エピソード 研究会メンバーのICEとの出会い 主体的学び研究所 花岡 隆一
1.「教え込み(教授主体)から、主体的な学び(探究主体)に学びを変える」必要性が高まったと感じる、ご自身の経験。
今日「受験学力」を得たリーダーたち*は、人としての正しい生き方を示すことができないで社会を混乱させていると言っても過言ではないと思います。
それは、「想像力を学びのスタート」**(ノースロップ・フライ)とした人々こそが異質な価値観をも受け入れて真の豊かさを追求していると感じるからです。
それは、「想像力を学びのスタート」**(ノースロップ・フライ)とした人々こそが異質な価値観をも受け入れて真の豊かさを追求していると感じるからです。
日本には荻生徂徠、安藤昌益、富永仲基、石田梅岩のような人たちを輩出する学びが存在していました(自分が持っているinnateな能力を育てて、問題の意識化を図った)。「この瞬間に求められる授業」から「上級学校を受ける時に問われるかもしれない問いに答えるための学習」になってしまった。(寺崎昌男)
欧米では今でも個人の資質を引き出すことを大切にしているので、鍛えられていく学びができているように思います。自己肯定感が他国に比べて日本の高校生は低いというのは「教えられたもの」からの脱皮ができていないという自覚がどこかにあるからではないかと考えます。このことは指導のあり方の本質的なところの問題でもあります。
* 「なぜ日本にはベンチャーが生まれないか?」→ ベンチャーの特性を考える。
不確実性を受け入れる(Tolerance for uncertainty)/ 変化を好む(Openess to change) / 他人への思いやりの深い人(Genuine concern for other people)/ 超楽観主義( Unjustified optimism)/ 世の中に違いを生み出せると信じている人(Make a difference)
→ ベンチャーは常識を疑うから、未知に挑戦する。
不確実性を受け入れる(Tolerance for uncertainty)/ 変化を好む(Openess to change) / 他人への思いやりの深い人(Genuine concern for other people)/ 超楽観主義( Unjustified optimism)/ 世の中に違いを生み出せると信じている人(Make a difference)
→ ベンチャーは常識を疑うから、未知に挑戦する。
** 想像力が働くことで問題が意識化される。学ぶことの動機となる。「「Pre E」である。「Pre E」がないと本当のIにはならない。」「思っていない生徒にも、問いを立てたくなるような環境を与える。これが問題であると感じること。「Super E」です。」(柞磨昭孝)
2.先生方にとってフレームワーク(ICEモデル)が有効と感じた理由。
「学ぶことの意味や意義は単に知識やスキルを習得することではなく、学びの主体として、アイデンティティを形成し、生涯にわたってそれを成長させていくことである。自尊感情を高め、自分の存在意義をより確かなものにすることができる。学ぶものが、学びを通して他者と作用しあい、価値を作り出し、共有するということが重要である。教育の本来の目的は、一人ひとりの持っている個性的な能力・資質を育てることです。」(柞磨昭孝)
私が座右の銘としている言葉です。このことを想像的に、発見的に推進できるプラットフォームがI C Eモデルではないかと考えます。なぜか?
I C Eは柞磨先生の記述した学びの原点から決してずれることがないので、そのことを信じる限りは生徒と先生のコミュニケーションを促します。
I C Eは柞磨先生の記述した学びの原点から決してずれることがないので、そのことを信じる限りは生徒と先生のコミュニケーションを促します。
同様なフレームを米国ブリガムヤング大学が「レトリカルシンキング、ライティング」の4年間の学びを通じて、学生と教師の間で共有しています。
人はどう学ぶか、ということについての枠組みです。こちらも日常になると生涯使い続けるフレームになります。(人が生きるということはレトリカル・シチュエーションそのものであると教えます。)
人はどう学ぶか、ということについての枠組みです。こちらも日常になると生涯使い続けるフレームになります。(人が生きるということはレトリカル・シチュエーションそのものであると教えます。)
3.授業デザインに必要な「問いかけ」の具体的な事例(単元やその時の問いの事例)。それを作るために工夫していること。
「自分で問題を作ることなく過ぎると、問題は与えられるもの、その答えは教師が知っているものという習慣がついてしまう。」(鶴見俊輔)
「ビジョナリーカンパニー」(ジム・コリンズ)には長期で成長を続ける企業に共通しているものは、「Big Audacious Goal」と分析しました。自分は社会のために本当に必要か?という究極の問いかけです。
柞磨先生はこれを「Super Extensions」と命名しました。「授業デザインでは、どこを生徒に考えさせるかは教師の力である。つまり教師がSuper Extensionsを持っているかどうか、この問いを出せるかどうかで授業の質が決定する。」(柞磨昭孝)
杉田先生がずっとEへの挑戦をし続けているのはこのことだと思います。「教師である自分の生き方はこれで良いのか」と杉田先生は問われます。このことがとても重要な態度であると思いました。
さらには酒井先生の大事にされている問い「Aであるにもかかわらず、Bなのはなぜか?」も生徒に深い洞察を促すものであると思います。
もう1つ「転」「破」の問いは柞磨先生が繰り返し強調されることですが、とても重要ですが、教師の努力が要求されます。柞磨先生はこれを授業の中での思いつきではなく、先生が戦略的に考えてルーブリックに記述しなさいと言われます。とても高いスキルが必要ですので、この具体的な議論をもっとしたいと思います。
4.学校や教科を超えて語る研究会を通して気づいたこと。研究会への期待と課題。
小林さん、佐藤さんには120%のご負担をおかけしてしまい申し訳ありません。心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。
熊本二高での研究会を含めて質の高い成果が積み重ねられたと確信します。
熊本二高での研究会を含めて質の高い成果が積み重ねられたと確信します。