あスコラ Vol.5『VUCAな時代に子どもたちに伝えたいこと』
「あスコラ」とは
さまざまな領域の専門家が一堂に会し、熱い議論を繰り広げる“一期一会の小さな学校”、あスコラ。
それぞれの知見や経験、思いを語り合い、納得したり、刺激を受けたり、新しい発想が浮かんだり——。
教育に本気で向き合う大人の議論によって生まれる学びの場の様子をお届けします。
登壇者(五十音順)
加治慶光氏
官民の枠を越えて、多種多様な業界での勤務経験を持つ。アクセンチュア株式会社チーフ・マーケティング・イノベーター。
端羽英子氏
ワーキングマザーとして仕事と子育てを両立させながら、2012年に起業。株式会社ビザスク代表取締役社長。
木村治生氏
初等・中等教育領域を中心に、子ども・保護者・教員を対象とした意識や実態の調査等を行う。ベネッセ教育総合研究所副所長。
コメンテーター
林信行氏
最新テクノロジーが暮らしにもたらす変化を伝えるITジャーナリスト。(「あスコラ」ボードメンバー/コメンテーター)
「社会の創り手」の育成を目指す新学習指導要領
石坂 あスコラへお越しいただき、ありがとうございます。
本日は、グローバルに、あるいはベンチャーマインドを持って、ビジネスの世界でご活躍されている加治さん、端羽さんのお話を伺いながら、「これからの時代に本当に必要とされる力」について考えていきたいと思います。
ベネッセ教育総合研究所 石坂編集長
2020年度から完全実施される、新しい『小学校学習指導要領』の総則に、「豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される児童に、生きる力を育むことを目指す」という文言があります。つまり、「何を学ぶか」に重点が置かれていた従来の方針から、「何ができるようになるか」を重視する方針に大きくシフトしているといえると考えています。
このように国も、これから求められる人材の育成を見越して、学習指導要領や大学入試の改革を進めているわけですが、登壇者の皆さんの目にはどのように映っているでしょうか。特に、「これからの時代に本当に必要とされる力」や「それを身につけるための学習環境」についてのお考えをお聞きしたいです。
まずは、現在はベンチャー企業立ち上げ中の端羽さんから、ご自身の経験等も踏まえながら、お話いただけますでしょうか。
ビジネスをしながら感じる、「失敗を糧にする前向きな姿勢」
端羽 株式会社ビザスク代表取締役社長の端羽と申します。組織・世代・地域の壁を超えて、さまざまな領域のビジネス経験者をマッチングするプラットフォーム「ビザスク」を運営しています。2012年にこのプラットフォームを立ち上げるまで、大学卒業後に外資系証券会社へ就職、米国公認会計士の資格やマサチューセッツ工科大学でMBAを取得、事業会社の経営管理部門や投資ファンドに転職、と金融分野を中心にキャリアを積んできました。
株式会社ビザスク代表取締役社長 端羽氏
そもそも海外に興味を持ったきっかけは、熊本県の田舎で過ごした幼少期の体験にあります。ある日、通学路で生まれて初めて外国人の方に出会い、“Hi!”と手を振って挨拶をされたのですが、私はびっくりして走って逃げてしまって…。家に帰ってから、「相手に悪いことをしてしまった。」と反省すると同時に、「きちんと返事ができるようになりたい!」という想いもあって、前向きに英語を勉強するようになりました。それまで全く接点がなかったからこそ、海外への憧れがより強くなったのかもしれません。近所に語学学校などありませんでしたが、中学や高校に来ていた外国語指導教員のところに足繁く通いながら、英語を学んでいました。
私が社会で必要とされる力の1つだと考える、「失敗しても前向きに捉える力」の形成には、生まれ育った熊本の田舎ならではの環境や、家族が大きな影響を与えていたと思います。競争がさほど激しくない田舎には、自然に囲まれてのびのび育ち、失敗が自由に許される空気がありました。家庭においても、年の離れた姉を持つ3姉妹の末っ子だったこともあってか、とても自由に育てられたと感じています。「頑張ったら何かできる気がする。」と考えていろんなことに挑戦しながら、自ずと自信をつけることができたのだと思います。この姿勢は起業した今も変わらず、いろんなことに挑戦しながら、ダメ出しをされてもそれを「もっとうまくできるチャンスだ。」と受け止める自分がいます。
もう1点、私のキャリアのキーワードとして、「ワーキングマザー」があります。15歳の娘がおり、離婚後はシングルマザーとして働きながら子育てをしているのですが、ここにも自分が育った家庭の影響があると感じています。仕事が好きな父の背中を見ながら、父から仕事の話を聞いて育ったので、「働くことやお金を稼ぐことは素敵だ。」という感覚がかねてからありました。自分の子どもに受けさせてきた教育を考えるとき、それが成功しているのか、すぐには判断しづらいと思っていますが、親として、「子どもが自信を持って何事にも挑戦できるように愛情を注ぐ」ことは常に大事にしているつもりです。
