2026/08/27

実践現場レポート④ 集住地域での支援 兵庫県神戸市 外国にルーツのある高校生世代のため日本語・学習クラス

実践現場レポート④ 集住地域での支援 兵庫県神戸市 外国にルーツのある高校生世代のため日本語・学習クラス

外国にルーツをもつ子どもの指導・支援は、地域によって背景が異なるため、他の学校や団体、自治体の取り組みを知る機会が少ないという実態があります。多様な実態や取り組みをお知らせする意義は大きいと考え、実践の現場に伺ったり、指導者・支援者の方々にお話をお聞きしたりした機会をもとに、実践現場レポートとしてご紹介します。

今回は、兵庫県神戸市にあるNPO法人神戸定住外国人支援センター(KFC)で、外国にルーツをもつ「高校生世代に向けた日本語教室」を見学、神戸市地域協働局地域協働課の課長 中村歌奈子さん、係長 佐藤唯さん、地域日本語教育統括プロデューサー  幸本温子さんと、KFCのNPO部門ゼネラルマネージャー 志岐良子さん、コーディネーター 櫻木晴日さんにお話を伺いました。(所属と肩書は訪問時2026年2月のもの)

高校生世代を対象にした支援

神戸市では、小中学生への支援に比べて、高校進学後や来日時に義務教育年齢を超えている「高校生世代」への支援が十分でないという問題意識のもと、外国にルーツをもつ若者を対象とした支援教室の実証事業を行っています。

この事業は、「高校生世代」(15~20歳)を対象とし、訪問時は、中国、ネパール、インドなどにルーツをもつ15名が参加しているとのことでした。この支援教室で、特徴的なのは、来日前に中学校相当の教育を修了しているが、日本語をゼロから学ぶケースが多い「ダイレクト生」と、日本の高校に在籍している「高校在籍生」の双方を対象としている点です。

① 高校入学を目指す「ダイレクト生」への支援

日本語を基礎から学びつつ、高校入学を目指す子どもたちの支援となります。日常会話を含めた日本語を学習しながら、日本語での面接の練習や入試科目への対応が求められるとのことです。

② 高校在籍生への支援

外国人特別枠のある全日制の高校や通信制、定時制の高校などに通う生徒への支援となります。教科学習教材を使った日本語学習や、日本語の習熟度の確認を兼ねた日本語能力試験(JLPT)の準備に取り組んでいるとのことです。

支援クラスの様子

当日は、前半・後半と2枠のクラスを見学しました。午後の早めの時間にあたる前半の時間帯には、主に「ダイレクト生」が参加しており、この日は、高校入学を目指し日本語の学習に取り組む生徒や日本語能力試験の教材に取り組む生徒の姿がありました。

後半の夕方の時間帯には、主に高校在籍生が参加しており、視察時は、高校生6名が参加し、日本語能力試験に向けた勉強や学校の教科テストの確認など、それぞれの生徒の課題に応じた日本語学習が行われていました。

どちらのクラスでも、学習段階やニーズが生徒それぞれで異なるため、個々の状況に応じた柔軟な支援が求められています。ボランティアやスタッフにより、マンツーマンに近い形で指導・支援が行われていました。また、教科学習の面では、教材選びの難しさや、日本語のレベルに応じた指導をする難しさがあり、日本語学習の面では、特に高校在籍生において、日本語能力試験受検後のモチベーション維持が課題であるとのお話も伺いました。

高校生世代の支援の実際を知る貴重な機会となりました。お忙しい中、訪問を受け入れてくださりありがとうございました。

※本視察はJSPS科研費 24K22721の助成を受けて実施したものです。