大学入試での英語検定ぞくぞく活用 全面導入に向け

大学入試シーズンも最終盤ですが、文部科学省の進める「高大接続改革」に従って次年度以降、入試の在り方は大きく変わっていきます。その一つとして注目されるのが、英検やGTEC、TOEFLなど英語資格・検定試験の活用です。

実施団体の情報サイトに注目!

英語資格・検定試験の実施団体が運営する「英語4技能試験情報サイト」はこのほど、入試に活用している大学の情報を更新しました。一般入試で私立7大学、推薦・AO入試で国私立6大学の情報を新たに加えています。

一定の級・スコアを試験の点数に換算するというのが、一般的な形です。たとえば福岡大学(福岡市)では、「大学入試センター試験利用入試」「センタープラス型入試」で、センター試験の英語に替えて、英検準1級、GTEC CBT1,250点、TOEFL iBT72点を満点に換算するなどの措置が受けられます。

英語のできるグローバル人材の卵を、積極的に受け入れたいという大学もあります。中京大学(名古屋市)では、2017(平成29)年度から「グローバル特別入試」を始め、各学部の一部定員について、資格・検定試験での一定の成績などを出願要件としています。経済学部や経営学部、総合政策学部、工学部で英検準2級以上、GTEC for STUDENTS440点以上、TOEFL iBT34点以上など、学部によって点数が指定され、面接などを加えて選抜が行われます。

広島大学では、推薦・AO・特別選抜などを「AO入試」に一本化したのに合わせて、級・スコアによって60~2点の加点が受けられる評価方式も導入しています。
同サイトでは、地域ごとに導入大学の情報が得られるようになっています。

センター後継試験の下では受検が必須に

文部科学省によると、大学入試で資格・検定試験を導入する大学は、2013(平成25)年度の段階で、語学関連以外の学部でも、推薦入試で173大学、AO入試で106大学、一般入試で18大学ありました。この数値は現在、もっと増えていることは確実です。

センター試験の英語では、英語4技能のうちリーディングとリスニングしか問われません。一方、2020(平成32)年度からセンター試験に替わって創設される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、資格・検定試験の受検料を下げるなどしたうえで、ライティングとスピーキングの評価を任せるだけでなく、将来的にはリーディングとリスニングも資格・検定試験に一本化する方針を打ち出しています。

いずれは資格・検定試験の受検が必須になるわけですが、それまでは4技能ができなくてもよいというわけではありません。一定の級・スコアを取得していれば、大学入試での可能性が広がることは間違いありません。

何より入学後は、グローバル時代を迎えて、どんな学生にも「使える英語」の習得が求められることになります。あるいは、飛び抜けて英語ができる友達と一緒に学び、討論しなければなりません。

小中高の授業でも今後、4技能ないしスピーキング(話すこと)を「やり取り」と「発表」に分けた5技能の習得に、力が入れられます。資格・検定試験は、そのための有効な手段になるのです。各団体には、初級段階も含め、受検料や会場設定など、受検しやすい環境整備を求めたいものです。

※英語4技能試験情報サイト 新着情報(2017.02.08)
http://4skills.jp/selection/case_admission.html

※2013年度の資格・検定試験活用大学(「高大接続システム改革会議最終報告」参考資料)
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/06/02/1369232_04_2.pdf

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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