【特集17】学生の学びと成長のプロセスを可視化する <高知大学×ベネッセ 共同研究>

1.研究の目的

 高知大学は、平成28年度の文部科学省「大学教育再生加速プログラム(AP)」テーマⅤ「卒業時における質保証の取組の強化」に採択されました。「地域協働による教育」の展開と学生の能力を育成することに加えて、①「教育」に対する教員の意識改革、②「多面的評価指標」の開発、③地域と社会と協働した「学生の成長の検証」を3本柱とし、教育の質保証の仕組みを構築するもので、「地域活性化の中核拠点」のモデルとなることを目指しています。
 3本柱のひとつである③地域と社会と協働した「学生の成長の検証」について、高知大学とベネッセ教育総合研究所は共同研究を立ち上げました。
 「地域活性化の中核的拠点」として、地域の課題解決に資する人材育成ができているかについて明らかにするため、高知大学卒業生の就職先における活躍状況(自己評価と職場評価)およびそこで求められている能力、評価について調査を行い、在学中の学修成果と照らし合わせて検証を行います。
 共同研究で得られた成果は、わが国の高等教育機関における教育の質向上のために広く情報提供を行う予定です。

2.研究体制 ◎は研究代表者

<高知大学>
◎奥田 一雄 理事(教育・国際担当)
 小島 郷子 教育学部門・教授
 塩崎 俊彦 地域協働教育学部門・教授
 立川 明  地域協働教育学部門・准教授
 杉田 郁代 教育学部門・准教授
 高畑 貴志 大学教育創造センター・特任講師
<ベネッセ教育総合研究所>
◎谷山 和成 所長
 木村 治生 高等教育研究室 室長
 松本 留奈 高等教育研究室 研究員
 岡田 佐織 高等教育研究室 研究員

3.概要とプロセス

 高知大学の卒業生が社会に出てどれくらい活躍しているか、およびその活躍に対して大学時代の経験がどれくらい貢献しているかを把握する目的で、インタビュー調査を実施します。
 対象者は、既卒者とその就職先の上司・同僚のペアで約30組。ペアで実施したのは、卒業生の主観だけでなく、上司からの客観的な評価を加味して検証を行うためです。また、対象者の就職エリアを、首都圏と高知県内に設定し、就職した地域での差異を確認します。
 その結果から、社会で活躍するために、大学教育は何を改善・強化すればよいのかを考察し、インタビューから導き出された仮説をもとに、卒業生を対象にした調査の質問紙を設計します。

4.途中経過・活動報告

2017年4月1日
共同研究開始
2016年4月4日
2016年度新入生アセスメント『大学生基礎力レポートⅠ』実施
(回答者数 1594名中1592名、回答率 99.9%)
2017年9月上旬
インタビュー調査実施
2018年3月
大学教育再生加速プログラム(AP)テーマⅤ 「卒業時における質保証の取組の強化」
高知大学AP事業が中間評価 「S:計画を超えた取組であり、現行の努力を継続することによって本事業の目的を十分に達成することが期待できる」取得

5.研究成果

2017年3月20日
第23回 大学教育研究フォーラム(京都大学で開催)にて、
(1) 研究成果のポスター発表を行いました
大学教育研究フォーラム

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(2)「学修成果の多角的・継続的な可視化とその活用~育成と一体化した評価への試み~」をテーマとした参加者企画フォーラムで、高知大学、追手門学院大学、関東学院大学と共同で共同研究ついての発表とディスカッションを行いました。
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