不確実で課題山積な時代に求められる「課題設定能力」
加治 アクセンチュア株式会社でチーフ・マーケティング・イノベーターをしております、加治と申します。アメリカでのMBA取得も挟みながら、
さまざまな業種の企業や政府機関でマーケティングを中心に携わってきました。教育関連ですと、軽井沢にある日本初全寮制インターナショナルスクールの
ISAK(International School of Asia, Karuizawa)に、ファウンダーとして関わっております。
アクセンチュア株式会社チーフ・マーケティング・イノベーター 加治氏
石坂 さらりと言われましたが、加治さんのキャリアパスは本当に凄くて、大学卒業後は富士銀行(当時)を皮切りに、東急エージェンシーインターナショナル(当時)、日本コカ・コーラ、タイム・ワーナー、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、日産自動車、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会、総理大臣官邸内閣広報室参事官などでいずれも要職を歴任されています。そして今、加治さんがどんな未来を見据えて、どんな力が大切だとお考えなのか、お聞かせください。
加治 では、VUCAについてからお話ししましょう。元は1990年代のアメリカ軍事用語なのですが、「先のことがよく分からない世の中」になってきたことを受けて、近年は軍事の世界に留まらず、広く使われるようになっている言葉です。
VUCA
- Volatility:不安定
- Uncertainty:不確実
- Complexity:複雑
- Ambiguity:曖昧模糊
出典:加治氏資料
もう1つ、世の中の流れを示す資料として、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)も紹介させてください。SDGsは、2030年に人類が解決すべき課題として国連開発計画(UNDP)で決議された開発目標で、貧困や飢餓など新興国中心の課題に特化していた2001年~2015年のMDGs(ミレニアム開発目標:Millennium Development Goals)から発展し、「先進国も含めて全世界で課題解決しなければならない」という思想で作られています。SDGsでは、それぞれの課題が非常に深く関連し合っているため、個々に課題解決するのではなく、複数の課題を関連付けながら一体的に解決する必要があると考えられています。
SDGs(持続可能な開発目標)
出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所ホームページ
このように、不安定・不確実な要素が増え続けるなか、さらに、グローバルな視点で課題解決を進めていくことを期待されている今日、必要とされる力の1つに「課題設定能力」があると考えています。設定された課題を解決する力ももちろん大切なのですが、それ以前に、「何を課題として設定するか」がより困難を極める社会になってきているため、育むべき力としても重要視されると思うのです。私がファウンダーとして関わるISAKにおいても、この「課題設定能力」を非常に重視しています。
AI が急速に発展している今日、すでに「行動判断」までできる AI が出てきています。たとえば、アクセンチュアでは、有給休暇の申請方法や女性が妊娠した際に必要なサポート等を問いかけると、ロボットが適切な回答をしてくれる仕組みがすでに導入されています。最小限のインプットで機械学習をするAI が、人間の脳が果たしてきた役割をどんどん代替しているのが現状です。そのような状況において、これからの時代を生きる子どもたちにどのような教育をすべきか、真剣に考えなければならないと感じています。
テクノロジーの進化に立ち向かう、「既存の枠組みに捉われないアイデア発想」
林 私は、未来へ続くテクノロジーに興味を抱き、ITの最前線にいる人たちに関する取材と情報発信を長年してきたのですが、2007年頃から、「最新テクノロジーが日本に入って普及してきたときに、社会がどう変わるのか。企業が生き残るためにはどうしたらよいのか。」という視点でも執筆や講演活動、コンサルティング等をしています。
ITジャーナリスト 林氏(あスコラボードメンバー/コメンテーター)
以前、とある国内大手家電メーカーで新しい携帯電話を考えるワークショップをした際、なかなかアイデアを生み出せない社員の方々を目の当たりにしました。そこで、「たとえば皆さんが〇〇(代表的なゲームメーカー)の社員だったら?」と問いを変えると、徐々に視野が広がりアイデアが沸いてきたようなのですが、日々刺激が少なく、自社にこもって目の前の仕事をただ繰り返し、凝り固まってしまっている様子に、個人的には危機感を覚えました。
