【特集17】学生の学びと成長のプロセスを可視化する <関東学院大学×ベネッセ 共同研究>
1.研究の目的
関東学院大学 高等教育研究・開発センター、ベネッセ教育総合研究所、および (株)ベネッセi-キャリアは、高等教育機関における学生の成長支援に向けた共同研究を立ち上げました。
日本の大学教育は、ディプロマポリシーに基づく学修成果の評価、アドミッションポリシーに基づく多角的な選抜方法の工夫、カリキュラムポリシーに基づく授業・カリキュラムの改善など、様々な改革課題に直面しています。学生の成長や学修の成果をどのように可視化し、教育の質向上につなげていくのか、多くの大学で試行錯誤が行われています。
この共同研究は、学生の成長や学修成果を可視化するプロセスを通じて、大学における教育の質向上を目指すことを目的にしています。FD(注1)活動の再定義と全学的な教育の質向上に取り組む関東学院大学、学びと成長に関する調査研究を行ってきたベネッセ教育総合研究所、年間20万人の大学生が受検するアセスメント(※) の実施・分析実績を有するベネッセ i-キャリアの知見を持ち寄り、新しい実践を作り出すことを目指します。学生がどのような学修体験や行動様式を持っているかを調査し、成長の要因とGood Practiceを抽出・分析し、その知見を授業・カリキュラムの質向上へとつなげます。
共同研究で得られた成果は、わが国の高等教育機関における教育の質向上のために広く情報提供を行う予定です。
注1)FD(Faculty Development)とは、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。
(出典:中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像」答申)
(出典:中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像」答申)
※ (株)ベネッセi-キャリアが提供するアセスメントの詳細については、こちら をご確認ください。
2.研究体制 ※敬称略。所属・肩書きは掲載時点のものです。
<関東学院大学>
奥 聡一郎(高等教育研究・開発センター長/建築・環境学部教授)
山本 勝造(高等教育研究・開発センター次長/経済学部准教授)
杉原 亨 (高等教育研究・開発センター 専任講師)
奈良 堂史(高等教育研究・開発センター 専任講師)
山田 昭子(高等教育研究・開発センター 研究員)
奥 聡一郎(高等教育研究・開発センター長/建築・環境学部教授)
山本 勝造(高等教育研究・開発センター次長/経済学部准教授)
杉原 亨 (高等教育研究・開発センター 専任講師)
奈良 堂史(高等教育研究・開発センター 専任講師)
山田 昭子(高等教育研究・開発センター 研究員)
<ベネッセ教育総合研究所>
谷山 和成(所長)
佐藤 昭宏(高等教育研究室 研究員)
岡田 佐織(高等教育研究室 研究員)
谷山 和成(所長)
佐藤 昭宏(高等教育研究室 研究員)
岡田 佐織(高等教育研究室 研究員)
<ベネッセi-キャリア>
松本 隆(教育事業本部 本部長)
田上 慧子(教育事業本部 東日本大学営業部 東日本営業一課)
松尾 洋希(教育事業本部 企画開発部 商品開発課)
友滝 歩(教育事業本部 企画開発部 商品開発課)
松本 隆(教育事業本部 本部長)
田上 慧子(教育事業本部 東日本大学営業部 東日本営業一課)
松尾 洋希(教育事業本部 企画開発部 商品開発課)
友滝 歩(教育事業本部 企画開発部 商品開発課)
3.概要とプロセス
本共同研究は、学生の成長プロセスの可視化を通じて、教育の質向上に必要な要因を議論し、教育現場における実践へ反映することを目的としています。つまり、成長のプロセスを解明して可視化するだけでなく、全ての学生が入学後できるだけ早い段階で「何かに燃えて取り組んでいる(=成長途上にある)状態」を実現するために、学生の成長を導く教育上の"仕掛け"をつくり、かつ実践するところまでを研究範囲としています。
本共同研究は、これまで、以下のプロセスで研究活動を行ってきました。
<2017年度>
研究プロセスの詳細については、中間成果報告書 P.03 をご覧ください。
<2018年度>
4.途中経過・活動報告
<研究の歩み> | <実践の歩み> | ||
2015年 | 9月 | 学修成果の可視化とデータの FD活用についての意見交換 |
|
---|---|---|---|
12月 | 共同研究立ち上げについての組織間合意 | ||
2016年 | 2月 | 関東学院大学「人に関する研究倫理審査委員会」 への申請(3月承認) |
|
4月 | 共同研究立ち上げ (4月26日 調印式・記者発表) *以降、月1〜2回ペースで研究会を開催 |
||
初回授業改革 初回授業(春学期)の実施 *実践モデル試行 |
|||
6~7月 | 第1次インタビュー調査実施 | ||
7月 | 初回授業改革 最終回アンケートの実施 |
||
9月 | 教員研修会 (人間環境学部・人間共生学部・ 栄養学部・教育学部) *成長プロセスの可視化データを活用 |
||
11月~12月 | 第2次インタビュー調査実施 | ||
2017年 | 1月 | 初回授業改革 最終回アンケートの実施 |
|
3月 | 大学教育研究フォーラム(京都大学) 中間成果発表 中間成果報告書 刊行 〔 報告書はこちらからダウンロードできます 〕 |
||
4~7月 | 評価枠組みの検討 | KGUキャリアデザイン入門 ・アセスメント実施 ・コミュニケーションシート ・行動計画 等 |
|
8~10月 | 「学びの総まとめ」プログラム検討 ・授業シラバス、内容構成 ・投影資料 ・ワークシート 等 |
||
11月 | 「学びの総まとめ」プログラム実施 | ||
2018年 | 1月~2月 | 記述・アセスメントデータ分析 評価枠組みの検討 授業・プログラム改善案の検討 |
|
3月 | 大学教育研究フォーラム(京都大学) 成果発表 |
5.研究成果
■ 2017年3月17日 中間成果報告書を刊行しました。
報告書はこちらからダウンロードできます
≫ PDFダウンロード
■ 2017年3月20日 第23回 大学教育研究フォーラム(京都大学で開催)にて、
(1) 研究成果の中間成果報告の発表を行いました
〔 当日の発表資料はこちら 〕
(2) 成長の可視化をテーマとした参加者企画フォーラムで、追手門学院大学、関東学院大学と共同で共同研究ついての発表とディスカッションを行いました。
〔 当日の様子(取材記事)はこちら 〕
(1) 研究成果の中間成果報告の発表を行いました
〔 当日の発表資料はこちら 〕
(2) 成長の可視化をテーマとした参加者企画フォーラムで、追手門学院大学、関東学院大学と共同で共同研究ついての発表とディスカッションを行いました。
〔 当日の様子(取材記事)はこちら 〕
■ 2018年3月21日 第24回 大学教育研究フォーラム(京都大学で開催)
参加者企画セッションで、追手門学院大学、関東学院大学、高知大学とベネッセ教育総合研究所が共同で研究・実践の発表とディスカッションを行いました。
〔当日の様子(取材記事)はこちら 〕
参加者企画セッションで、追手門学院大学、関東学院大学、高知大学とベネッセ教育総合研究所が共同で研究・実践の発表とディスカッションを行いました。
〔当日の様子(取材記事)はこちら 〕
■ 2019年3月15日 研究成果をまとめた報告論文を刊行しました。
報告書はこちらからダウンロードできます
≫ PDFダウンロード