2014/12/16

子ども・子育て新制度がスタートすることにより、 保護者の園選びが大きく変わる ~第2回少子化社会と子育てより 研究員の目~

ベネッセ教育総合研究所 『これからの幼児教育』編集長 橋村美穂子
 2015年春からスタート予定の「子ども・子育て支援新制度」。しかし、スタートまで半年を切った現在も、今後、子育て支援や園の何が変わるのかわからないという声も聞かれます。そこで今回、「子ども・子育て支援新制度」を園・家庭への影響の視点からとらえるため、無藤隆先生と大豆生田啓友先生のお二人におはなしを聞きました。
 先生がたの話で驚いたことは、今後、首都圏において、「入りたい園を保護者が選ぶ時代になる」と予想されることです
 園が選ばれることを意識して教育の質を高めるとしたら、子どもにとってよいことであると思います。また園の取り組みをPRすることで「乳幼児期の教育や保育」に対する関心が高まるでしょう。
 ただ、懸念もあります。幼児教育や保育が「目に見えにくい教育方法」であるため、保護者にわかりやすいサービスや教育内容をPRする園が増えることも考えられることです
 そこで課題となるのは2つ。1つは、保育や幼児教育が大事にしてきた本質が保護者に伝わっていかないこと、2つめはそのようなサービスや教育内容こそが「乳幼児期の教育」だと保護者がとらえてしまうことです。
 だからこそ、大豆生田先生のお話の中にもあるように、これからますます家庭との連携が重要になるでしょう。エピソードで子どもの育ちや先生の思いを伝えたり、写真で保育の様子を視覚的に伝えるなど、保護者がより保育内容を実感できる伝え方の工夫が求められます。

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