2006/04/04

ベネッセ教育フォーラム2006 「ICTを教育現場にどう生かすか?」

全体概要

日時

2006年3月18日(土)

場所

さいたま市大宮ソニックシティ

主催

ベネッセコーポレーション

共催

独立行政法人メディア教育開発センター

後援

さいたま市教育委員会 伊勢崎市教育委員会
春日部市教育委員会

2006年3月18日、さいたま市の大宮ソニックシティにおいてベネッセコーポレーション主催「ベネッセ教育フォーラム2006」が開催された。学校現場および行政におけるICT教育の現状と課題を明らかにし、今後のICT教育による新たな可能性を探ることがねらい。会場には首都圏の教育委員会や小中学校および遠くは宮城県から、ICT教育に関心を寄せる多くの先生方および教育関係者にお集まりいただいた。


 現在、文部科学省では教育現場へのICT(Information Communication Technologyの略)の普及を進めているが、その浸透度は地域によって偏っているのが現状だ。特に東京、埼玉、神奈川、大阪など学校数・児童生徒数の多い大都市圏で普及率の低迷が目立つ。ICT教育の効果を示し、その普及を促すことは、国家レベルの課題になっている。いまこそ、具体的な施策、行政と学校現場の連携が求められている。

 今回のフォーラムは、こうした課題の解決に応える有意義なものとなった。
 独立行政法人メディア教育開発センター理事長の清水康敬氏による基調講演では、ICTの活用が学力向上に及ぼす効果について、豊富なデータに基づいたご説明をいただいた。

 文部科学省の嶋貫和男参事官に語っていただいた「次期ICT戦略」の施策では、今後一層進むであろう「学校の情報化」の具体像が示された。学校現場の先生方によるICTを活用した先進事例では、2校から発表があった。1校は、埼玉県春日部市立上沖小学校。もう1校は、群馬県伊勢崎市立境西中学校。さまざまな検証に基づいた実践事例報告は、ICTによる新しい教育の可能性を感じさせるだけでなく、新しい取り組みにチャレンジする先生方の熱意が伝わってきた。

 フォーラムの結びとして、玉川大学学術研究所教授の山極隆氏の講演があった。ICT教育だけに留まらず、事実やデータに基づいた施策と、結果を検証し公表することが、これからの学校教育に不可欠であることが話された。

 ICTが教育に及ぼすプラスの効果が示され、また、教師の熱意の大切さを示すことができた点で本フォーラムは意義深い取り組みになった。最後に、本フォーラムにご参加いただいた先生方、教育委員会の方々に対して厚く御礼申し上げたい。

講演録と資料

基調講演

学力とICT
独立行政法人メディア教育開発センター
理事長 清水康敬

講演2

次期ICT戦略における文部科学省の施策
文部科学省初等中等教育局参事官 嶋貫和男

ICT活用実践
事例報告1

情報活用能力の育成を図る学習指導法の研究
埼玉県・春日部市立上沖小学校 教諭 鷲林潤壱

ICT活用実践
事例報告2

ICTを使った小中連携の交流実践
群馬県・伊勢崎市立境西中学校 教諭 高橋勝利

講演3

「教える職人」としての教師の役割
玉川大学学術研究所教授 山極隆