初めての子育ての中で、ついついお子さまの「甘え」を
受け入れてしまうことも。「もしかして、甘やかしすぎている?」と、
迷うご家庭は多いようです。おとなりさんの「甘やかし事情」も見ながら、
自立につながる関わり方のヒントをご紹介します。
子供に任せたいと思いながら、遅刻が怖くてほぼ毎日親が支度を手伝ってしまいます。(小1)
お友達の影響で、ゲーム機を欲しがりますが、まだ与えたくありません。「友達は持っているのに!」と子供は泣くこともあり、厳しすぎるのかな…。(小2)
小学生になったのに、いまだにおんぶや抱っこをせがんできます。つい親も、人前でも抱っこしてしまいます。これって甘やかし?(小2)
叱ることが日々多いです。できるだけ優しくと意識するのですが、結局叱ってしまいます。ママ友からも「厳しいね」と言われてへこみます。(小1)
「朝の支度の順序を紙に書いて貼っておく」など、できないことが自然にできるように、環境をつくったり手助けしたりする。
→親のサポートを受けながらも、自分自身で「できた」と実感でき、自信につながります。
お子さんのかわりに学校の準備を済ませるなど、お子さんの力でできるのに、先回りして全部やってしまったりする。
→親からの指示待ちが多く受け身の状態になりがち。自分で考える体験が少なくなります。
親野 智可等(おやの ちから)先生
長年の教師経験をもとにメルマガ「親力で決まる子供の将来」を発行。全国の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。講演依頼とメルマガ登録はホームページから。 http://www.oyaryoku.jp/
「自立」には、身のまわりのことができる「生活習慣の自立」と、もう1つは、自分のやりたいことを見つけ行動できる「自己実現のための自立」があります。この2つを伸ばしてあげるためには、時に甘えさせてあげることも必要です。自立につながる「良い甘やかし」を意識しましょう。
おうちのかたが手を出す前に、お子さまがやりやすいように工夫してあげましょう。おうちのかたは少し離れて見守り、お子さまに「自分でできた!」を実感させて。
朝の支度の順番を、イラストや写真にして壁に貼りましょう。おうちのかたが、口うるさく言わなくても自分で気づける環境を工夫してみて。
工夫をしたら子供に任せてみます。うまくいかなければ、もうひと工夫してハードルを下げ、できるようにしてあげましょう。
ほめ言葉やプラスイイメージの言葉を増やしていくことがポイントです。叱り言葉や「あなたはダメね」などの否定的な言葉は、お子さまのやる気を奪います。
工夫しても朝の支度が遅いときは、叱るよりも手伝ってあげて「間に合ってよかったね」とプラス思考の声かけを。その方がやる気が出ます。
宿題が進まないときは、「学校で頑張ったから、疲れたかもね」など共感して。「わかってくれている」と感じる安心感から、頑張る気持ちが生まれます。
「甘やかすと自立できない」と心配するかたも多いようですが、実は、自立には甘やかしが必要です。良い甘やかしは、お子さんを自立へと導き、逆に悪い甘やかしは、お子さんの自立を妨げます。