【特集17】学生の学びと成長のプロセスを可視化する <追手門学院大学×ベネッセ 共同研究>
1.研究の目的
追手門学院大学アサーティブ研究センターとベネッセ教育総合研究所は、「学生の学びと成長のプロセス」を明らかにし、入学前から入学後にかけての学びと成長を追跡するための、総合的なアセスメント手法の開発を目的とした共同研究を立ち上げました。
日本の大学教育は、ディプロマポリシーに基づく学修成果の評価・測定、アドミッションポリシーに基づく多角的な選抜方法の工夫、カリキュラムポリシーに基づく授業・カリキュラムの改善など、様々な改革課題に直面しています。とりわけ、多面的な評価に基づく選抜の実施や、学生の学習意欲を早期に高め、学生の成長を最大化することが、喫緊の課題とされています。
追手門学院大学では、この課題にいち早く取り組み、多面的な人物評価と入学前教育プログラムを組み合わせて実施する「アサーティブプログラム(※)」「アサーティブ入試(※)」を2015年度入学生から導入しました。今回の共同研究では、学びと成長に関する調査研究に取り組んできたベネッセ教育総合研究所の知見と、ベネッセグループが保有する学習アセスメントを活用し、アサーティブプログラムおよびアサーティブ入試の成果検証を行います。そして、入学前後の学生の学びと成長の様子を追跡し、高校-大学-社会の移行期における新しい教育接続理論、成長要因を明らかする総合的なアセスメント手法、そしてそれらを活用した教育実践を生み出すことを目的としています。
本研究で得られる成果は、追手門学院大学での教育改善に活用するとともに、教育・学修成果の評価・可視化、アドミッションポリシーに基づいた多角的な人物評価による入試選抜の実施など、わが国の大学が直面する課題解決に資するべく、広く情報提供を行う予定です。
※アサーティブプログラム・アサーティブ入試
「選抜型」入試から「育成型」入試への転換をコンセプトとした、追手門学院大学独自の教育プログラムと入試制度。この取り組みは、文部科学省の平成26年度大学教育再生加速プログラムテーマⅢ(入試改革)に採択された事業です。〔追手門学院大学サイトへ〕
「選抜型」入試から「育成型」入試への転換をコンセプトとした、追手門学院大学独自の教育プログラムと入試制度。この取り組みは、文部科学省の平成26年度大学教育再生加速プログラムテーマⅢ(入試改革)に採択された事業です。〔追手門学院大学サイトへ〕
<アサーティブプログラム>
高校生(1~3年生が対象)に対し、以下のプログラムを提供し、大学で学ぶ目的を考えさせ、大学で学ぶ姿勢と意欲を持てるように育てるもの。
①大学職員との個別面談で自分を知り、大学で何を学ぶのかを一緒に考える
②独自開発した教育支援システム「MANABOSS(マナボス)」を使い、基礎学力の向上と計画的学習を習慣づける
③プログラムのプロセスを「アサーティブノート」に記録し、振り返ることで自己成長を促す
①大学職員との個別面談で自分を知り、大学で何を学ぶのかを一緒に考える
②独自開発した教育支援システム「MANABOSS(マナボス)」を使い、基礎学力の向上と計画的学習を習慣づける
③プログラムのプロセスを「アサーティブノート」に記録し、振り返ることで自己成長を促す
<アサーティブ入試>
上記のプログラムによって身につけた力を発揮できる場として「アサーティブ入試」を設定。大学入学後を見据え、グループディスカッションと基礎学力を測り、追手門学院大学で学びたい意欲を伝える個別面接を組み合わせた入試。
2.研究体制 ※敬称略。所属・肩書きは掲載時点のものです。
<追手門学院大学>
福島 一政(理事、副学長)
池田 輝政(基盤教育機構 教授 学長補佐、アサーティブ研究センター センター長)
原田 章 (経営学部長 教授、アサーティブ研究センター 研究員)
志村 知美(アサーティブ課 課長、アサーティブ研究センター 研究員)
福島 一政(理事、副学長)
池田 輝政(基盤教育機構 教授 学長補佐、アサーティブ研究センター センター長)
原田 章 (経営学部長 教授、アサーティブ研究センター 研究員)