これは部署単位で仕事が決まっている企業に限らず、文系と理系を分断して学びの場が設計されている学校でも同じだと感じています。テクノロジーが電気や水道のような身近な存在となった今、あらゆるものの仕組みが根本から変わってしまっています。これまでのように専門性だけを極めるのでなく、専門の垣根を飛び越えるアイデアを出し、新しいものを作っていくことがより一層求められるのではないでしょうか。
社会の変化にみる、「失敗することから学ぶ力」
ベネッセ教育総合研究所副所長 木村氏
木村 ベネッセ教育総合研究所副所長の木村です。私は、「子どもの育ち」と「その育ちの周りにある環境との相互作用」に興味・関心を持っています。下の図にあるように、当研究所は子ども・保護者・教員の考えを理解・解釈し、それを形にして家庭・学校/行政・事業に伝える、「翻訳者」のような役割だと認識しており、インタビュー等を含めた社会調査を行っています。
ベネッセ教育総合研究所の社会における役割
出典:木村氏投影資料をもとに、あスコラ事務局で作成
先日、「忘れ物なし!」をコンセプトとしてベネッセコーポレーションが開発したランドセルについて、研究所内で議論する機会がありました。何をどこに入れているかが分かりやすく設計されているこのランドセルは、「忘れ物をせずに通学する小さな成功体験とともに、自信をはぐくめるように。」という想いから企画されました。
確かに、保護者や教員の立場では、「子どもが忘れ物をすることでかかる手間や負担を減らしたい」という効率的な観点もあって、忘れ物は予防した方がよいと考えがちです。しかし、端羽さんが外国人と初めて出会ったときの体験談として話してくださったように、失敗したからこそ、その後の学びにつながることもあるのだと私自身も感じています。
「失敗を恐れない勇気」を持つことの難しさ
加治 林さんや木村さんの話を聞きながら思い出したのが、クレイトン・クリステンセン著『イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル』という書籍です。イノベーティブなアイデアを生み出すための初期段階で必要とされるのが、「イノベーションに取り組む勇気」だと言われています。何が起こるか分からず、失敗するかもしれないことにも恐れず挑戦する、その姿勢が今後より重要になっていくと感じています。
端羽端羽 子どもは大人の背中を見ながら育つわけですが、大人の側が失敗を恐れて自信を持てなかったり、リスクをとりたくないがゆえにチャンスを逃してしまったりしていると、「どこでこの負の連鎖を断ち切れるのだろうか。」と考えてしまいます。私の場合、「失敗から学んで次につなげればよい。」という姿勢で、娘にもそのように伝えているつもりです。
二極化する若者たち
石坂 端羽さんや加治さんはさまざまな年代の方とお会いする機会があるのではないかと思いますが、20代前後の若者の現状について、何か感じていることはありますか?
加治 今の若者世代は「ミレニアルズ」と呼ばれたりもするのですが、どんどん二極化が進んでいるように思います。ITの動向や世界情勢を把握して、課題解決のために志高く活動する一部の人たちは、国の教育方針に関係なく、むしろそのずっと先を走っているイメージです。
木村 「二極化」というキーワードが出たので、最近我々が行った、大学生の学びに対する意識調査を紹介させてください。
大学生の学びに対する意識
ベネッセ教育総合研究所「第3回大学生の学習・生活実態調査」((ベネッセ教育総合研究所2016年)
調査概要
- 調査テーマ:大学生の学習・生活に関する意識・実態をとらえる
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2016年11~12月
- 調査対象:大学1~4年生(18~24歳、日本在住)
- 調査項目:高校での学習/大学選択で重視した点/入学時の期待/大学生活で力を入れたこと/大学生活の過ごし方/履修科目数/評価/教職員との交流/保護者との関係/友だち関係/大学教育観/学びの機会/学びに対する姿勢・態度/大学生活で身についたこと/海外留学の意向/進路意識/建学の精神やポリシーの認知/大学生活の満足度/学びの充実/成長実感/社会観・就労観/投票行動 など
これは、8年間での学生の意識変化を調査したものですが、単位取得、大学での学習方法、学生生活のすべてにおいて、より楽に過ごせる環境を望む学生が増えていく傾向が見てとれます。加治さんがおっしゃったように、志高く活動する層と、より楽な方に流れる層のギャップは広がっているのかもしれません。
