2015/09/25

「アジアの初等英語教育はどうなっているのか①-英語が第三言語になった都市・香港-」

グローバル教育研究室 室長
加藤由美子
次期学習指導要領の改訂に向けて議論が行われてきた文部科学省教育課程企画特別部会(第7期)の論点整理(案)が出されました。その中には、小学校5・6年生で外国語(英語)を教科として系統的に指導すること、小学校3・4年生で外国語活動を導入することが盛り込まれています。2020年に小学校で教科として英語が指導されることが開始すれば、1990年台前半に実験的に小学校で英語活動が導入されてから約30年の歳月を経てようやく初等英語教育が実現することとなります。
初等英語教育の日本の緩やかな動きに対して、アジア諸国での動きは激しく、小学生への英語教育熱もたいへん高いです。そのようなアジア諸国の初等英語教育をARCLE理事であるアレン玉井光江先生(青山学院大学)は視察を続けながら研究してこられました。そこで、今回から3回に渡り、その視察報告をARCLEコラムでご紹介していきます。
その第1回は、「香港」です。香港はシンガポールやインドのように英語が公用語として使われているようなイメージがあるかもしれませんが、1997年の中国返還後は、英語で行われていた授業が広東語で行われ、また大学進学や就職にはマンダリン(標準中国語)が重要になり、香港の人にとって英語は第三言語になったのだと思う、とアレン玉井先生は語られています。その結果、香港の初等中等の英語教育に起こったことは何か、また、その中で重要な役割を果たしているものは何か、日本の初等英語教育への示唆も併せてアレン玉井先生独自の視点で執筆してくださいました。アレン玉井先生のリテラシー教育に関する過去の連載コラムと併せて、ぜひご一読ください。

■これまでの掲載記事【過去のコラム】

『英語のつまづきはアルファベットから!?』~大人が気がつきにくい落とし穴~