っている廃校があることを聞き、そこを地元の人々との交流の場、さらには日本全国、世界の子どもたちが集まる場になればいいと考えたのが、学校再生プロジェクトを立ち上げたきっかけです」