母親、父親、子どもの発達を家族システムの観点から検討する ~第34回日本発達学会自主シンポジウム報告 企画趣旨

夫婦の関係性が子どもの発達に及ぼすか、家族システム的な分析から各種調査を実施

野澤祥子

野澤祥子●のざわ・さちこ
東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター 准教授

東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門は、発達心理学・保育学。内閣府「子ども子育て会議」委員、厚生労働省「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」委員。著書に、『歩行開始期の仲間関係における自己主張の発達過程に関する研究』(風間書房)、『イラストBOOK たのしい保育 発達を支える「遊び」づくり』(共著、ぎょうせい)など。
 前回の第33回大会で行った企画シンポジウムでは、同プロジェクトが縦断データであることを生かし、家庭の養育環境と子どもの発達に関する縦断的な関連についての分析結果を取り上げました。今回の第34回大会では、同プロジェクトが、縦断調査であることに加えて、夫婦それぞれの回答を得ていることに焦点を当て、夫婦の関係性が子どもの発達に及ぼす影響、父親の育児時間と夫婦関係、第2子誕生に伴う家庭の縦断的変化など、家族サブシステムが個人やその他のサブシステムにどのような影響をもたらしうるかという家族システム的な観点から分析した結果を報告します。