多発する「交流サイト」犯罪、ほとんどの親が注意せず -斎藤剛史-

携帯電話に加えてパソコン並みの機能を持つスマートフォン(スマホ)の普及により、情報化の進展は目を見張るばかりです。その一方で情報化の影の部分とも言えるのが、コミュニティーサイトなどを利用して子どもを狙った犯罪です。子どもが犯罪に巻き込まれることを防ぐためにも、保護者にはスマホの機能や、サイトを利用するうえでの防犯対策などに関する最低限の基礎知識や心構えが必要でしょう。

これまでインターネットを利用した子どもに対する犯罪は、いわゆる「出会い系サイト」が中心でした。しかし、2008(平成20)年12月に出会い系サイト規制法が施行されてから、この種の犯罪の場は一般のコミュニティーサイトに移っています。
警察庁の2012(平成24)年の上半期(1~6月)を対象にした調査(外部のPDFにリンク)では、出会い系サイトによる被害児童は124人だったのに対して、コミュニティーサイトによる被害児童は509人で、約4倍に上っています。子どもが出会い系サイトにアクセスしていないからといって、安心はできないのです。

いたずらに不安をあおるわけではありませんが、世の中は善人ばかりではありません。同調査によると、コミュニティーサイトを利用して子どもを狙った被疑者483人が起こした延べ599件の事件の犯行動機は、「児童との性交」が73.8%、撮影など「児童のわいせつ画像の収集目的」が14.4%、「児童と遊ぶため」が7.8%などでした。つまり事件の96.0%が、最初から子どもと直接的に接触することを目的として、子どもが多く参加するコミュニティーサイトを利用していたというわけです。
このような犯罪に子どもたちは、大変に無防備です。被害に遭った子どもの回答を見ると、当該サイトを利用した理由は、「無料だから」が45.9%、「友達のすすめ」が26.9%などで、ごく気軽に利用していることがうかがえます。これに対して被疑者たちは、「メールの返信が来たから」(23.3%)、「性交できそうだったから」(22.0%)などの理由で子どもたちを選び、約半数がサイトで知り合ってから2週間以内に犯行に及んでいます。

一方、被害児童のうちインターネット利用上の注意などを学校で「教えてもらった」という子どもは36.8%、「教えてもらったが、自分は大丈夫だと思っていた」のが25.3%などで、多くの子どもが学校で情報教育を受けているにもかかわらず、犯罪に遭っています。
そうなると重要なのは保護者の対応ということになりますが、被害児童の63.0%が保護者から注意を受けていないと回答したほか、注意を受けていても一般的なものだったり(17.4%)、子どものほうで無視したり(10.9%)という例もありました。さらに、有害サイトなどへのアクセスを制限するフィルタリングには93.8%が加入していませんでした。

子どもが情報化社会を安全に、かつ積極的に生きていけるようにするためには、いかに適切なアドバイスができるか、保護者の対応が大きなカギとなっていると言えるでしょう。


プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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