端羽 私も、同じく二極化の傾向は感じています。一方で、より楽な方に流れる層にいる若者であっても、何かの「きっかけ」があれば、問題意識を持って志高く活動するのではないかとも考えています。
林 かつてスティーブ・ジョブズが、自分がした行為によって、何かが変わるという実感を持つことが人生にとって大事な学びだという趣旨の発言をしていますが、身近なことでも「変えられる」という小さな成功体験の積み重ねが大切だと改めて感じています。失敗を失敗で終わらせず、失敗を経て変化を起こし、その経験を自分で振り返ることができれば、問題意識を持って活動する人も増えるのではないでしょうか。そのためにも、教科ごとに学ぶ内容とその方法が決まっている学校教育や、役職ごとに業務がほぼ体系化されている企業の仕組みは、見直す余地が大いにあると思います。
「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて
木村 2020年度の教育改革に向けて既存の学校教育が見直されているなか、学校内に閉じない「社会に開かれた教育課程」の必要性に目が向けられはじめています。これまで子どもが接する大人は、親と教員が中心だったと思いますが、進歩するテクノロジー等も活用しながら、より多くの大人と出会って豊かな経験をする子が増えていくと想定されます。ただ、リソースが限られるという問題もあり、全国の学校教育でどこまで「社会に開かれた教育課程」を担保できるかはやはり課題です。そこに、学校教育を変える難しさがあります。
石坂 まさしく「先のことがよく分からない」まま、学校現場も教育を変えるべく試行錯誤していかなければならないこの状況で、端羽さんがされているビザスクのサービスモデルには、子どもたちの力を引き出すための示唆があるのではないかと想像しています。たとえば、学ぶ側と教える側の目線合わせや、教える側の評価方法などですが、具体的に教えていただけますでしょうか。
端羽 はい。ビザスクは、ビジネスの課題を抱える企業に対し、1時間単位からその課題を解決できる専門家(アドバイザー)とのマッチングを行うサービスを提供しているわけですが、教える側となるアドバイザーのレビューについては、公式には実施していません。その理由は、直接レビューを受けることに慣れていないアドバイザーが多い点にあります。本業の合間を縫って「自分の知見が誰かの役に立てば嬉しい」という想いを持って副業的に活動するアドバイザーが多いので、たまたま気が合わなかった等の理由で悪いレビューがされてしまうと、自信を失ってアドバイザーとしての活動を辞めてしまうことを危惧しています。それよりも、また次の機会にも協力してもらうために、「ありがとう」の気持ちを伝え、得意なことを活かして活躍してもらえる仕組みを提供していきたいと思っています。
人は一気には変われないので、私たちのサービスを利用するビジネスパーソンであれば、「2年先の未来を見据えながら、行動を変えていく」という視点を大事に活動しています。学びの効果が得られる時間軸の共有も大切です。
世界のなかの日本に生きる子どもたちに伝えたいこと
石坂 さまざまな視点から、「これからの時代に必要とされる力」やそれを育むための教育環境についてお話いただきましたが、最後に、これからの時代を生きる子どもたちへのメッセージをいただけますでしょうか。
加治 「日本がどれほど世界の常識から外れていて、どれほど幸せな国か。」という視点をぜひ持ってほしいと思います。犯罪率が低く、2016年のGDP(国内総生産)は世界第3位、物価も安い…。世界的にみると、これだけでも非常に恵まれていて、だからこそ世界にいろいろなかたちで貢献できる可能性があると信じています。
たとえば、人口動態を他国と比較してみると、これほど急激に就労人口が減っていく先進国は、日本だけです。このままのペースでGDPを成長させようとすると、本来それに伴って労働者を増やす必要がありますが、国内の就労人口の急激な減少は明白です。すると、女性の就労環境改善や外国人労働者の受け入れ、ロボットの活用といった課題と必然的に向き合わなければならないのです。個人的には、この状況はチャンスであると思っています。
文化的な側面では、日本は寛容な国だと感じています。宗教やLGBT等の多様性に対して比較的寛容度が高いというのは、実は日本の特徴です。すると、経済面だけでなく、世界平和という側面でも、世界で果たせる役割がもっとあるかもしれません。
端羽 私も加治さんと同じく、「日本から世界にできること」はまだまだたくさんあると感じています。そんな世界的な視野も持ちながら、皆さんにはぜひ「自分が楽しいと思うことを見つけてほしい。」と思っています。自分が楽しいと思うことをしている未来を創るために必要なものが勉強であり、そうして自分の未来を創っていくこと自体も勉強となると信じています。
石坂 本日は、ありがとうございました!
