音楽を聴きながら勉強してもいい? メリットや効果と注意点を解説
中学生や高校生になると、音楽を聴きながら勉強をする人も増えてくるかもしれません。しかし、保護者は、「音楽を聴きながら勉強して集中できるの?」と心配に思うこともあるのではないでしょうか。そこで今回は、音楽を聴きながら勉強することのメリットと注意点についてまとめてご紹介します。
気分を高めてモチベーションアップ? 音楽を聴きながら勉強することのメリット
音楽を聴きながら勉強することには意外なメリットが多くあります。以下の4つをご紹介しましょう。
【メリット1】気分が高揚し勉強が楽しくなる
好きな音楽は気分を高揚させる効果があります。勉強になかなか気が向かなくて沈んだ気持ちになっているときも、音楽を聴くことでテンションをアップさせ、やる気とエネルギーを湧き上がらせる効果が期待できます。また、明るい音楽は眠気覚ましにも有効です。
【メリット2】リラックスして勉強できる
音楽のリラックス効果によって、心地よく勉強に取り組める場合もあります。この方法は医療現場でも実践されています。例えば、国内外問わず多くの手術現場では、執刀する教授や助手の看護師がリラックスしてオペに臨めるよう音楽が流されています。
【メリット3】集中力や記憶力が高まる場合がある
リラックスや集中力に関わるアルファ波の発生を促す音楽は、集中力や記憶力を高める効果もあると科学的に証明されています。例えば、落ち着いたクラシック音楽や静かなジャズなどは特にアルファ派の発生を促すとされ、勉強に生かせると言われています。
【メリット4】雑音をシャットアウトする
音楽を聴くことで周囲の話し声や雑音を遮断でき、勉強により集中できる環境をつくれます。この現象は音楽の「マスキング効果」と呼ばれています。
音楽を聴きながら勉強する場合の注意点
多くのメリットがある一方、音楽を聴きながら勉強することには注意点もあります。
第一に、音楽の種類や状況によっては、集中を妨げることもあります。音楽を聴きながら勉強するということは、視覚と同時に聴覚も使っているということを意味します。従って神経を同時にふたつのことに使うことになるため、集中力が分散されて半減してしまいます。
特に暗記をする場合は、暗記する内容以外の情報が頭に入ってきて効率が落ちるため、音楽を聴きながらの勉強が適さない場合が多いです。
また、勉強をしているはずなのに音楽の方ばかりが頭に入ってくる、という経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか。特に歌詞のある音楽や激しすぎる音楽は注意が必要です。音楽を聴きながら勉強する場合は、歌のないインストルメンタルの楽曲や、リラックスしやすいクラシック、ジャズなどがおすすめです。
また、「必ず音楽を聴きながら勉強する」という環境に慣れるのもあまりよくありません。そうした状況に慣れると、音楽がないと逆に集中できなかったり、モチベーションが上がらなかったりという事態にもなりかねません。実際の授業やテストは静かな環境で行われます。「音楽がないと集中できない」と言っていては、そうしたときに実力が発揮できなくなってしまいます。
音楽を上手に勉強に活用しよう
音楽を聴きながらの勉強には人によって向き不向きがあります。音楽を聴きながらだと勉強に集中できないという実感のある人は、勉強の仕方を考え直した方がいいかもしれません。
逆に、もし静かすぎる環境だと勉強がはかどらないという場合は、音楽を勉強に活用してみてはいかがでしょうか。集中力がアップするかもしれませんよ。
「音楽を聴きながら勉強していたけれど、気がついたら集中して、何の音楽を聴いていたか覚えていない」となれば、理想的な状態と言えるでしょう。
また、集中力を継続するためのコツは、「わからないところは、すぐに解決する」ということも挙げられます。音楽などを有効活用し集中力アップの環境を作っても、わからない問題でつまずき、時間を費やしているうちにどんどん集中力が低下してしまうので、すぐに質問できる環境を整えることも大切です。「わからないところは、すぐに解決する」という学習のクセをつけることも、集中力を維持するためのポイントですよ。
参考:
どうしても勉強に集中できない!そんなときは…音楽の効果を知ってメリハリ集中法
http://benesse.jp/contents/benkyou-shuchu-ongaku/index.html