1998/05/01

「中学生のもつ『場』における意欲」研究報告書 —学校と家族—

報告書の概要

「中学生のもつ『場』における意欲」研究の全体構想

テーマ設定の背景

中学校は様々な変革を求められている。間近にせまった学校完全週5日制の実施や学習指導要領の改訂、個性重視の指導への移行など、指導内容の質的見直しが必要となっている。
また、学歴信仰が崩れつつある現在、「高校入試」のハードルだけでは学習の動機づけにならなくなることが予想され、それに代わる新しい動機づけが必要になってくる。
さらに、「中学生」という時期は、周囲の人間関係が拡大し、自分以外の「他者」から受ける影響も大きくなる。学習活動を含めた彼らの行動は、「他者」との関係性の中で生み出され、その中で、意欲も形成されると考えられる。
このような状況下、中学校は「学校」という集団指導を前提とした枠組みの中で、中学生一人ひとりが個性を発揮し、意欲的に活動できる環境をいかにつくるかが問われている。

研究対象

中学生、中学生を中心とした若者全般

テーマ

研究2<インフォーマルな場における中学生の意欲研究>
中学校現場のインフォーマルな場における、「仲間づくり・集団帰属への意欲」と「学校に行く意欲」を調査し、相互の関係性とその背後にある家庭環境との関連を探る。
●定量調査(中学生への質問紙調査)と家族面接調査をセットにした研究
・・・精神医学的視点からのアプローチ
東京学芸大学助教授・精神科医 田村毅

調査報告書の目次・詳細

刊行にあたって・「中学生のもつ『場』における意欲」研究の全体構想
目次・中表紙
1章 はじめに
1.問題意識
2.中学生は変わったのか
3.「学校」と「家族」
4.意欲とは
5.意欲が発揮される「場」とは
6.インフォーマルな「場」における意欲
2章 質問紙による調査
1.調査の目的と方法
2.結果
(1)全体の頼向/学校に行く意欲
(2)全体の傾向/インフォーマルな場における意欲
(3)全体の傾向/意欲と関連する項目
(4) 「学校に行く意欲」の高い者とそうでない者の比較
3章 家族インタビュー調査
1.調査の目的と方法
2.結果の分析方法
3.結果
4章 考察
1.明らかになったこと
2.「場」のなりたち
3.「学校」「家族」の場の機能の変化
4.第三者としての父親の役割
5.意欲的になれる「場」をつくれるか
6.個と個を結ぶコミュニケーション
7.「友人との交流に対する意欲」がカギ
8.意欲を育てる「場」としての学校
調査票見本・および集計結果