主宰者より御礼
「VUCAな時代に子どもたちに伝えたいこと」が浮かび上がった本日の「あスコラ」でした。話されたキーワードをつなぎ合わせてみると、
挑戦する心を持ち、小さな失敗体験を繰り返しながら、小さな成功体験を積み、行動することにより芽生える問題意識などもきっかけにして、課題設定能力を高め、自分の専門領域の垣根を越え、協働しながら課題解決したり、新たな価値を創造していくこと… となります。
まさしくその通りだと思いました。ただ、子どもたちへの教育も大切なのですが、私たち大人がこれらの力を発揮する姿をどれだけ見せられているのかと自問自答をしました。
また、豊富な海外経験もある加治さんと端羽さんだからこそだと思うのですが、お二人から最後に「世界に貢献できる日本の独自性」というお話が出たのも印象的でした。そこには、急速な少子高齢化社会を迎えながらも、長らく平和と繁栄を維持し享受している我が国だからこそ先頭に立ち、挑戦する価値のある大きな物語が横たわっている気がします。そんなときに、私は楽観的に楽しむ気持ちも忘れずにいたいと思いました。挑戦する意義や楽しさを伝えてくださった加治さん、端羽さん、ありがとうございました!
登壇者プロフィール
加治慶光(アクセンチュア株式会社チーフ・マーケティング・イノベーター)
富士銀行、広告会社を経て、米ノースウェスタン大学のケロッグ経営大学院でMBAを取得。日本コカ・コーラ、タイム・ワーナー、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントでマーケティングや宣伝に携わる。その後、日産自動車に移り、高級車のマーケティングやGT-Rの市場戦略構築・実施などを担当。東京2016オリンピック・パラリンピック招致委員会に出向した後、日産に帰任し、Nissan LEAF世界導入に参画。2011年より内閣官房官邸国際広報室参事官として震災対応、ソーシャルメディア、東京2020オリンピック・パラリンピック招致、ダボス会議などを担当した。任期満了に伴い2014年2月にアクセンチュアに移籍し、現職。世界的なスタートアップイベント「SLUSH」が初のアジア版となる「SLUSH ASIA」を2015年に東京で開催した際には、共同CMOを務める。
端羽英子(株式会社ビザスク代表取締役社長)
東京大学経済学部卒業後、結婚。ゴールドマン・サックス証券に入社。投資銀行部門で企業ファイナンス等に従事。入社半年で妊娠し1年で退社。その後女児を出産。USCPA(米国公認会計士)を取得後、日本ロレアルに入社。化粧品ブランドのヘレナルビンスタインの予算立案・管理を経験。夫の留学に同行し家族で渡米。1年間主婦をした後、MIT(マサチューセッツ工科大学)のMBA(経営学修士)を取得。帰国後離婚、以来シングルマザーとして働きながら子どもを育てる。帰国後すぐに投資ファンドのユニゾン・キャピタルに入社、企業投資を5年間経験後、2012年に起業。
木村治生(ベネッセ教育総合研究所副所長)
ベネッセコーポレーション入社後、初等・中等教育領域を中心に子ども、保護者、教員を対象とした意識や実態の調査研究、学習のあり方についての研究、教育市場(産業)の調査などを担当。文部科学省や経済産業省、総務省から委託を受けた調査研究にも数多く携わる。東京大学客員准教授(2007年、2014~16年)、文部科学省「中高生を中心とした子供の生活習慣づくりに関する検討委員会」委員(2013年)、「中高生を中心とした生活習慣マネジメント・サポート事業」における選定委員会委員(2017年)、光り輝く「教育立県ちば」を実現する有識者会議委員(2014年)、富山県学力向上対策検討会議アドバイザー(2014年)、草加市子ども教育連携推進委員会専門部会委員(2014年~)など。専門は社会調査、教育社会学。
林信行(ITジャーナリスト)
最新テクノロジーは21世紀の暮らしにどのような変化をもたらすかを取材し、伝えるITジャーナリスト。国内のテレビや雑誌、ネットのニュースに加えてソーシャルメディアで発信。また、コンサルタントとして、これからの時代にふさわしいモノづくりをさまざまな企業と一緒に考える取り組みも。iOSコンソーシアム顧問。一般財団法人 ジェームズ ダイソン財団理事。「あスコラ」ボードメンバー/コメンテーター。
石坂 貴明(ベネッセ教育総合研究所 BERD 編集長、「あスコラ」主宰)
アメリカでホテル開発に従事後、ベネッセコーポレーションへ移籍。ベネッセ初のIRT(項目反応理論)採点の検定試験開発、社会人向け通信教育事業ユニット長など主に新規事業に多く関わる。その後、移住・交流推進機構に出向し総括責任者として「地域おこし協力隊」制度など立ち上げに参画、2013年より現職。「
シリーズ・未来の学校 」、「
SHIFT」、「
CO-BO」、「
まなびのかたち」などをプロデュース。 グローバル人材のローカルな活躍、日本の伝統と学びのデザインに関心。
※プロフィールや所属団体等は取材時のものです。
【企画制作協力】(株)エデュテイメントプラネット 高藤さおり、山藤諭子、柳田善弘