メディアと
上手につきあうために

年齢とメディア

お子さんは今、どんな発達段階にあるのでしょうか?
メディアの見せ方を考えるときの参考にしてください。

大切にしたい3つのこと

2歳児の特徴​

言葉と動作の「やりとり」を楽しむ

平均的には、2歳前後で発話が始まりますが、言語の基礎として最も重要なのは、言葉を発する前の段階で、話題の対象を相手と一緒に見つめたり、「指差し」で対象を示す力が育まれていることです。こうした言語の基礎ができていれば、人とのコミュニケーションが可能です。その後の言語発達にも、「応答的」な相手に恵まれていることが必要条件です。「応答的」というのは、子どもの動作や声に対して言葉や視線、表情の変化、動作(うなずき、指差し、全身運動)などで積極的に応え、新たな子どもの言葉や行動を促進する働きかけです。この時期の子どもは、こうした応答性を豊かに含む遊びを楽しみます。
一般にテレビ・ビデオ・DVDは、現在のところ応答性がありませんが、一部のテレビゲームなどでは、プレイヤーの反応次第で応答が変わる「あらかじめプログラムされた応答性」が作られています。しかし、現実の人間の多様な「応答」に比べると、その質は貧しいといわざるを得ないでしょう。愛着の形成や認知発達において重要な、親子のコミュニケーションは、メディアで代用することはできません。この時期の子どもには、身近な人との体全体を使った遊びの時間をぜひ確保したいものです。
2歳児の特徴​

パタン認識や模倣能力の高さ

2歳の段階で、子どものパタン認識力は、ある意味で大人以上に発達しています。言語的にうまく説明できなくても、ある画像情報と、他の「似て非なる」画像情報を、的確に区別できるのです。また、人の動作や言葉を真似るのも上手になり、CMソングをひとりで覚え、歌ったり踊ったりできます。それだけに、模倣することで子どもを危険にさらすような刺激を与えれば、事故に結びつきかねません。特に、教育的な映像では模倣されて危険と思われる映像は流さないように、という規制があります。たとえ、音声ナレーションで「よい子はまねをしないでね」と注意をうながしても、視覚的情報のほうが優位に受け取られますから、危ないことを模倣する子どもは必ず出てくると考えられるからです。
ですから、子どもに見せる映像は、真似されると危険な内容を除くよう配慮しなければなりません。大人向けのドラマなどには、しばしば暴力シーンが突然出てくることがあるため、2歳児と一緒に見るのが不適切な場合もあります。特に夜9時以降の番組には、子ども向けの配慮が乏しくなりますので要注意です。おうちの方が、事前に番組内容をチェックするなどして、子どもと一緒に視聴してよいかを判断しましょう。