【うちの子奮闘記】頑固な息子の気持ちをノせる秘策! 【うちの子奮闘記】頑固な息子の気持ちをノせる秘策!

2023.10.11

【うちの子奮闘記】頑固な息子の気持ちをノせる秘策!

ベネッセのノボさんです。長年、教材を作っております。
慎重で、自分の気持ちを表現したり、理由を説明したりすることがちょっと苦手な、小学校高学年のうちの子。
そんなうちの子が、低学年だった頃に実践していた秘策や、現在の状況をご紹介します!

頑固なうちの子を勉強に向かわせる秘策!

ノートをとる人と内容を指さす人

我が子を「勉強に向かわせる」。
どうしたら勉強してくれるのか、おうちのかたなら誰もが悩むことかと思います。
こだわりの強いタイプのお子さんだと、なおさらですよね。我が家も例外ではなく、息子が低学年の頃は、毎回いろいろトンチを効かせて試していました。
試行錯誤する中で成功したこともあれば、もちろん失敗したこともあります。
低学年の頃に実践していた成功・失敗談がコチラ。

逆効果だったこと:しかる、怒る

よくないなんてことはわかっていますが、まあ、やってしまいますよね(笑)。
職業柄、こういう言い方をすると勉強が嫌いになるなんてことは百も承知ですが、やっぱり言ってしまうものです。
ところがうちの子の場合、効果がなかったどころか、逆効果でした。

「コラ! いい加減にチャレンジやりなさい!」
「ヤダ!! もっと遊ぶ!!!」

「宿題やらないと、先生に怒られるぞ!」
「ヤダ!! 今これやってるから!!!」

嫌々でも勉強するならまだマシですが、言えば言うほど絶対にやりません。これでは誰も得をしていません(笑)
この作戦は、早々に諦めたのでした。

一時期効果のあったこと:「パパやっちゃうぞ」作戦

これは、一時期効果がありました。
「じゃあパパがチャレンジやっちゃおーっと。うっひょー、おっもしろーい!!」
「ダメ! ○○くんのチャレンジだよ!!」

よくやるやつですね。
味を占めたわたしは、ほかのシーンもこの作戦で乗り切りました。
食事にこない→「じゃあパパがパン食べちゃおーっと。いただきまーす!!」
寝ない→「じゃあ代わりにパパが寝ちゃおーっと。おやすみなさーい!!」
学校に行かない→「じゃあ代わりにパパが学校いっちゃおーっと。行ってきまーす!!」

よくやるやつですね。
味を占めたわたしは、ほかのシーンもこの作戦で乗り切りました。
食事にこない→「じゃあパパがパン食べちゃおーっと。いただきまーす!!」
寝ない→「じゃあ代わりにパパが寝ちゃおーっと。おやすみなさーい!!」
学校に行かない→「じゃあ代わりにパパが学校いっちゃおーっと。行ってきまーす!!」

ただ、うちの子もだんだん慣れてきちゃったんですよね。
「パパ学校いっちゃおーっと。行ってきまーす!!」
「.........」

ランドセルを背負って家の前にたたずむお父さん

ランドセルを背負って家の前にたたずむアラフィフのオッサン。ご近所から変な目で見られるかも!? これではイケマセン。

比較的長く効果のあったこと:ボケる

アイディア

割と長く効果があったのが、ボケること。

「じゃあパパがチャレンジやっちゃおーっと。25-17は...ひゃく! 32-21は...ひゃく!」
「ちがうよ! 100じゃないよ!!」

答えをぜんぶ100で解き始めるとか、国語の文章をおもしろく間違えて読むとか、嫌でもツッコミたくなるネタフリをしました。
小2くらいだとボケとツッコミのおもしろさがわかるのか、かなり勉強に向かうキッカケになりました。
勉強以外でも、こんな感じ。

マスク着けるのを嫌がったら...。
「ダメダメ! ちゃんとマスクして!」(目を隠すようにマスクをつける)
「ちがうよ! マスクはお口だよ!!」

服を着るのを嫌がったら...。
「ダメダメ! ちゃんと服を着て!」(ズボンを頭にかぶせる)
「ちがうよ! ズボンは足だよ!!」

歯を磨くのを嫌がったら...。
「ダメダメ! ちゃんと歯を磨いて!」(歯ブラシの柄で鼻をほじる)
「ちがうよ! 鼻じゃないよ!!」

これはひとつひとつネタを考えなくてはならないので大変ですが、それなりにうまく行きました。

うちの子の場合、もともとやらなくちゃいけないという意識はある。が、あまのじゃくなので、やれと言われるとヤダと言う。一度言ったら曲げられない。
気持ちを切り替えるキッカケをどう作るかがポイントなのだなあ、と実践しながら気づいたのでした。

