子どものオンラインゲーム、大丈夫ですか? ‐渡辺敦司‐

お正月のお年玉で、通信機能付きのゲーム機器を買ったお子さんも少なくないかもしれません。急速に子どもに普及しているスマートフォン(スマホ)でも、オンラインゲームのアプリケーション(アプリ)が充実しています。しかしオンラインゲームは使い過ぎによる高額の請求などトラブルも多く、独立行政法人国民生活センター(外部のPDFにリンク)には契約当事者が未成年である相談(2013<平成25>年11月15日現在)が前年同期に比べ2.5倍(1,341件)も寄せられており、しかも低年齢化が進んでいるといいます。トラブルの実態はどうなっているのでしょうか。

寄せられた相談から未成年者の年齢を前年度と比較すると、16歳以上の割合が大幅に下がる一方、それ以外の年齢帯では増加しています。平均年齢も13.3歳から12.4歳に下がりました。小学生はもとより「5歳以下」でも増えていることには、注意が必要です。
相談のあった未成年者の平均契約購入金額は約23万円で、成人を含めた平均の約21万円を約2万円も上回っています。しかも10万円以上100万円未満の相談件数が増えているという、トラブルの高額化も起こっています。100万円以上というトラブルも毎年、何十件かあるというのですから深刻です。

こうしたトラブルに拍車を掛けているのが、クレジット決済です。相談のうち支払い手段の70.8%をクレジットカードが占めています。相談事例によると、有料オンラインゲームをしたいばかりに、子どもが親や祖父母のカードを無断で持ち出したり、保護者が一度入力したパスワードを何度も使ったりして、高額の請求に至るケースが多く見られます。画面上で決済ができてしまうため、どうしてもお金をやりとりしているのだという意識が薄くなっているようです。同センターでは「子どもは、大人が思っている以上に、友達やインターネット等から多くの情報を収集している」「家族で共有するタブレット等の端末でオンラインゲームを親子で楽しんでいる場合には、子どもは大人の利用する姿をよく見ている」と注意を促しています。

消費者へのアドバイスとしては、

▽親子でゲームについて確認し、話し合う
<1>スマートフォンやゲーム機の機器やゲームの仕組みについて確認する
<2>子どもが遊んでいるゲームが、無料なのか、有料なのか、有料ならば何が有料なのか、再確認する
▽大人はクレジットカードの管理について、注意する
<1>自分がどこにしまっているか、確認する
<2>利用明細を毎月確認する
▽トラブルにあった場合は、親子で最寄りの消費生活センターに相談する

……を挙げています。

当サイトでもファイナンシャル・プランナーの宮里惠子さんがオンラインゲームのトラブルについて解説していますから、併せて読んでおくことをおすすめします。そしてゲームのやり過ぎや高額請求は、決して子どもだけの問題でないことは言うまでもありません。


プロフィール


渡辺敦司

著書:学習指導要領「次期改訂」をどうする —検証 教育課程改革—


1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。初等中等教育を中心に、教育行財政・教育実践の両面から幅広く取材・執筆を続けている。

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