小児科医が実践している、健康レベルが決まる食事法とは?

「毎日の食事が健康な体と体を作る」。わかってはいるものの、なんとなく「ヘルシー」のイメージだけで食材を選んだり、つい自分好みのものばかり食卓に上げてしまったりして、本当に今の食事でいいのか不安に思っている保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、健康で免疫力の高い子どもを育てる食事法について、子育て食についての本を著した小児科医の伊藤明子先生にお話を伺いました。

健康的な食事がわかっていると不調のリスクを下げられる

私は小学校中学校時代を父の仕事の関係でイギリスで過ごしました。小さい頃から料理が好きで関心があったため、学校主催の料理コンテストに参加したり、家に友人を招いて自分の料理を振る舞ったりということをしていました。
その後、日本に戻ってきて同時通訳として働き、出産・子育てをしながらも「食べたものが体を作る」ということにずっと関心を持ち続けていたため、「食事を中心とした自然な方法で健康をつくる」という子育てを意識していました。

下の子どもは今、大学生ですが、食卓に野菜がないと「今日はおかずに野菜がない!」と文句を言います。もちろん、彼らも買い食いはしますし、ジャンクフードを食べることもあります。一方で、ジャンクフードを食べ続けていると、健康的な食事を摂っている時と比べ、イライラしやすかったり疲れやすかったりと、実感として体調が悪くなるのがわかるようです。すると、「鉄分が足りてないな」「タンパク質を摂らないと」などと言って、足りない栄養素を補う食事を自らすすんで作るようになりました。
これは、自分に何が足りていないのか、そして何を食べれば調子がいい状態に戻るのかわかっているからできることだと思います。

ふだんから心がけたい、健康的でバランスのいい食事の目安

子どもの頃からバランスのいい食事を心がけていると、自然と自分の体調管理にも役立てられます。
では、バランスのいい食事とは一体どういうものでしょうか。大変そうに聞こえますが、実はとても簡単です。

基本となるのは
・タンパク質(卵、魚、肉、大豆製品)を十分量、摂ること
・野菜をしっかり食べること
・体にいいオイル(オリーブオイル、オメガ3系のえごま油や亜麻仁油など)を摂ること
・塩分を控えること
・真っ白いご飯やパンなどの単純炭水化物を摂りすぎないようにすること
の5つです。

とくに、現代は大人も子どももタンパク質不足のかたが多くいらっしゃいます。
成人に必要なタンパク質の量は一日60g以上。子どもの場合は1~5歳で25g、6~7歳で35g、8~9歳で40gが目安です。これを食材にすると、大人の場合は毎食100g弱、子どもはその1/3程度のタンパク源を摂りたいと覚えておくといいでしょう。

気をつけてほしいのは、大豆製品に含まれるタンパク質は食材の1/10程度しかないということ。豆腐半丁(100g)なら10gくらい、豆乳は100ml飲んでも10gしか摂れないため、お豆腐や豆乳だけでは蛋白が足りません。
おすすめなのがタンパク源の卵、魚、肉、大豆製品の中から毎食2種類のタンパク源を摂る方法で、卵と魚、肉と魚、豆腐と魚など組み合わせて摂れるといいですね。

ナーバスな「無菌子育て」ではなくワイルドな子育てを!

保護者のかたは、まわりの情報に振り回されてしまうことも多いかもしれませんが、どうかナーバスになりすぎないよう健康な子を育ててほしいと思います。

ここでいう「健康」とは、「病気にならない環境」の中で「健康を守る」ことではありません。
たとえば、児童館に赤ちゃんを連れていくと、ほかのお子さんから風邪をもらってしまうこともあるかもしれません。でも、子どもの白血球はそこで風邪との戦い方を学び、これを繰り返すことですぐ回復できるという健やかさを取得していきます。
この、「風邪を引いてもすぐ回復できる」という力を持っていることこそが本当の健康です。
極端に菌をおそれる「無菌子育て」ではなく、おおらかでワイルドな子育てができるといいですね。そして風邪をひきにくい体になるには栄養素がしっかり入っていることが大切です。

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プロフィール

伊藤明子(いとう みつこ)

伊藤明子(いとう みつこ)

小児科医、公衆衛生専門医、同時通訳者。
東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院で臨床研修。同病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻終了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children,Healthy Lives代表理事。
著書・共著に『天然ヘルシー「調和食」レシピ』『イタリアン・テルメ』など。

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