
千葉県の人気私立中学校のひとつ、市川中学校。昭和12(1937)年に開校の歴史ある学校です。平成15(2003)年には共学となり、さらに人気がアップしています。70年の伝統と新たな改革について、校長の浅田穰先生にお話を伺いました。
共学化を機に大きく生まれ変わりました。
新校舎が完成し、共学になって、今年で4年目です。まず生徒たちの学力がアップしました。女子の上位層が入学したことで男子も底上げされ、四谷大塚での偏差値も60に近づいています。
同時に、「意義ある土曜日」として「土曜ゼミ」「土曜講座」を開講しました。「土曜ゼミ」は午前中3時限で、補習クラスと発展クラスに分かれて教科学習を進めるのですが、生徒たちは自分のテーマに沿って授業を自分で選びます。「土曜講座」は午後90分で、研究者や芸術家の方々など、外部から講師をお招きして教科の枠を超えた学びを体験します。興味のある講座に自主的に参加し、本物に触れることを目的としています。
建学の精神と教育理念について教えてください。
本校は「人間は各々持ち味をもつという人間観」をもって教育にあたっています。金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」という作品に、「みんなちがって、みんないい」という一節がありますが、本当にそのとおりで、顔も感じ方も考え方も、生徒一人ひとり、みな違います。そこで、「教えるプロ」である教員が、一人ひとりにフォーカスをあてて、子どもの持ち味を生かす出番をつくります。
人間は一人ひとりに違いがあるわけですから、それを見定めて「特長を引きだすよく見る教育」をしようというのも教育理念のひとつです。「よく見れば なずな花さく 垣ねかな」という松尾芭蕉の句があります。ただの垣根だと思っていたところをよく見たら、なずなの花が咲いていた。よく見なければなずなの花には気付かないところですよね。本校では生徒一人ひとりに目を向けてよいところを引きだす努力をしています。
もうひとつ、「第三教育」というのも本校の精神です。人間は一生の間に、三つの教育を受けます。「第一の教育」は、生まれてから、親から受ける教育。「第二の教育」は、学校で教師から受ける教育。そして「第三の教育」は、自分で自分を学ぶ生涯学習です。6年間かけて、卒業後も自分で学ぶ力を身に付けてもらいたいと思っています。