2016/12/01

東京都立戸山高校のSSHの探究活動と1年生全員が履修する家庭基礎について事例研究を行いました

ベネッセ教育研究所 カリキュラム研究開発室
主任研究員 住谷 徹
 2016年11月8日(火)と9日(水)に、東京都立戸山高校指導教諭(SSH部主任/理科主任/化学)田中 義靖先生と教諭(SSH部/家庭)の荒井 きよみ先生、東京女子体育大学 教授 田中 洋一先生、東京学芸大学 准教授 北澤 武先生にご参加いただき、生徒が「自ら探究する授業」について事例研究を行いました。
荒井先生
戸山高校 荒井 きよみ先生
 冒頭に荒井先生から、戸山高校の独自アンケートで、SSHの生徒と非SSHの生徒それぞれが1年生から2年生で意識がどう変容したのかご報告いただきました。また、家庭基礎でSSHと非SSHの1年生全員を教えている立場から、それぞれの生徒の特長や違いを感じる点についてお話をいただくとともに、探究活動も含み、生活の基盤で、経済や歴史などを関連付けて学ぶ総合的な科目の家庭基礎について、狙いや教材作りの工夫などについてもお伺いしました。
田中先生
戸山高校 田中 義靖先生生
 戸山高校の田中先生からは、SSHの授業について、物理・科学・生物・地学・数学で共通した年間行事や3年間の流れをどのように考え、構成しているかについてお話いただきました。その後、生徒が自ら成長するようになった授業事例として、SSHの実践事例を「学ぶ機会をとにかく用意すること」を軸にお話いただきました。
 ディスカッションでは、「思い通りに行かないことが、深い学びの入り口になるのではないか」「今の評価の枠組みを超えた、取り組みになっている」「教えるのではなく、場を使って引っ張り上げるという方法ではないか」など様々な意見が出されました。戸山高校の研究レポートは近日公開する予定です。
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グラフ
*上のグラフは戸山高校が想定している「課題発見力」「課題解決力」などに関し実施した独自アンケートの結果の一部をグラフ化したもの。SSHの経験のある生徒のスコアは2015年5月(1年時)から2016年5月(2年時)で大きく上昇している。