志村 知美(アサーティブ課 課長、アサーティブ研究センター 研究員)
<ベネッセ教育総合研究所>
谷山 和成(所長)
木村 治生(副所長)
佐藤 昭宏(高等教育研究室 研究員)
岡田 佐織(高等教育研究室 研究員)
谷山 和成(所長)
木村 治生(副所長)
佐藤 昭宏(高等教育研究室 研究員)
岡田 佐織(高等教育研究室 研究員)
3.概要とプロセス
追手門学院大学に入学する学生の特徴およびその後の学びへの取り組みや成長の姿について、アセスメントテストやインタビュー調査をもとに明らかにします。特に入試区分による違いに焦点を当て、多面的な育成・選抜を目指すアサーティブプログラム、アサーティブ入試の効果検証も併せて行います。
そのプロセスを通して、学生自身も活用することのできる、学生の成長・変容を理解するための理論モデルを構築し、学びと成長を追跡・可視化して教育実践に活かすためのアセスメント手法の開発を目指します。
4.途中経過・活動報告
2016年4月1日
共同研究開始
共同研究開始
2016年9月8日
アサーティブスタッフ(※)インタビュー実施
※ アサーティブプラグラムを経て入学した学生のなかから、プログラム運営のサポートをするメンバーを募集している。
アサーティブスタッフ(※)インタビュー実施
※ アサーティブプラグラムを経て入学した学生のなかから、プログラム運営のサポートをするメンバーを募集している。
2017年3月30日~31日
2016年度 入学生(入学後1年経過)へのアセスメント
『大学生基礎力レポートⅡ』実施
(回答者数 1560名、1137名、回答率72.9%)
2016年度 入学生(入学後1年経過)へのアセスメント
『大学生基礎力レポートⅡ』実施
(回答者数 1560名、1137名、回答率72.9%)
2017年7月10日~12日
2016年度入学生(10名)へのインタビュー実施
2016年度入学生(10名)へのインタビュー実施
2017年11月1日~7日
3名への面談(試行)実施
3名への面談(試行)実施
2018年3月26日~27日
2016年度 入学生(入学後2年経過)へのアセスメント実施
2016年度 入学生(入学後2年経過)へのアセスメント実施
5.研究成果
■ 2017年3月20日 第23回 大学教育研究フォーラム(京都大学で開催)における成長の可視化をテーマとした参加者企画フォーラムで、追手門学院大学、関東学院大学と共同で共同研究ついての発表とディスカッションを行いました。
〔当日の様子(取材記事)はこちら 〕
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■ 2018年3月19日 中間成果報告書を刊行しました。
報告書はこちらからダウンロードできます
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■ 2018年3月21日 第24回 大学教育研究フォーラム(京都大学で開催)
参加者企画セッションで、追手門学院大学、関東学院大学、高知大学とベネッセ教育総合研究所が共同で研究・実践の発表とディスカッションを行いました。
〔当日の様子(取材記事)はこちら 〕
参加者企画セッションで、追手門学院大学、関東学院大学、高知大学とベネッセ教育総合研究所が共同で研究・実践の発表とディスカッションを行いました。
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■ 2019年3月23日 第25回 大学教育研究フォーラム(京都大学で開催)
参加者企画セッションで、追手門学院大学とベネッセ教育総合研究所が共同で研究・実践の発表とディスカッションを行いました。
〔当日の様子(取材記事)はこちら 〕
参加者企画セッションで、追手門学院大学とベネッセ教育総合研究所が共同で研究・実践の発表とディスカッションを行いました。
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