世界大学ランキング、日本勢が振るわないのはナゼ?

英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は、「世界大学ランキング2018」を公表しました。
日本トップの大学である東京大学は前年の39位から順位を落として46位と過去最低となりました。ランキング(1,000位以内)には日本から71校が入っているものの、上位200位以内に入っているのは東京大学の他には京都大学の74位(前年91位)だけです。
なぜ日本の大学の順位は伸びないのでしょうか。

日本の大学には不向きな評価基準

THEの大学ランキングは世界的にも権威があり、主要国の有名大学がランキングをめぐってしのぎを削っています。日本政府も大学改革の一環として、2023(平成35)年までに世界ランキング100位以内に日本の大学を10校ランクインさせるという目標を掲げていますが、その目標実現は非常に困難であるのが実情です。
しかし、その理由は日本の大学の実力不足ばかりとは言えません。

そもそも大学をランク付けすること自体に意味がないという意見も大学関係者の間には根強くありますが、グローバル化の時代には何らかの指標は必要でしょう。
ランキングの1位はオックスフォード大学(英国)、2位はケンブリッジ大学(英国)、3位はスタンフォード大学(米国)とカリフォルニア工科大学(米国)で、トップ10はほぼ英米の大学で占められています。

THEのランキングは研究力や国際性などに重点を置いた13指標で決められており、教育に重点を置く日本の大学の評価には不向きです。また、外国人の教員比率、論文の被引用数など国際化の面でも、日本の大学は日本人教員が中心で日本語の研究論文が多いという点が大きなマイナスになっています。

ただ、同じアジア圏でもシンガポール国立大学や北京大学などは東京大学よりも上位にランクされており、日本の大学がグローバル化に乗り遅れているというのは事実なようです。

予算削減など日本の大学政策にも原因が

これに対して文科省は、スーパーグローバル大学創成支援事業を展開し、旧帝大系など13大学を、世界100位以内を目指す「トップ型」に指定して、重点的に予算を配分していますが、あまり大きな成果は得られていないのが現実です。

一方、国立大学の主要財源である国からの運営費交付金は年々削減が続いている他、私立大学への私学助成も実質的に減少しています。大学教育全体の予算を削り、一部の大学に少しだけ財源を上乗せするという現在の政府の大学政策は、必ずしもうまくいっているとは言えません。日本の大学の世界ランキングの低迷は、日本の大学政策にも大きな原因がありそうです。

とはいえ、世界大学ランキングは一般の受験生や保護者にとって、あまり縁のない存在でしょう。
THEは、教育力などに重点を置いて評価した「世界大学ランキング日本版」を作成しています。こちらの順位は、1位が東京大学、2位が東北大学、3位が京都大学、4位が名古屋大学と東京工業大学などとなっています。大学選択などの参考にしてみてはいかがでしょうか。

※world university rankings 2018 world rank
https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2018/world-ranking#!/page/0/length/25/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats

※THE世界大学ランキング 日本版
https://japanuniversityrankings.jp/rankings/

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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