初めての場所が苦手な息子でも安心できる秘策

うちの子は非常に慎重なタイプなので、初めての環境や、いつもと違うパターンがニガテ。
「ヤダ! やらない!!」となってしまいがちです。
このモードに入ってしまうと本当にやっかいなので、小さいころから色々試していました。
一番うまくいって、定番化しているのが、「手順書」です。

例えば、低学年の時はこんな「手順書」を作っていました。

手書きのイラスト入りの今日予定をまとめた手順書

簡単なイラストを入れていますが(職業柄、ですね)、文字だけでも十分だと思います。
これを当日朝、できれば前日に説明して、渡しておきます。
とにかく見通しが立たないと不安になってしまうのですが、予定がわかり、それが手元にあるという安心感で、かなり落ち着いて行動できるようになりました。

説明のときは、「いち! クルマでおでかけ。に! パパ、バイバイ、先生とこんにちは」と、ひとつひとつ読み上げるのがポイント。
あまり細かい説明はしませんし、「わかった?」とか「大丈夫?」とか確認もしません。読み上げて渡すことで、「そういうもんだ」と、スッと入るようでした。

このやり方、ある療育で、その日の予定をホワイトボードに掲示していたのがヒントです。
そのときの先生に話を聞いてみると、「見通しが立たないと不安になる子が多い」「聞いただけでは理解が難しくても、目で見れば理解できる子も多い」ということで、よく用いられる手法とのこと。
これをマネして取り入れたのが、この手順書です。

話はちょっとそれますが、うちの子をあるプログラミング教室に連れていったとき。
やはり初めての環境でうまくなじめず、ホワイトボードにひたすら落書きしているという有様でした。

ある先生は「○○くんは何に興味があるんですか? そうですか、クルマですか!」と気を使ってくださり、「ホラ、一緒にクルマ作ろうよ!」と頑張ってくれたのですが、まったく興味を示しません(先生ゴメンナサイ)。
それを見ていたベテランの先生は、「○○くんはどんなタイプなんですか?」と、わたしに少しヒアリングすると、ホワイトボードにまさに手順を書き始めたのです。

その日の予定をホワイトボードにまとめる人

先生が手順を説明した後に「じゃあやるよー」と声をかけると、うちの子も魔法のように興味津々で取り組みはじめるじゃありませんか!
あとで伺ってみると、その先生は療育施設で働いていたこともあるとか。やっぱりこういうやり方って、知っているのと知らないのとでは大違いですよね。
まさに「知は力なり」を、実感したのでした。

そして高学年になり…

事前に画像を検索して行く先のイメージを親子で共有

そして3年が過ぎ。今は息子も高学年になり、手順書を作ることはなくなりました。
ただ、初めての場所に行くときは、やはり不安なようです。「明日は○○行くよー。こんなところだよ」と、画像検索した結果を見せることはよくあります。
たいていの場所は検索すれば画像が出てくるので、イメージしやすいですよね。便利な時代になったものです。

肝心の勉強も、もともとルーティンにこだわるタイプなので、「○○の前に宿題」のようにルーティングに組み込むことで、大分スムーズに取り組めるようになりました。

どこの子でもそうだと思いますが、それでも動画やゲームに夢中になって、勉強に向かえないときはあります。そんなときは「うわー、ずっとゲームやってる! 悪いんだー!!」のように、ストレートに、ただしノリよくおもしろく伝えるようにしています。
今は勉強する時間だということは、本人が一番わかっています。いかにやる気を削がずに、それに気づかせるか、ですね。

まとめ

グータッチ

今回、子どもが低学年だった頃のことを振り返って、「気持ちを切り替えるキッカケをどう作るか」という部分に、我ながらいいこと言っていたなあ、と感心してしまいました(笑)。 毎回うまくはいきませんが、いろいろ試して半分ぐらいうまくいけばいい、ぐらいの気持ちで、これからも付き合っていこうと思います。