2017/02/02

東京都立国立高校の生物/大野先生が実践する「対話を通した学び」について事例研究を行いました。

住谷 徹
2017年1月下旬に、東京都立国立高校教諭 大野智久先生、武蔵野大学特任教授/千代田女学園中学校・高等学校副校長/日本アクティブ・ラーニング学会副会長 荒木貴之先生にご参加いただき、ベネッセ教育総合研究所の研究員も交え、大野先生の実践する、生徒同士が対話を通してオリジナルプリントの問題の解決に取り組む、生物の授業について事例研究を行いました。
 大野先生からは、授業デザインや4・5月のクラスの雰囲気作りとその考え方、プリントや定期考査など指導の工夫、その成果として、定期考査の平均得点や分布の変化(下図参照)などについてお話しいただきました。
 ディスカッションでは、荒木特任教授を中心に「生徒ばかりではなく、教員も自分の授業について生徒アンケートを行い振り返りをし、PDCAを実践している」「入試問題の分析を積極的にし、本質に迫る問題をプリントや定期考査で生徒に出題している点は、教科の深い学びの実現の仕方として、参考になるのではないか」など、授業のポイントや特徴など、他の学校の先生方に参考にしていただけそうな点について意見が出されました。
国立高校大野先生の生物の授業についての研究レポートは近日公開する予定です。
*上のグラフは,1年生で大野先生の「生物基礎」を学んだクラスの定期考査毎の平均点と得点分布を示したもの。回を重ねるごとに平均が上昇し,50点以下の層が激減し,70点以上の層が増えている。成績層にかかわらず、成績の伸長に大野先生の授業スタイルが寄与していることが示唆された。